韓国、海上射撃訓練を延期2010.12.18 22:54
【ソウル=加藤達也、北京=川越一】韓国軍が、北朝鮮の砲撃を受けた延坪(ヨンピョン)島周辺の黄海で予定している海上射撃訓練について、韓国政府関係者は18日、予定海域の気象条件を考慮し、20日か21日に行うとの方針を明らかにした。
18日にも実施するのではないかとみられていた訓練の“延期”の理由について在韓米軍筋は「米韓軍が北朝鮮側の攻撃動向を早期に把握し、適切に応戦するには視界や風力、風向などの気象条件が万全である必要がある」と説明している。
訓練は、韓国軍合同参謀本部が16日、実施計画を発表。これに対して北朝鮮は18日付の内閣機関紙「民主朝鮮」で、韓国軍が「自衛権を行使」して戦闘機を動員して反撃するとしていることに激しい反発をみせた。
中国外務省は18日、北京駐在の北朝鮮と韓国の大使を同日までに相次いで呼び、双方に自制を強く求める中国の立場を伝えたと発表した。ロシアのボロダフキン外務次官も駐ロ韓国大使に訓練中止を要請した。
このため延期の理由について、日本を含む周辺諸国の間には、中露に対する韓国側の外交配慮ではないかとの観測も出ている。