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2011/01/08

日・サウジ間で原子力協力文書を交わすことで合意

政府、原子力支援でサウジと合意 協力文書早期に
2011/1/8 23:06


 【リヤド=福士譲】日本とサウジアラビアの両政府は8日、原子力分野での協力拡大で一致した。大畠章宏経済産業相がサウジ担当閣僚と会談し、人材育成などで支援する原子力協力文書を早期に交わすことで合意。今後は平和利用を確約する原子力協定の締結を視野に関係を深める。中東諸国は経済成長などを背景に原子力発電所の導入を進めており、サウジも導入を検討中。政府はサウジとの協力を機に中東へのインフラ輸出で攻勢を強める構えだ。

サウジ訪問中の経産相は8日、原子力開発などを担当する「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市(KA―CARE)」のヤマニ総裁と会談した。経産相は「日本の原発は世界で最も安全」と強調。ヤマニ総裁も「日本の技術力は高く、協力は互いにメリットがある」と応じた。

 両者はまず日・サウジ間で原子力協力文書を交わすことで合意した。これに沿って日本側が原発を運転する人材の育成や具体的な計画づくりなどでサウジを支援。政府間対話なども頻繁に開催する。具体的な協力が進んだ段階で、原子力協定の締結に向けた調整を進める考えだ。日本政府はサウジへの協力を通じて最終的に日本企業の原発受注を狙う。

 サウジは昨年4月にKA―CAREを設立し、化石燃料以外のエネルギーの利用を進める方針を表明。同国で初めてとなる原発の導入に踏み切る意向も明らかにした。建設場所や規模、基数などは検討中。経済成長や人口増加に伴う電力不足が深刻になるなか、地球温暖化対策にもつながる原発への関心が高まっており、石油中心のエネルギー政策を大きく転換したものといえる。

 原発導入をめぐってKA―CARE設立後、サウジが本格的に話し合いの場を持ったのは日本が初めてとされる。今後は原油輸出で得た豊富な資金を背景に原発の受注先を決めるものとみられる。

 サウジに原油輸入の約3割を頼る日本にとっては、原発を巡る協力拡大はプラント受注だけでなく原油の安定調達にもつながる。上下水道など水インフラの整備や太陽光発電での技術供与も呼びかける方針で、「パッケージ型インフラ輸出」の実現を目指す。経産省はエネルギー分野での関係強化は、日本企業の中東進出を後押しするとみている。