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2010/12/03

【ロシアの声】アメリカは自らのアジア太平洋戦略の中で、軍事面での完全な優位性獲得を目指している

3.12.2010, 14:47 ロシアの声
「日米の絆強化は、中国に対抗したものか?」







3.12.2010, 14:47 ロシアの声
「日米の絆強化は、中国に対抗したものか?」

 アメリカは、アジア北東部で、このところ一連の大規模な軍事演習を実施しましたが、これついて、軍事専門家達は「極東の最も近しい同盟諸国の協力の下、新たな対ミサイル防衛システムを構築しようとしている事の表れ」と見ている

 この数十年間で、アメリカとその同盟国がこれほど集中的に、この地域で軍事活動を展開した事は、かつてなかった。つい先日終わったばかりの米韓合同軍事演習の矛先は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のみならず中国にも向けられたものだった。韓国軍合同参謀本部報道官によれば、ああした演習は、今年末までにもう一度実施され、特に、黄海西岸への海兵隊の上陸を想定した戦術訓練がなされるという。つまり、中国沿岸のすぐそばで実施されるという事だ。

 また日本列島南部でも、一連の大掛かりな軍事演習が行われるとの発表があった。これには、日本の陸海空すべての自衛隊が参加するほか、アメリカからは、原子力空母「ジョージ・ワシントン」など米第七艦隊の艦船、海兵隊や空軍の一部も加わる見込みだ。演習のシナリオによれば、日中間で領有権をめぐり争点となっている日本名「尖閣」諸島など日本南端の島々の安全擁護が、その目的とされている。なお、この演習後、日本の陸上自衛隊と米海兵隊は、中国東部と向き合う形になる日本南部のいくつかの県で共同訓練を実施する意向だ。日本経済新聞の報道によれば「これら戦後最大規模の日米合同演習の数々の目的は、北朝鮮ばかりでなく、北東アジアで海軍力を積極的に増強している中国に対する牽制の意味を持つ」との事である。

 一方アメリカ自身も、グアム島の基地を太平洋西部における軍事上の要に変えようとしている。それが証拠に、グアムには空母が接岸可能なドックが建設中で、対ミサイル防衛システムも構築されつつあり、飛行場も拡張されている。 ロシア地政学問題アカデミーの軍事エキスパート・ワヂム・コズューリン氏は「アメリカは自らのアジア太平洋戦略の中で、軍事面での完全な優位性獲得を目指している」と捉えている-

「アメリカは、中国周辺の地域を自分達の国益ゾーンとみなしている。彼らが自国の軍事基地の安全について、すべて特別の私事とすることに対し、中国は苛立ちを持って受け止めているが、それは、すべてが中国国境近くの状況に関ってくるからである。それゆえ、米中関係が、そうした土壌から新たに先鋭化する恐れも否定できない。」

 とはいえ、アメリカ政府は、中国政府がアメリカのあれやこれやの措置に対し不満を表明し,そのたびに二国間の軍事的関係を中断するようであっては欲しくないと思っている。12月2日、米統合参謀本部議長のマイケル・マレン海軍大将も、そうした発言をしている。

 マレン海軍大将は「中国との間で一日も早く軍事的連絡が再開すれば、それはお互いの戦略的意向を理解する助けになるだろう」と述べ、対のように続けた― 「なぜ中国政府は、アメリカを敵国と受け止めているように思えてならないような軍備プログラム作りに取り組んでいるのか、そうした問いに今のところアメリカは、苦しんでいる。中国は、我々と戦うために軍事力を増強しているのではないか。」

http://japanese.ruvr.ru/2010/12/03/36184063.html