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2010/11/23

北方限界線(NLL) 周辺海域は「海の火薬庫」と呼ばれる。

産経
2010.11.23 22:50
【北朝鮮砲撃】黄海の火薬庫「北方限界線」

 北朝鮮による砲撃現場近くの北方限界線(NLL)は、朝鮮戦争の休戦協定締結直後の1953年8月、協定で海上の南北境界線が定められなかったために、在韓国連軍が独自に黄海上に設定したものだ。

 付近では、北朝鮮の艦船がNLLを越えて韓国側に侵入するなどして南北間の衝突が度々起きており、周辺海域は「海の火薬庫」と呼ばれる。

 99年6月には、延坪島周辺で北朝鮮警備艇と韓国軍艦艇による銃撃戦が発生し、北朝鮮側の30人以上が死亡。韓国では「延坪海戦」と呼ばれている。この年9月、北朝鮮は「NLLは無効だ」と宣言し、別の「海上軍事境界線」を一方的に設定した。

 2002年6月にも南北間の軍事衝突が発生。この時期はワタリガニ漁の最盛期で、黄海のNLL付近海域では南北それぞれ大量の漁船が操業している。いずれの衝突も漁船を監視する名目で、北朝鮮の警備艇が南下し、韓国軍の高速艇を先制攻撃したのが原因だ。

 09年11月にもNLL付近で南北海軍の艦艇の銃撃戦があり、北朝鮮側に8人に死者が出たとされる。今年3月には、北朝鮮の魚雷攻撃による韓国哨戒艦撃沈事件が発生。8月には、北朝鮮側がこの水域に計約130発の砲撃を行った。