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2011/03/12

原子力保安院「具体的な情報が得られていない」 福島第一原発1号機爆発で

福島第1原発で爆発…対応に追われる保安院



 東日本大震災の影響で、燃料の一部が溶けた東京電力福島第1原発1号機で12日午後3時半すぎ、大きな爆発が起きた。所管する経済産業省原子力安全・保安院は事実確認を含め情報収集に追われた。

 「炉心の中の燃料が溶けているとみてよい」。これに先立つ午後1時45分からは保安院の中村幸一郎審議官が記者会見し、こわばった表情でそう説明した。

 中村審議官が会見の冒頭で「セシウムを検出した」と切り出した途端、詰め掛けた記者たちは連絡のため、一斉に会見場を飛び出した。

「原因は」「人体への影響は」。約70人の記者からは矢継ぎ早に質問が飛んだが、中村審議官らは「中の様子が分からない」「データを持ち合わせていない」。「一刻も早く冷却することが重要だ」と繰り返した。
2011年3月12日 17:43







「情報なく、言えない」と原子力安全・保安院 福島原発爆発で
2011.3.12 20:19
 大きな爆発音の後に立ち上る白煙。原発内で何が起きたのか-。東京電力福島第1原子力発電所1号機の建屋爆発を受け、原子力安全・保安院は12日午後6時、記者会見を始めた。注目の会見に100人を超す報道陣が集まったが、中村幸一郎審議官は「具体的な情報が得られていない」と歯切れの悪い返答に終始。記者と押し問答を繰り返した。

 事故から2時間半後の会見。報道陣からは「重大な損害が出た可能性は」「最悪の状況は考えられるか」などの質問が相次いだ。中村審議官は「情報をきちんと確認して対応を検討しなければならない。予断を持ったことはいえない」と明言を避け続けた。

 周辺住民への影響も考えられるだけに、記者は必死に食い下がるが、押し問答は1時間にも及ぶ。「ちゃんと確認してから答えて」。記者の注文を受け、保安院側は会見を中断し、最新データを確認した上で再度行うことにした。





党首会談中に福島原発で爆発 首相、野党に伝えず
2011/3/12 23:12
 菅直人首相が12日午後の与野党党首会談の席で、福島第1原子力発電所1号機の被災状況に関し「大丈夫」と野党側に説明していたことが分かった。実際には1号機は会談の最中に爆発したが、首相は報告しなかった。

 出席者によると、会談で、みんなの党の渡辺喜美代表は「炉心溶融(メルトダウン)が起きているのではないか」とただしたが、首相は「メルトダウンとは考えていない」と否定した。共産党の志位和夫委員長は1号機の圧力容器の水位低下を指摘したうえで「危険だ。万全な対応をしてほしい」と要請。志位氏によると首相は「大丈夫。上がってきている」との認識を示した。

 志位氏は会談中に爆発の事実の報告が無かったことなど一連の政府の対応について、加藤公一首相補佐官に電話で「無責任で怠慢な姿勢だ」と抗議した。社民党の福島瑞穂党首は「最悪の場合に備えて情報開示をしっかりし、10キロにこだわらず避難すべきだ」と主張。国民新党の亀井静香代表は会談で「いたずらに不安を醸し出すようなことをしては意味がない」と指摘した。