平安時代の古文書「北山抄」の写本に猿のスタンプ
謎だらけ…平安儀式書に猿顔?の印 宮内庁「考証重ねて」
2013.4.12 01:11
宮内庁は11日、所蔵する平安時代の儀式書「北山抄(ほくざんしょう)」(全10巻)のうち複数の写本に、猿の顔のような印が押されているのを確認したと発表した。誰が何のために押したかは不明で、同庁は「さまざまな人々に考証を重ねてもらいたい」と助けを求めている。
北山抄は平安中期の知識人、藤原公任(きんとう)が編纂(へんさん)した儀式の指南書で、宮廷社会で重用された。自筆書は国宝に指定されているが、同庁によると、印が確認された写本も同等の価値がある。
同庁書陵部によると、昭和31年と32年に旧藤原摂関家の九条家から購入した写本に縦約2センチ、横約2・5センチの印が確認された。写本は紙を貼り合わせた巻物で、31年購入分は、4、7巻の紙55枚の裏に朱色の印があった。32年分は当初、紙がバラバラに破れ北山抄かも分からなかったが、修復作業で、最近になって7巻の一部と判明。裏に墨色の似た印を確認した。
宮内庁は、平安時代には紙が貴重だったため、紙職人や写本させた貴族が、印を押させた可能性があると推測している。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130412/art13041201140000-n1.htm
古文書に謎の“猿顔”スタンプ
4月11日 19時49分
宮内庁の書陵部が所蔵している書物の中に、国宝に指定されている平安時代の古文書「北山抄(ほくざんしょう)」の写本が保管されていたことが分かりました。
裏には、珍しい猿の顔のようなスタンプが押されていて、宮内庁では「詳しいことは分からず、謎だ」としています。
「北山抄」は平安時代中期の学者、藤原公任が編さんした宮廷社会の儀式の指南書で、合わせて10巻あり、京都国立博物館にある原本や、その写本が国宝に指定されています。
宮内庁の書陵部では、昭和32年に藤原摂関家の1つの九条家から購入したおよそ1万点の古文書の整理を続けていましたが、このほど、そのうちの一部が「北山抄」の写本の断片であることが分かりました。
この写本は、書体や紙の質などから平安時代のもので、貴重な発見だということです。
また、文書の裏には縦2センチ、横2.5センチほどの猿の顔のようなスタンプが押されていました。
同じようなスタンプは、平成16年にも宮内庁が所蔵する「北山抄」の別の写本で確認されていますが、これら以外に例がない珍しいものだということです。
宮内庁では、「紙すき職人がブランドとして示すために、このスタンプを押したのか、紙が貴重な時代だったので個人の持ち物であることを示したのか、いろいろなことが考えうる。詳しいことは分からず、非常にユーモラスで謎だ」と話しています。