日本原燃の川井吉彦社長は27日、青森市内で記者会見し、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場について、年明けにも工場完成に向けた試験を再開すると表明した。東日本大震災の影響を受け、試験を中断していたが、三村申吾知事が前日に同社を含む原子力事業者の安全対策を了承。川井社長は「年明けの1月下旬から2月上旬ぐらいになる」との見通しを示した。
また、建設工事を中断しているウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)工場についても「工事を再開したい」との意向を示した。その上で、「工事(の着工)は春になる」と述べた。(2011/12/27-11:20)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011122700258
青森の再処理工場試験、1~2月めど再開 日本原燃
2011/12/27 11:23
日本原燃(青森県六ケ所村)の川井吉彦社長は27日記者会見し、使用済み核燃料再処理工場の完成に向けた試験を、来年1月下旬から2月上旬をめどに再開する考えを表明した。ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料工場の建設工事も来春に再開させる方針を示した。
東京電力福島第1原子力発電所事故を受けて試験や工事を中断していたが、緊急安全対策が青森県から了承されたため再開する。再処理工場を来年10月に完成させる目標については「努力する」と語ったが、実際の完成は遅れる可能性が高い。
青森知事、安全対策を了承 建設再開を事実上容認
2011/12/27
三村申吾青森県知事は26日、県内の原子力施設の安全対策を妥当と評価した専門家委員会の検証結果を了承する方針を表明した。日本原燃六ケ所再処理工場の試験、同社MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料工場の建設、Jパワー(電源開発)大間原子力発電所の建設、使用済み燃料の中間貯蔵施設の建設の再開に対し、実質的にゴーサインが出たことになる。原燃は再処理工場の試験を来年1月にも再開する見通し。東北電力東通原子力発電所1号機の運転再開についてはストレステスト(裕度評価)がハードルとして残っている。 (本紙1面より抜粋)
原燃社長再処理工場「来年完工」MOX
来春に工事再開
日本原燃の川井吉彦社長は27日に青森市内で記者会見を開き、トラブルで中断していた使用済み核燃料再処理工場(六ヶ所村)のガラス固化試験を1月下旬にも再開する意向を示した。川井社長は「これまでのトラブルの経験を生かして試験をしっかり進めたい」と理解を求めた。
また、使用済み核燃料を再処理して取り出したウランとプルトニウムを混ぜて原発の燃料を作るMOX燃料工場の工事を来春に再開する考えを明らかにした。
ガラス固化試験は2012年10月の完工の前提となるもので、トラブルで2008年12月から中断していた。さらに、県の原子力施設の緊急安全対策に対する県の検証もあり、再開を控えていた。
今後は、試験用の溶融炉の温度を高める作業を来年1月中旬から始め、同下旬に高レベル放射性廃液とガラスを混ぜ合わせる試験にに移るという。
川井社長は「工程的には非常に厳しいが、来年10月完工の目標を変えずに努力していきたい」と述べた。
(2011年12月28日 読売新聞)