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2012/03/12

「溺死」と判断された人の中にも、津波の後、しばらくは生存していた人が含まれ、別の死因で亡くなった可能性がある

遺族会発足 東電の責任追及へ
3月12日 4時4分
東日本大震災で150人が亡くなった福島県浪江町の遺族が、原発事故で救助活動が中断されたため家族を救うことができなかったとして、東京電力に責任を求めるための遺族会を発足させました。

原発事故で捜索中断“救えたはずの命が”
浪江町は、震災で150人が亡くなり、いまも34人の行方が分からないうえ、原発事故で町全域が避難区域に指定され、すべての住民が避難を余儀なくされています。

震災発生の当初は消防や警察による救助活動が行われたものの、原発事故の影響で翌日からは住民の避難誘導で救助活動が中断され、本格的な捜索が行われたのは1か月以上たってからでした。

こうしたことから遺族たちは、救助活動が中断されたために家族を救うことができなかったうえ、どのように亡くなったのかも分からないとして、11日、東京電力に責任を求めるための遺族会を発足させました。

遺族会の会長で、妻を亡くした叶谷守久さん(72)は、「救助活動が続けられれば生き延びていた人が多くいた可能性がある。原発事故が無ければもっと多くの命が救えたのではないか」と訴えました。

11日は、発足の前に東京電力の鼓紀男副社長が遺族らと面会し、「原発事故によって捜索に支障が出たことについて、深くお詫び申し上げます」と謝罪したということです。
遺族会は、今後、東京電力に謝罪とともに賠償を求めることにしています。


死因究明の動きも
福島県内で亡くなった1605人のうち、大半は津波による「溺死」と判断されています。
しかし、遺体を調べた複数の医師はNHKの取材に対し、「遺体に目立った不審な点がなければ、解剖など詳しい死因の究明は行わず、遺体が発見された場所や着ていた服の状態などから津波による『溺死』と判断した」と説明しています。

そのうえで、「溺死」と判断された人の中にも、津波の後、しばらくは生存していた人が含まれ、別の死因で亡くなった可能性があるとしています。

こうした問題を受けて遺体の死因を調べる医師などでつくる日本法医学会は被災地で遺体を調べた医師らを対象に、災害現場での体制面での課題や「溺死」と判断した遺体の中に、解剖などしてさらに詳しい死因を調べる必要があったケースがなかったかなどアンケートや聞き取りを行い、被災地での死因究明の課題について調査に乗り出しています。

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120312/t10013645531000.html