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2011/12/27

「南海トラフ」巨大地震 地震の規模をマグニチュード9.0とする新たな震源域などの想定を公表

南海トラフ巨大地震、想定震源域2倍に 最大M9
内閣府検討会
2011/12/27 13:01
 内閣府の有識者検討会は27日、東海、東南海、南海地震を起こす「南海トラフ」で発生する最大級の巨大地震の想定震源域を北と西に広げ、従来の約6万平方キロメートルから約11万平方キロメートルと約2倍に拡大するとの中間とりまとめを発表した。地震の規模、マグニチュード(M)も従来は3地震が連動した場合でM8.7だったが、最大M9.0(暫定値)に引き上げる。

 来年4月までに震度分布や津波高などの詳細な想定を公表。具体的な修正を受け、各自治体が地域防災計画に反映する。




 地震の想定を巡っては、従来は過去数百年の地震記録をもとに地震モデルを作製し被害想定していた。東日本大震災の反省を踏まえ、できるだけ過去まで地震や津波の発生歴を調べ、起こりうる最大クラスの地震を想定するように方針を変更。古文書や湖沼の津波堆積物、遺跡の液状化痕跡などの研究のほか、最新の断層モデル研究の成果も反映した。

 その結果、従来はプレート境界の深さが10~30キロメートルの範囲で強い地震が起こるとしていたが、最新の研究では30キロより深い場所でも低周波地震が観測されていることから30~40キロの一部にまで想定震源域を拡大。日向灘付近の断層が連動して壊れる可能性も考慮し西側にも震源域を拡大した。

 古文書調査などでは、3連動地震とされる宝永地震(1707年)を上回る津波が約2千年前に発生していた可能性が判明。天武地震(684年)、正平地震(1361年)、明応地震(1498年)などで大きな津波の痕跡が見付かり、約300~500年おきに大きな津波を伴う地震が発生していると判断した。

 内閣府は今後、この地震モデルに基づく詳細な分析を実施。最大クラスの地震が起きた場合の震度分布や津波高などを推計し、来年3~4月ごろに公表する。さらに来年6月ごろに直接的被害の想定を、来秋ごろに経済被害の想定をそれぞれ公表。来年末から2013年春ごろをめどに具体的な対策案をとりまとめる方針。







太平洋沿岸M9.0で震源域想定
12月27日 16時32分
東南海・南海地震など、東海から西の太平洋沿岸で起きる巨大地震の想定を見直すため国が設けた検討会が中間報告をまとめ、地震の規模をマグニチュード9.0とする新たな震源域などの想定を公表しました。来年以降、各地の地震や津波の対策は、大幅な見直しを迫られることになります。

東日本大震災を受けて、この夏、国が設けた専門家の検討会は都内で会合を開き、東海から西の太平洋沿岸の「南海トラフ」と呼ばれる海底付近で想定される最大級の巨大地震や津波について、中間報告をまとめました。

このうち、東海地震と東南海・南海地震が同時に発生した場合の震源域は、最新の研究成果などから、山梨県南部から九州の東海岸にかけての東西およそ750キロの範囲に想定し、従来の国の想定より陸側に大きく広がっています。




暫定的に計算した震源域の面積は従来の1.8倍のおよそ11万平方キロ、マグニチュードは3月の巨大地震に匹敵する9.0となり、これまでの想定の8.7に比べてエネルギーの大きさは3倍近くになっています。



また、地震に伴って津波を引き起こす海底の領域「波源域」は、3月の巨大地震の際、沖合の「日本海溝」付近で津波が巨大化していたという研究成果を受けて、同じように沖合の「南海トラフ」付近まで、広がる可能性があるとしています。


検討会は、来年春までに揺れの強さや津波の高さの新たな想定を公表したうえで、夏から秋ごろにかけて被害想定をまとめる予定で、国や自治体の防災対策は大幅な見直しを迫られることになります。

検討会の座長を務めている阿部勝征東京大学名誉教授は、会合のあとの記者会見で、「東日本大震災と同じ規模のマグニチュードとなったが、東海や西日本は東北より人口が多く、被害の様相は変わってくると思う。具体的な被害想定は計算してみないと分からないが、震源域や波源域が広がったことで、揺れの強さや津波の高さは大きくなり、被害を受ける範囲も広がるだろう」と述べました。

そのうえで、「日本は地震と津波を避けることができない。地震や津波の実態を正しく知り、ふだんから対策を講じることが大事だ。それぞれの地域では、これまでもある程度の防災対策がとられていると思うが、影響が考えられる地域では、対策を強化しておくことが必要だ」と述べました。

検討会の委員で、東京大学総合防災情報研究センターの古村孝志教授は「これまで考えられていた震源域からより遠く、より深い場所でも地震が起こりうることが分かった。地震の揺れや津波が大きくなり、遠くまで達するおそれがあるので、ハード面の対策だけでなく、素早く避難するための対策が必要だ」と指摘しています。

そのうえで、「科学者や専門家の知識を総動員し、最大級の地震に備える必要がある」と話しています。

同じく検討会の委員で、各地で津波の痕跡などを調査している高知大学大学院の岡村眞教授は「今回の中間報告は、東日本大震災で、およそ1100年前の貞観地震の津波の痕跡を対策に生かしきれなかった反省に立ち、過去の歴史から見ても最大規模の地震を想定したものとなった」と述べました。

そのうえで、「震源域が広がると、四国を含む西日本の広い範囲で、これまでの想定以上の揺れや津波の被害が発生することになる。特に四国は、ほとんどが震源域に入るため、揺れに対して丈夫な建物を作り、津波に対しては、とにかく避難するための対策を強力に進めていく必要がある」と指摘しています。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111227/t10014943141000.html





【Q&A/南海トラフの巨大地震】想定震源域、従来の2倍 津波対策の強化必要
 政府の検討会は、東日本大震災を受け議論した結果、東海から西日本の太平洋側でもこれまでの想定を超える規模で巨大地震が起きる可能性があることを明らかにしました。

 Q 過去にこの地域で大きな地震があったのですか。

 A 東海沖から四国沖にかけての海底にある溝状の地形が「南海トラフ」です。これに沿った領域で発生する東海、東南海、南海地震は繰り返し起こっています。100~150年の間隔でマグニチュード(M)8クラスが発生。加えて検討会は、300~500年の間隔で大きな津波を伴う地震が起きているとの見方を示しました。

 1707年には今回の震災まで日本最大級とされていた宝永地震が起きました。この地震はM8・6だったとされています。さらに堆積した土砂の調査から、約2千年前に宝永地震の時より大きい津波があった可能性があります。

 Q また発生するのですか。

 A 21世紀前半の発生が心配されています。宝永地震と同クラスだと指摘する専門家もいます。

 Q 想定はどう変わったのですか。

 A これまで想定は最大でM8・7、地震を起こす岩盤がずれる領域(震源域)の面積が約6万平方キロでした。最新の研究結果を踏まえた新たな想定では、震源域が約2倍の約11万平方キロとなり、北東側は富士川河口断層帯の北端まで、南西側の日向灘は宮崎県南部沖までそれぞれ拡大。内陸側は長野、奈良両県の一部なども新たに含まれました。地震の規模は暫定ですが、東日本大震災と同じM9・0となりました。エネルギーはこれまでの約3倍です。

 Q 津波の想定も変わったのですか。

 A 津波の発生源となる領域(波源域)が震源域と同じように拡大しました。さらに波源域の外側でトラフの底近くに、大きな津波を起こす地震が起きる可能性がある領域があり、今後の検討で波源域がどれだけ広がるか注目されます。

 Q 被害はどうなるのでしょうか。

 A 強い揺れを受ける地域が広がるほか、津波が高くなったり、津波が来る沿岸地域が広がったりする恐れがあります。

 検討会は来年春、想定される津波の高さや震度の分布などを公表し、それを受け政府は秋ごろまでに人や経済的被害の推計を出しますが、規模は大きくなるとみられます。津波避難ビルや避難所の数を増やし位置も見直すなど、対策強化が必要になります。

 (2011年12月28日、共同通信)

2011/12/29 12:14









宝永地震で大津波、被害記した板額発見 牟岐・八幡神社
2011/10/26 10:06
 東海・東南海・南海地震が3連動した宝永地震(1707年)による牟岐町の津波被害を記録した板額が、同町牟岐浦の八幡神社から見つかった。流出家屋や犠牲者の数が記され、地域が壊滅的被害を受けたことが分かる。板額の内容は紙に転記されて残っているが、原本の行方が分からなくなっていた。原本が確認されたのは少なくとも昭和以降で初めて。宝永地震の記録はわずかしかなく、専門家は「現物が出てきた意味は大きい。紙の記述を裏付ける大変貴重な史料」と評価している。

 板額は縦24センチ、横116・5センチで、宝永地震から4年後の1711(正徳元)年に墨書きされたとみられる。解読した東京大学地震研究所の都(つ)司(じ)嘉宣(よしのぶ)准教授(津波・古地震学)は「字体や特有の言葉遣いから当時の文書で間違いない。宝永の地震・津波を体験した人が書いたとみられ、信ぴょう性は極めて高い」と言う。

 板額には「宝永亥乃年初冬四日未の刻大地震振て人皆肝を冷し魂も消なんと須」と人々のおびえた様子が表現され、「かかる時ハ必(かならず)津浪の災ありといひ伝え古き書にも見えし」とあることから、地震の後に津波が来ることは当時から知られていたことがうかがえる。

 津波の様子は「静なる海原忽(たちまち)騒ぐ洪波(こうは)怒がごとく東西の浦里を過て」と書かれ、牟岐川を挟んで東牟岐にも西牟岐にも洪水のような波(津波)が押し寄せたことを記述。具体的な津波被害は「仏閣民家七百余宇流れ失せ 老若男女百拾余人溺れ死す」とあり、牟岐の町並みが壊滅的被害を受けたことが分かる。

 同神社宮司の榊正彦さん(64)=同町灘=が本殿のご神体を祭る棚の下を整理していたところ、棟札とともに板額が納められていた。榊さんは「保管してくれる公的機関があるなら預け、何かの史料にしてほしい」と話している。

 1996年に同町教委が発行した「南海道地震津波の記録 海が吠(ほ)えた日」の編集に携わった中山清さん(81)=同町灘=は「てっきり無くなったと思っていた史料が見つかって本当にうれしい」と言っている。

 徳島の地震津波史料を詳しく調べてきた村上仁士徳島大学名誉教授は「被害の大きさをいかに後世に伝えるかという古人の思いが直接読めるところに意義がある。現代文に直して住民に広く伝え、後世に語り継いでほしい」と訴えている。

 宝永地震 宝永4年の1707年10月28日に発生した、南海トラフ沿いを震源域とする巨大地震。東海・東南海・南海地震が連動したと考えられる。推定マグニチュードは8・6。今年3月に東北地方太平洋沖地震が起きるまでは、記録に残る日本最大級の地震とされてきた。海陽町浅川では9メートルの津波が押し寄せて140人余りの犠牲者が出たことが石碑に刻まれており、徳島県南部で多数の死者を出した。
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2011/10/2011_131959121887.html



美波に巨大津波痕跡 高知大教授らチーム、2千年前地層で確認
2011/6/18 11:05
 美波町の約2000年前の地層から、巨大津波が運んだとみられる厚さ50センチの津波堆積物が見つかった。高知大の岡村眞教授(地震地質学)らの調査チームが、海岸線に近い池の底から掘り出した。約300年前に南海・東南海・東海地震が3連動して発生した宝永地震(1707年)の津波堆積物より10倍程度厚く、専門家は「東日本大震災をもたらしたような巨大地震や巨大津波が、南海トラフ沿いでも起こりうることを示している」と指摘している。

 巨大津波の痕跡が見つかったのは、JR田井ノ浜駅(美波町田井)から南西650メートルの牟岐線沿いにある「小川溜(おごのため)」。この池は現在の海岸線から約140メートル内陸にあり、高知大が一昨年と昨年に掘削調査を行った。

 岡村教授らは、池底に長いアルミパイプを差し込んで地下3~4メートルまでの地層を柱状に採取。その結果、シルトや粘土層に挟まれる形で、津波が運んだと思われる海砂の層が5層見つかった。

 海砂層に交じった植物片の炭素を使って年代を測定したところ、5層のうち最も新しいのは宝永地震の津波が運んだとみられる最上部の砂層で、厚さは5センチ程度。一番下にあった50センチの砂層は、約2千年前の津波の痕跡らしいことが分かった。

 約2千年前に形成された同様の厚い砂層は、土佐湾に面した高知県土佐市の「蟹(かに)ヶ池」からも見つかっており、岡村教授は「四国に巨大津波が押し寄せた動かぬ証拠。宝永地震を上回る規模の地震だった可能性が高い」とみている。

 蟹ヶ池では宝永地震の津波堆積物の厚さが15~20センチ程度なのに対し、約2千年前の津波痕跡とみられる砂層は50センチあった。宝永地震時に蟹ヶ池近くの寺を襲った津波の高さは8~10メートルと推定されていることから、2千年前の津波がいかに大きかったかが分かる。

 高知大の調査チームはこれまで、南海トラフ沿いの静岡から大分に至る約30カ所の湖沼で、津波堆積物を調査してきた。その結果、100~150年周期で繰り返している南海・東南海地震は、300~350年に1回の割合で宝永級の巨大3連動型地震になっていることを突き止めている。

 今回の巨大津波痕跡は宝永地震より高い津波が起きた可能性を示しており、専門家は3連動地震の震源域に加えて別の震源域が同時に破壊されるケースを考え始めている。プレート境界の深い所から浅い所までが一気に破壊された東日本大震災と同じく、南海・東南海・東海地震の想定震源域と、より沖合にある慶長地震(1605年)の震源域とが連動破壊されるパターンだ。

 東京大学地震研究所の古村孝志教授(地震学)は「深さ10キロ以下で起きる宝永型地震と、10キロまでの浅い所で起きる慶長型地震が同時発生した場合、土佐湾の津波高はそれぞれの地震の時の1・5~2倍に増幅される。これは東日本大震災で巨大津波が発生したのと同じメカニズム。同じことは南海トラフ沿いでも起きる可能性がある」と話している。

http://www.topics.or.jp/localNews/news/2011/06/2011_130836273738.html