ページ

2012/01/30

宮城県の災害本部も議事録を作成せず 福島県は16日まで会議録なし

福島・宮城の災害対策本部、議事録一時作成せず
 東日本大震災を受けて設置された福島、宮城の2県の災害対策本部で、会議の議事録が福島県で一時、宮城県ではすべて作成されていなかったことがわかった。

 岩手県も一部が確認できていない。

 作成されなかったのは、いずれも昨年3月11日からで、福島県は同16日までの33回分。宮城県は10月20日までの94回分。岩手県は3月17日までの11回分が確認できない。会議は、知事ら幹部が出席し、いずれも報道陣などに対して公開で行われている。

 福島県では、協議項目が箇条書きされたものが残るが、出席者の発言内容や具体的なやりとりは記録されていなかった。3月17日以降は音声データがあり、議事録作成を進めている。宮城県も、音声や映像での記録はなく、職員のメモなどで発言要旨の作成を進める。岩手県では、議事録を作成していなかった可能性があるとみて、職員から事情を聞くなどの調査を始めた。

(2012年1月30日12時29分 読売新聞)




宮城県、災害本部会議議事録作成せず 担当課「問題ない」
 東日本大震災に関連する政府の重要会議の議事録が未作成だった問題で、宮城県も災害対策本部会議の議事録を作成してないことが27日、分かった。会議は全面公開だったが、議事録は震災対応の検証に必要なため、県は議事要旨の取りまとめを急ぐ方針。
 県危機対策課によると、本部会議は昨年3月11日から10月20日まで計94回開催され、議事録はなく、映像や音声による記録もない。同課職員や出席者が書き留めたメモは残っているという。
 本部会議は村井嘉浩知事をトップに副知事、県警本部長、各部局長、政府関係者らが出席した最高意思決定機関だった。
 県行政文書管理規則は本部会議の議事録作成を明確に義務付けていないが、「行政事務に関する意思決定や重要事項は行政文書を作成し、記録する」と定めている。
 県危機対策課は「議事録を作る余裕はなかった。会議も資料も全てオープンにしており、情報公開の問題はない。会議が原則非公開の政府と事情が違う」と強調する。
 県は2003年の宮城県北部連続地震、08年の岩手・宮城内陸地震の本部会議でも議事録を作成していない。今回は県の震災対応を検証する方針で、「議事要旨の作成は必要」と認めている。
 佐藤宣行課長は「意思決定の経過や発言内容を残すことは重要だ。今後は会議の録画や録音も検討する」と語った。


2012年01月28日土曜日





会議録、福島県もつくらず 震災直後の対策本部33回分
2012年1月30日21時19分
 東日本大震災を受けて設置された福島県の災害対策本部が、震災から6日間の計33回の会議について、出席者の発言を記録する会議録を作成していなかったことが、県への取材でわかった。

 大震災では、政府が設置した原子力災害対策本部など10会議で議事録が作成されていなかったことが明らかになっている。

 福島県の災害対策本部は震災当日の昨年3月11日に設置された。本部長の佐藤雄平知事をはじめ、副知事ら幹部、政府関係者らが出席し、今年1月30日まで計247回開かれている。震災直後は、東京電力福島第一原発事故に伴う住民の避難などをめぐり、ほぼ1、2時間おきに会議が開かれていた。

 県によると、このうち昨年3月11~16日の33回分は協議内容の項目だけが残され、出席者の発言は記録していなかった。原発事故で一連の爆発が終わったあとの同月17日からは会議録が作成された。会議は当初から報道陣にも公開されている。

 県災害対策本部は「会議録の必要性は認識していたが、連続する会議の記録作成には4、5人以上の職員をはりつける必要がある。当時は住民の避難、救出を優先し、手が回らなかった」と説明している。(林義則)




議事録未作成:岩手県、宮城県でも 災害対策本部会議
 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故に関する政府の10会議の議事録未作成問題で、岩手県や宮城県でも未作成があったことが30日、わかった。

 岩手県では、災害対策本部(本部長・達増拓也知事)の昨年3月11~17日の本部員会議計11回の会議録が作られていなかった。震災直後に設置されて以降、8月11日までに計49回開催され、報道陣にも公開されていた。震災から1週間はICレコーダーで録音するのみだったが、県庁内での情報共有を図るため、3月18日からは会議録を作成し、職員が閲覧できるようにした。

 県総合防災室の小山雄士室長は「当時は災害対応を優先せざるを得なかったが、会議録の作成は業務上必要であり、なるべく早期に作成したい」とした。

 宮城県では村井嘉浩知事が30日の記者会見で、県災害対策本部会議の議事録を作成していなかったことを明らかにした。県は今後、職員のメモなどを基に議事録を改めて作成する方針。会議は、報道機関に配布資料も含めてすべて公開したことから、県は「情報公開の対象には当たらない」としている。

 同会議には県幹部のほか、自衛隊や海上保安庁などの関係者が参加し対策を協議。昨年10月20日まで計94回開催し、第10回までの議事要旨は作成されているが、その後は議事録を作成していない。

 村井知事は「震災発生直後は議事録作成まで頭が回らなかった。県全体がパニック状態だった」と振り返った。【金寿英、宇多川はるか】

毎日新聞 2012年1月30日 19時53分