福島第一原発の1号機で今日午後3時半過ぎに爆発音が聞こえ白煙があがったということです。
東京電力によりますと、今日3時36分ごろ福島第一原発の第1号機で復旧作業中に直下型の大きな揺れがあり、どーんという爆発音が聞こえ、白煙が上がったと言う事です。
この爆発で東京電力の社員2人と作業員2人の合わせて4人がけがをしたと言う事です。
爆発の原因等詳しいことはまだわかっていません。
こうした状況を受けて原子力保安院は午後4時から予定されていた記者会見を延期すると発表しました。この理由としては首相官邸、総理官邸と調整をしたうえで発表するためとしています。
福島第一原子力発電所の第一号機では炉心を冷却する水の水位が急激に下がり続けるなど、不安定な状況が続いています。
こうした状況で燃料が溶け出す炉心溶融が起きている可能性があります。問題解決の為には燃料棒を冷却させる必要があり、引き続き注水作業を行って、半分ほど露出している燃料棒を冠水させる必要があるとしています。
また、格納容器内の気圧が上昇していたことから、東京電力では外に蒸気を逃して格納容器内の圧力を下げる作業を行ってきたところ、成功した模様だと午後3時過ぎに発表していました。
一方で、蒸気が外に出た事から既に1号機の周辺地域において放射物質であるセシウムとヨウ素が検出されたと言う事です。
こうしたことから保安院では自衛隊に出動を要請し、注水作業の為の水を確保するためポンプ車による水のくみ上げなどを要請しました。
http://www.news24.jp/articles/2011/03/12/06178055.html
福島第1原発1号機で爆発、天井崩落 炉心溶融か
日本の原発史上、最悪の事故
2011/3/12 19:53
12日午後3時半ごろ、東日本巨大地震で被災した福島第1原子力発電所1号機周辺から爆発音が聞こえ、10分後に白い煙を東京電力が確認した。同社の社員2人と協力会社の作業員2人がケガをし、病院に搬送された。福島県に入った情報では原子炉がある建屋などの天井が崩落した。福島県は12日午後6時25分、首相官邸からの指示で福島第1の避難指示を半径10キロから20キロ圏内に拡大した。ほぼ半世紀になる日本の原発史上で、最悪の原子力事故になった。
経済産業省の原子力安全・保安院は午後2時、「原子炉の心臓部が損なわれる炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表。燃料の核分裂に伴うセシウムやヨウ素が原発周辺から検出されたとしていた。
福島県に入った情報によると、午後4時すぎ、敷地内の放射線量が1時間に1015マイクロシーベルトを示した。一般人が年間に受ける放射線量の限度(1000マイクロシーベルト)に相当する値まで上がっている。
原発は万一の事故に備え、「5重の壁」と呼ばれる構造で放射性物質を閉じ込める。今回の爆発では一番外側にあたる原子炉建屋が壊れたことが映像で確認された。内側の防壁の状況は分かっていない。
建屋崩壊時は原子炉格納容器の圧力が高まっており、壊れる可能性があったため内部の空気を出す作業を進めていた。爆発が起きた原因は調査中だが、原子炉格納容器の圧力が何らかの理由で高まり過ぎて爆発したとすれば、最悪の場合は内部の防壁も壊れ、放射性物質が外に出た可能性がある。
東電によると、現地の情報が錯綜(さくそう)しており、被害状況などを確認するのが困難な状況が続いている。福島第1原発の敷地内には同日午前11時の時点で750人の作業員がいるという。
1号機は東日本巨大地震の発生で自動停止はしたものの、緊急炉心冷却装置(ECCS)を動かすことができなくなり、炉を十分に冷やせなくなっていた。
東電は12日午後、原子炉内の水位低下が進んでいると発表した。午前9時に燃料の上部50センチメートルが露出していたのが、10時30分には90センチメートル、午後1時には1.5メートルに拡大。午後3時半ごろに1.7メートルになった。燃料の長さは4メートルで全体のほぼ半分が露出したことになる。
東日本大震災:福島第1原発 水素爆発の仕組みは…
一瞬のうちに分厚いコンクリートと鉄筋の頑丈な建屋を吹き飛ばした水素爆発は、どんな仕組みで起きたのか。
吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉安全工学)によると、燃料棒に使用するジルコニウムは、高温になるほど水と反応しやすく、特に1100度を超えるとより反応性が高まる。原子炉内でまず、高熱になったジルコニウムと水が反応して水素が発生。水素は配管などを通じて格納容器の外に漏れだし、建屋内にたまっていったとみられる。
水素は、空間内の体積の14%以上を占めると、酸素と反応し、爆発する性質がある。これが水素爆発だ。12日午後3時36分に起きた激しい爆発は、建屋内にたまった水素が限界量を超え、空気中の酸素と一気に反応したと考えられる。
吉川名誉教授は「そもそも地震後に非常用電源が作動して冷却水が十分に循環していれば、炉心溶融やその後の水素爆発には至らなかった。電源確保ができなかったことがすべての始まりだ」と指摘する。【須田桃子】
毎日新聞 2011年3月12日 22時54分(最終更新 3月13日 0時55分)
福島第1原発で爆発と白煙 建屋屋根崩落か
2011年3月12日 20:22
福島第1原子力発電所1号機付近で12日午後3時半過ぎ、直下型の大きな揺れが発生し、大きな音と白煙が確認された。「東京電力」によると、12日午後3時36分頃、復旧作業中に起きたということで、原子炉の建屋の屋根が崩落したとみて詳しく状況を調べている。
これにより、原子炉内に水を入れる作業をしていた東京電力の社員2人と作業員2人の計4人が、骨折をするなどして病院に搬送されている。いずれも意識はあるという。
この爆発より前の12日午後3時29分には、山側でモニタリングカーが1015マイクロシーベルトアワーの放射線量を測定していたという。この数値は一般の人が1年間に浴びる放射線量の値に匹敵するもの。東京電力では、制限値を超える500マイクロシーベルトアワーを超えたことから、原子力災害対策特別措置法第15条に基づき、放射線量が異常に上昇したことを国に報告した。
こうした事態を受けて、枝野官房長官は12日午後6時前から緊急に記者会見し、福島第1原発で爆発的事象があったことを明らかにするとともに、放射線レベルは想定の範囲内で、落ち着いて行動するように呼びかけた。また、万一に備えて、放射性物質が体内に吸収されるのを防ぐためにヨウ素の準備もしているという。
福島県によると、国からの指示で福島第1原発の避難指示範囲を、これまでの半径10キロから半径20キロに拡大した。福島県は一度は福島第2原発の避難指示範囲を半径20キロに拡大をすると発表していたが、これまでのまま半径10キロであると訂正した。
頭下げ「心からおわび」=原子炉状態、あいまい説明-建屋爆発・東電副社長ら
「心よりおわびする」。東京電力の藤本孝副社長らは12日夜、東京都千代田区の同社で記者会見。福島第1原発1号機の爆発を陳謝したが、原子炉の詳しい状態については明言せず、情報公開姿勢を問われる場面もあった。
会見には藤本副社長のほか、原発担当の小森明生常務ら6人が出席。冒頭、「大変心配をお掛けしています」とそろって頭を下げた。
小森常務らが被害状況を説明したが、原子炉の現在の状況を問われると、「明確でない」「分からない」を連発。炉心溶融の可能性についても、「厳しい状況」とする一方で「そこまで至ってないかもしれない」とも述べるなど、あいまいな説明に終始した。このため、報道陣からは同社の情報提供のあり方を厳しく追及する質問も上がった。
会見に先立ち、同社本社では広報や原発担当者が断続的に状況を説明。1号機から爆発音があったとテレビで報じられると、記者約70人が集まる会議室は騒然となった。午後5時すぎ、慌てて広報担当者が部屋に入り、説明。矢継ぎ早に質問が飛んだが、「また報告します」と言ったまま、足早に部屋を後にした。
原子炉建屋の屋根崩落判明後にも、担当者が再度説明。沈痛な表情で「テレビで壁がなくなったことを確認できました」。チェルノブイリ原発事故のように付近では住めなくなるのではとの問いも出たが、「状況を評価しないと分かりません」と繰り返すだけだった。(2011/03/12-23:30)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031200625