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2013/05/09

川口順子環境委員長を解任 衆参両院を通じて現憲法下の国会史上初

川口順子環境委員長を解任 衆参通じ初、野党の賛成多数




参院は9日午前の本会議で、自民党の川口順子環境委員長の解任決議案を野党の賛成多数で可決した。川口氏は国会法の規定に基づいて直ちに解任となった。決議案は参院の許可を得ずに中国訪問を延長して委員会が中止になったとして野党7党が提出した。衆参両院事務局によると、委員長解任決議の可決は初めて。

 決議案提出に反発して8日の参院予算委員会を欠席する異例の対応を取った自民、公明両党は、採決を受けて参院各委員会の審議に復帰し、正常化へ向かう。2013年度予算案は15日に成立する見通しだ。

2013/05/09 12:00   【共同通信】








楊 潔篪 Wiki












社説:川口氏の解任案 大局を見ぬ野党の対応


毎日新聞 2013年05月08日 02時30分


 連休明け国会の始まりがこれでは、国民の政治不信はますます深まるのではないか。そう思わせる国会のごたごたぶりだ。

 川口順子(よりこ)参院環境委員長(自民)が、中国出張を国会の許可なく延長したため、委員会が中止になったとして、野党7会派が川口氏の解任決議案を参院に共同提出した。

 ねじれ国会で参院では野党が多数を占めるため、決議案は野党の賛成多数で可決される可能性がある。常任委員長の解任決議案が可決されれば、衆参両院を通じて現憲法下の国会史上初めての事態だ。野党側にも言い分はあるとはいえ、今回の解任決議案は行き過ぎではないか。

 経緯を簡単に振り返ってみたい。

 川口氏は国際会議に出席するため、4月23日から25日までの3日間の日程で、中国出張を国会に申請した。参院では2011年、国会開会中の常任委員長の海外渡航を自粛することを与野党が申し合わせており、参院議院運営委員会の理事会は、出張日程を1日短縮して4月23、24両日とすることで許可した。

 しかし川口氏が北京滞在中、前外相の楊潔篪(ようけつち)国務委員(副首相級、外交担当)との会談が25日に実現することになった。川口氏は、出張日程の延長を願い出たが、参院議運委理事会の了承が得られず、そのまま北京滞在を1日延長して、楊氏と会談した。25日に予定されていた環境委員会での法案の趣旨説明は急きょ、中止になった。

 川口氏の行動をどう評価するか、自民党と野党の主張は真っ二つだ。

 自民党は「観光旅行に行ったわけではない。国益を考えた判断だ」(石破茂幹事長)と強調する。

 野党は「立法府は立法が最大の責任で、行政府ではない」(松野頼久・維新の会国会議員団幹事長)と批判する。川口氏の中国出張は、閣僚の海外出張とは次元が違う話で、議員外交をやりたいなら、委員長を受けるべきではなく、ルール違反は「国会軽視」というのが野党の主張だ。参院選を控えて、今回の野党共闘を安倍政権を攻める突破口にしたいという思惑も働いているようだ。

 川口氏の行動は、形式的には参院のルールから外れている。しかし、尖閣諸島の国有化以降、日中両政府は対話の糸口を見いだせず、議員外交が待望されている。川口氏自身も陳謝しているのだから、ここは大局に立って、「ルール違反」は注意で済ませ、国会審議を促進するのが常識的な対応ではないか。

 常任委員長の海外渡航自粛というルールが、時代に合っているのか、再検討する必要もあるだろう。今回の騒動がせめて、そういう前向きな議論に発展することを期待したい。






川口委員長を批判=維新・橋下氏

 日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は8日、解任決議案が提出されている川口順子参院環境委員長(自民)について、「国会は立法府で、外交責任を負っていない。政府の一員が日本を代表して(中国要人と)会うのとは全然違う。川口氏はそこを勘違いしている」と批判した。市役所で記者団の質問に答えた。 

 橋下氏は「中国側の予定にすぐ応じることの方が外交上、国益を害している」と指摘。「アポイントが入るからといって、尻尾を振って喜ぶような姿は極めて情けない」と述べた。(2013/05/08-11:38)

 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013050800349