【ローマ共同】ローマ法王庁(バチカン)の機密文書館がことし開設400年を迎えたのを記念し、これまで門外不出だった同館所蔵の歴史的文書からより抜かれた約100点の一般公開が2月29日、ローマのカピトリーニ美術館で始まった。
目玉の一つは地球が太陽の周りを回っているという地動説を支持したイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが、異端審問にかけられた際の17世紀の裁判記録。ガリレオの署名がはっきりと確認できる。
ドイツの宗教改革者ルターに対する1521年の破門宣告書や、日本での宣教活動で知られるフランシスコ・ザビエルが17世紀に列聖された際の法王の教書も展示。
2012/03/01 09:21 【共同通信】
ガリレオ裁判やルター破門…機密文書を初公開
【ローマ=末続哲也】ローマ法王庁(バチカン)機密文書館が所蔵し、門外不出とされた歴史的文書が2月29日、ローマのカピトリーニ美術館で初めて一般公開された。
同館の開設400年を記念する行事で、膨大な文書のうち、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが地動説放棄に追い込まれた裁判の記録や、法王ピオ12世の就任を祝う昭和天皇の書簡など100点が9月9日まで展示される。
17世紀の地動説を巡る裁判記録にはガリレオの署名が残る。昭和天皇書簡は1939年6月7日付で、バチカンとの友好関係を強調したもので、第2次世界大戦直前の外交的配慮をうかがわせる内容だ。
英国教会の独立を招く騒動の発端となった英国王ヘンリー8世と妻の婚姻無効を求める同国王側近の書簡や、ドイツの宗教改革者ルターへの破門宣告といった16世紀の文書も公開された。主催者側は「こうした展示は最初で最後かもしれない」としている。
(2012年3月1日19時38分 読売新聞)
ローマ法王庁の秘密文書、初めて一般公開
2012年03月02日 08:40 発信地:ローマ/イタリア
【3月2日 AFP】16世紀の宗教改革者マルティン・ルター(Martin Luther)への破門状や、地動説を唱えたガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei)に対する17世紀の異端審問の記録など、ローマ法王庁の機密文書館が所蔵している歴史的文書の一部、約100点が2月29日から9月9日まで、イタリア・ローマ(Rome)のカピトリーニ美術館(Capitoline Museums)で初めて一般公開されている。
「神秘の光」と題された展示は、機密文書館の開設400年を記念して行われているもので、普段はバチカンの強固な警備に守られている重要文書を目にする珍しい機会だ。
今回展示されている文書には、古くは14世紀のテンプル騎士団(Knights Templar)の宗教裁判に関する文書から、クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)のアメリカ大陸発見を受けてローマ法王アレクサンデル6世(Alexander VI)が出した15世紀の布告、16世紀の芸術家ミケランジェロ(Michelangelo)が残したサン・ピエトロ大聖堂(St. Peter's Basilica)建設に関する書簡などがある。
その他、1789年にフランス革命で捕われの身となった王妃マリー・アントワネット(Marie-Antoinette)の獄中からの手紙、第2次世界大戦中にユダヤ人迫害に十分介入しなかったことで後に批判されたローマ法王ピウス12世(Pius XII)についての文書など、まさに欧州史を俯瞰する内容となっている。(c)AFP/Dario Thuburn