神父の性的虐待事件、米教区が18億円の慰謝料支払いへ
2010年05月14日 10:35 発信地:ワシントンD.C./米国
【5月14日 AFP】米バーモント(Vermont)州のカトリック教会のバーリントン(Burlington)教区は13日、神父による性的虐待被害者に対し2000万ドル(約18億5000万円)以上の慰謝料を支払うことに合意した。不動産の一部を売却して費用を捻出するという。
同教区のサルバトーレ・マタノ(Salvatore Matano)司教がウェブ上に掲載した文書の中で明らかにしたもので、被害者26人に対して計1765万ドル(約16億3500万円)、その他和解した3つの案件についても金額は非公開だが慰謝料を支払うという。
被害者を代弁する法律事務所によると、同教区が支払う額は総額で2000万ドルを超えるという。
米国では、2002年にボストン(Boston)教区の大司教が教区内の神父による児童性的虐待を見て見ぬふりをしていたことを認めたのをきっかけに、神父による性的虐待が大きな社会問題になっている。以来、同国では、6つの教区、1つの大司教区、1つのイエズス会グループが、破産保護を申請している。
聖職者による性的虐待被害者を支援する「Bishop Accountability(司教・司祭の説明責任)」によると、米国の教会が性的虐待被害者に支払った慰謝料は累計(推定)で30億ドル(約2800億円)にのぼっているという。(c)AFP