入札のたびに手数料が取られる「ペニーオークション」と呼ばれる新手のインターネットオークションに関して、「いくらやっても落札できない」といった苦情が11月ごろから、各地の消費者センターで急増していることが28日分かった。
ほとんどの業者が格安で商品を落札できることを売りにしているが、落札できなくても手数料が返金されない点などを明確に表示していない場合、景品表示法に抵触する恐れがある。消費者庁は情報収集に着手し、年明けにも注意喚起したい考えだ。
国民生活センターなどによると、ペニーオークションに関する相談は11月末までに150件あった。
関係者によると、ペニーオークションは05年ごろ、ドイツで考案。国内では09年末から業者が増え始めた。
2010/12/28 17:15 【共同通信】
スポニチ 2010年12月28日 17:08
「手数料払っても落札できない」新オークションに苦情急増
入札のたびに手数料が取られる「ペニーオークション」と呼ばれる新手のインターネットオークションに関して、「いくらやっても落札できない」といった苦情が11月ごろから、各地の消費者センターで急増していることが28日分かった。
ほとんどの業者が格安で商品を落札できることを売りにしているが、落札できなくても手数料が返金されない点などを明確に表示していない場合、景品表示法(有利誤認)に抵触する恐れがある。消費者庁は情報収集に着手し、年明けにも注意喚起したい考えだ。
国民生活センターなどによると、ペニーオークションに関する相談は11月末までに150件あった。「業者がサクラを使って参加者に落札させないようにしているのではないか。不審だ」との声も寄せられた。
関係者によると、ペニーオークションは2005年ごろ、ドイツで考案。国内では09年末から業者が増え始め、少なくとも100以上のサイトが運営されている。
出品されるのは大型テレビやパソコンなど。サイト上では、入札があるたびに落札価格が1~15円刻みで上がり、オークションも15~20秒間延長される。延長時間内にほかの入札者が現れなければ落札できる仕組みだ。
落札価格は一般の販売価格の数%になることが多いが、参加者は入札のたびに70円前後の手数料が必要。自動的に入札を繰り返すようサイト上で設定することも可能で、人気商品は入札が1万回以上になることもある。業者は商品の仕入れ値をはるかに上回る手数料収入で利益を得ることができる。
落札者以外の参加者は手数料を支払うだけとなるため「オークションというよりギャンブルに近い」との指摘もある。
[ 2010年12月28日 17:08 ]
ネットで入札のたび50~80円
ペニーオークションとは、入札のたびに料金が発生する新型のネットオークションの総称。0円など破格の値段で新品の家電などが出品され、入札1件ごとにおよそ1~20円単位で価格が上がっていく。落札するには、手数料として各サイト内のみで使える“模擬通貨”を購入する必要がある。入札1回につき、模擬通貨代として約50~80円がかかる。
例えば、0円で出品され、入札1回で1円ずつ価格が上がる「iPad」の例を見てみよう。入札には3人が参加し、最終的に500円でAさんが落札したとする。
入札には1回50円が必要で、Aさんが250回入札したとすると、手数料を含め計1万3千円を支払うことになる。
ほかのオークションと大きく違うのは、落札できなかったBさん、Cさんも入札手数料を取られる点だ。落札額だけを見れば、「iPad」が500円で落札された格好だが、出品者(オークション運営者)側には3人分の入札額を含めた計2万5500円が入る。