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2012/01/27

東日本大震災関連の15会議のうち10会議で議事録を作成せず

議事録未作成、10会議=震災対応で調査結果公表-政府
 政府は27日午前、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故への対応に当たった15会議体を調査した結果、原子力災害対策本部(本部長・首相)など10の会議が議事録を作成していなかったことを公表した。このうち3会議は、議事概要すら未作成だった。野党は政府対応に批判を強めており、国会論戦の新たな焦点に浮上してきた。

 議事録も議事概要も作っていなかったのは、同本部と緊急災害対策本部、被災者生活支援チーム。政府・東電統合対策室や官邸緊急参集チームなどは議事録を未作成だった。

 調査結果を受け、公文書管理を担当している岡田克也副総理は同日午前の閣僚懇談会で、2月中をめどに、議事概要を事後的に作成するよう関係閣僚に指示。また全ての閣僚に、公文書管理法に基づき文書管理の徹底も求めた。この後、岡田氏は関係者の処分について記者団に「(未作成の経緯などを)議論するので、その結果次第だ」と述べた。

 岡田氏は同日夕に記者会見し、詳細な状況や今後の対応を説明する。(2012/01/27-12:09)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012012700237




震災10会議で議事録なし ずさんな文書管理
2012/1/27 11:04


 政府は27日午前、緊急災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)など東日本大震災関連の15会議のうち10会議で議事録を作成していなかったと発表した。緊急災害対策本部と原子力災害対策本部、被災者生活支援チーム(旧被災者生活支援特別対策本部)は議事録だけでなく議事概要もなかった。

 岡田克也副総理が閣議後の記者会見で明らかにした。「2月中をメドに事後的に記録を作るよう閣僚懇談会で閣僚に要請した」と述べた。政府のずさんな文書管理が浮き彫りになるとともに、未曽有の災害を踏まえた体制づくりで参考になるはずの議事録の欠如は今後の災害対策にも影響する。

 15会議中、議事録、議事概要の両方ともないのが3会議。政府・東京電力統合対策室(旧・福島原子力発電所事故対策統合本部)と、電力需給に関する検討会合(旧・電力需給緊急対策本部)の2会議は議事録はなく、議事概要も一部作成していただけだった。原発事故経済被害対応チームなど5会議は議事概要はつくっていた。






“議事録作成 政府が指針作成も”
1月28日 19時11分
岡田副総理は津市で記者会見し、東日本大震災に関連する政府の重要会議の議事録が作成されていなかった問題を受けて、政府全体として議事録の作成に関する指針を作ることも検討する考えを示しました。

この中で公文書管理を担当する岡田副総理は「議事録の事後の作成もありうるという法律の立て方になっているので、ただちに法律違反とは言えない。事後といってもできるだけ速やかに作るべきで、これだけ時間がたっているのはよくないから問題になっている」と述べました。

そのうえで岡田副総理は「なぜ作成されなかったのかという検証の問題と、今後どうするかという問題の2つがある。法律があるのに、省庁によって扱いが全然違うのはよくないので、今後は、公文書を所管する立場で、どの程度の議事録をどういう形で作るか、一定のガイドラインを作ることも考えなければならない」と述べ、政府全体として、議事録の作成に関する指針を作ることも検討する考えを示しました。

これに先立って、岡田副総理は、講演で、社会保障と税の一体改革に関連して「消費税を5%引き上げた場合、一定割合は地方にいく。国民に負担をお願いする以上、地方も身を削る努力をしてほしい」と述べ、地方の行政改革も必要だという認識を示しました。

自民党の茂木政務調査会長は、宇都宮市で開かれた党の会合で「野田総理大臣は『震災の教訓と経験を国際社会と共有し、原子力安全の向上に貢献するのは日本の責務だ』と言ったが、何も議事録に残していない。自民党の官僚出身の議員は『議事録を残さないことはありえない』と話しており、何か都合の悪いことがあるのではないか。民主党の隠蔽体質を端的に表している」と述べました。





議事録未作成、首相の事情聴取検討も…公明代表
 公明党の山口代表は30日昼、東日本大震災関連の10組織で会議の議事録が未作成だった問題について、「重要会議を閣僚だけで行っていた場合があれば、国会の調査委員会で、首相も含め関わった閣僚から聴取することが必要になってくるかもしれない」と述べた。


 国会の「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」などで、震災当時に財務相だった野田首相からの事情聴取も検討すべきとの考えを示したものだ。国会内で記者団に語った。

 山口氏は同日の党参院議員総会でも、「菅政権で財務相を務め首相になった。その間も、議事録作成に気づいてなかったのか。責任は極めて重い」と述べ、首相の責任を追及する姿勢を強調した。

(2012年1月30日15時04分 読売新聞)







公明新聞:2012年1月30日付
民主党政権の重大失政 公文書管理法違反は明らか
.議事録の未作成
東日本大震災における民主党政権のずさんな対応がまた一つ、あらわになった。

震災対応に当たった政府の15の会議体を調査した結果、10会議で議事録を作成していないことが判明した。さらに、緊急災害対策本部や原子力災害対策本部などは議事の概要すら作成していないことも明らかになった。

復旧や復興を指揮する政府組織が議事録を作成せずに対応してきたことは大失態であり、あきれるより他ない。政府の震災対応は「場当たり的」「情報の提供が遅い」と批判されてきたが、その原因の一端がここにあると言えよう。

特に、原子力災害対策本部は避難区域などを決める震災対応の中枢である。同本部の決定に従うことしかできない被災者の苦渋を政府は想像したことがあるのか。議論を記録もせずに繰り返してきたとは、まさに「心ない対応」だ。

原発事故の対応は日本ばかりか世界が注視し、今回の事故から得られる教訓を求めている。だが、それも議事録がなければ教訓はおろか、対応の検証すら満足にでき得るはずもない。

一連の不手際を受け、公文書の管理を担当する岡田副総理は議事概要すら十分でない会議体に対し、2月末までに概要を作成するよう関係閣僚に指示した。当然の対応だ。政府は猛省し、一刻も早く国民に提示すべきだ。

緊急時とはいえ議事録の作成を怠り、たなざらしにしてきた原因を追及することも重要だ。原因をはっきりさせなければ政府内に議事録作成を軽視する悪弊が残るだけだ。調査に当たる内閣府の第三者機関である公文書管理委員会は徹底的に究明してほしい。

そもそも議事録などの公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」であり、その管理は「現在及び将来の国民に説明する責務」と公文書管理法で位置付けられ、省庁には記録作成が義務付けられている。

議事録の未作成は政府の意思決定の過程が残らないばかりか、国民への説明責任を放棄したことにもつながる重大な失政だ。公文書はそれだけ意義あるものであり、公明党が公文書管理法の制定を強力に推進してきた理由も、ここにある。

公明党の山口那津男代表は今回の事態について「(公文書管理法に)明らかに違反している」とし、民主党政権に対し「この体たらくで、あらゆるところにほころびが起きている」と指弾した。公明党は国会審議を通じ、この問題を厳しく追及していく。