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2010/12/08

WikiLeaks、米MCとVISAが取引を停止

マスターカードとビザ・ヨーロッパ:ウィキリークスとの取引停止


 12月7日(ブルームバーグ):世界2位のクレジットカード会社、米マスターカードとビザ・ヨーロッパは、内部告発サイト「ウィキリークス」との取引を停止している。

  マスターカードの広報担当者のジェームズ・イソックソン氏は7日、電子メールで配布した資料で「ウィキリークスをめぐっては現在、当社カードの取り扱いを停止する作業を進めている」と発表。ビザ・ヨーロッパの広報担当者のサイモン・クライン氏も電子メールで、ウィキリークスとの取引を停止したことを明らかにした。

 ウィキリークスについては、米eベイのオンライン決済サービス「ペイパル」が4日、利用規約への違反を理由に同社の口座へのアクセスを遮断。また、スイス郵政公社の銀行部門、ポストファイナンスも、ウィキリークス創設者のアサンジ容疑者が顧客要件を満たしてないとして同容疑者の口座を閉鎖した。オンライン小売り世界最大手の米アマゾン・ドット・コムは、サービス条項違反を理由に、同社へのサーバー提供を停止している。

更新日時: 2010/12/08 12:38 JST Bloomberg




2010/12/8 0:58 日経
ウィキリークス活動影響も 創設者を逮捕、狭まる包囲網
ビザは支払いを停止

 【ロンドン=上杉素直】内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」創設者の逮捕はその活動に大きな影響を与えそうだ。同サイトはロンドンを拠点に情報発信を継続すると表明している。しかし、米カード大手ビザは7日、同サイトへのあらゆる資金支払いを一時停止することを発表。サイト運営を支えるオンライン寄付の妨げになるのは確実で、同サイトへの“包囲網”は狭まりつつある。

 AP通信によると、アサンジ容疑者は7日、移送されたロンドン市内の裁判所でスウェーデンへの送還に同意するかどうか問われ、拒否すると語った。英国司法当局は拘留期限の今月14日までにスウェーデンへ引き渡すかどうか決めるとみられる。

 ウィキリークスで政府機密が大量に暴かれた米国では、サーバーの貸し出しを取りやめたり、寄付口座を閉鎖するなどの動きが相次いでいる。欧州でも6日にはスイス郵政公社の金融部門がアサンジ容疑者の口座を閉鎖したと発表した。こうした流れが、業務と無関係の容疑とはいえ創設者逮捕でさらに勢いづくとの見方がある。

 一方、アサンジ容疑者はロンドン警察署に出頭する前に母国の全国紙オーストラリアン(8日付電子版)に手記を寄稿した。この中で「イラクやアフガニスタンでの戦争を巡る厳しい真実を暴露した」として、「ウィキリークスはメディアとして政府を正直にすることに貢献している」などと主張。「すべての政府に影響を与えてきたが、個人は誰一人傷つけてはいない」とも強調した。