02/21 07:21
熱海市の熱海岡本ホテルなどを舞台にした組織的詐欺事件で、岡本ホテルグループで唯一、営業を続けていた同ホテルが休業することが20日、関係者への取材で分かった。ホテル経営会社側が同日、従業員に対して明らかにした。21日以降は宿泊客を受け入れず、幹部は「新会社を設立し、ホテル名を変えて新装オープンする」などと説明したという。
県警や警視庁などの合同捜査本部によると、同ホテルをめぐっては、組織犯罪処罰法違反容疑で逮捕した実質的オーナー(59)らが2000年ごろから経営に参画。会員制リゾートクラブ「岡本倶楽部」の舞台となり、一時は全国11カ所に同グループのホテル・旅館を展開した。
ホテル関係者によると、従業員の賃金未払いは計1億2千万円以上に上り、三島労働基準監督署が実態を調査中。上下水道や温泉料金計5千万円を滞納し、取引業者などへの負債も抱えているが、現在のホテル経営会社の存廃や債務の清算方針などについての詳しい説明はなかったという。
関係者によると、ホテル経営会社幹部は、外部の出資者を迎え、新たな経営会社を設立すると説明。施設の改装工事後、3月上旬にも営業を再開したいとして、従業員に新会社の株券購入を呼び掛け、再雇用に応じるよう求めたという。
熱海岡本ホテルは創業約80年の老舗。熱海市中心部に位置し、客室80室、収容人員400人で、市内では中堅クラス。