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2012/09/21

福島県大熊町 今後5年間は全住民が帰還しない方針

5年間、住民帰還せず=復興計画を可決-福島県大熊町議会

 東京電力福島第1原発事故のため福島県会津若松市に移転している同県大熊町の町議会は21日、今後5年間は全住民が帰還しない方針を明記した町の復興計画を全会一致で可決した。町は全域が警戒区域に指定されており、渡辺利綱町長は記者団に対し「早期帰還が目標だったが放射線量が高く、苦渋の決断だった」と述べた。

 復興計画は、国の方針を受けて町内を放射線量の高い順に「帰還困難」「居住制限」「避難指示解除準備」の3区域に再編する案も盛り込んでいる。しかし、町の人口の95%が帰還困難区域に含まれることになり、残り5%の町民が町に帰還し生活をするのは困難と判断した。(2012/09/21-13:00)

      http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012092100428


大熊町 5年間戻らない計画を決定

9月21日 12時19分
町の全域が警戒区域に指定されている福島県大熊町で、今後5年間は町に戻らないことを盛り込んだ復興計画が21日、正式に決まりました。原発事故で避難区域に指定された自治体で、長期にわたって戻らない方針を決めたのは初めてで、町は戻らないこと前提にした町政運営を進めていくことになります。

大熊町の復興計画は、住民らが参加した検討委員会がまとめたもので、21日、避難先の会津若松市で開かれた町議会で全会一致で可決し、正式に決まりました。

復興計画では、政府が検討している避難難区域の見直しで、町民の95%が住む地域が長期にわたって帰還が難しいとされる「帰還困難区域」に指定される見通しであることや、ほかの地域でも除染が進んだとしても、住民が生活できる環境が短期間では整わないとして、「5年間は町に帰還しない」としています。

原発事故で避難区域に指定された自治体で、長期にわたって戻らない方針を正式に決めたのは初めてです。


町は今後、役場の機能や公立学校など新たな生活圏を別の自治体につくる、いわゆる「町外コミュニティー」の設置に向けて具体的な準備を進めるなど、長期間戻らないことを前提にした町政運営を進めていくことになります。

大熊町長“苦渋の決断”
大熊町の渡辺利綱町長は、議会のあと記者団に対し「早い時期にふるさとの大地を取り戻して帰るのがいちばんの目標だったが、線量が高いところが多く、苦渋の決断をせざるをえなかった。5年間は帰るための環境整備に努め、居住環境の整備を進めていきたい」と話していました。

また、渡辺町長は、復興計画の策定を受けて、今後、避難区域の見直しに向けた国との最終的な協議に入る考えを明らかにしました。






福島原発事故:大熊町「全町民5年帰還せず」計画案を可決

毎日新聞 2012年09月21日 20時07分
 東京電力福島第1原発事故で、全域が警戒区域に指定された福島県大熊町の「全町民が5年間帰還しない方針」を盛り込んだ第1次復興計画案が21日、同町議会で可決された。原発事故で避難を強いられた自治体が全域で長期間戻らない計画を決めたのは初めて。

 町議会は、役場機能を移している同県会津若松市で開かれた。

 復興計画は今後5年間の取り組みを定めたもの。人口の約95%が居住する地域を帰還困難区域(年間被ばく線量50ミリシーベルト超、5年間原則立ち入り禁止)とする区域再編案を盛り込み、残りの地域だけでの生活再建は困難と判断した。

 計画には、町民アンケートで要望が多かった同県いわき市かその周辺に17年ごろまでに町外コミュニティー(仮の町)を整備することや、2年後を目標に居住制限区域(同20ミリシーベルト超、50ミリシーベルト以下、一時立ち入り可能)になる見通しの大川原地区を除染拠点にすることも盛り込まれた。

 渡辺利綱町長は復興計画について「早い時期に町に帰りたかったが苦渋の決断。5年間は戻るための環境整備や(町外での)住居整備に努めたい」と話した。町は近く、政府の原子力災害対策本部に区域再編案を報告し、国が最終決定する。【蓬田正志】