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2011/09/08

手順書は12ページ。9ページ分は全て塗りつぶされ、読み取れるのは全部足しても十数行

東電、真っ黒な手順書でも秘密? 衆院委に提出
 東京電力が福島第1原発の「事故時運転操作手順書」のほとんどを真っ黒に塗りつぶし、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)に提出していたことが7日、分かった。

 同委員会が「事故原因の徹底的検証に必要」と提出を要求していた。東電は、知的財産や核物質防護上の問題があるとして第三者に公開しないように求めていたが、川内委員長は「中身がないので隠す意味がない。(東電は)求めたものを誠実に出してこなかった」として公開した。

 手順書は12ページ。9ページ分は全て塗りつぶされ、読み取れるのは全部足しても十数行。

2011/09/07 19:52 【共同通信】




原発事故時:東電が衆院委に開示 大半黒塗りで
2011年9月7日 22時26分 更新:9月8日 0時12分

 衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)は7日、東京電力が福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の大半を黒く塗りつぶして開示したことを明らかにした。委員会が「事故原因の究明のために欠かせない」として、東電に提出を求めていた。別の「シビアアクシデント(過酷事故)発生時の手順書」については、開示にすら応じなかった。同委員会は9日までに開示するよう再度要求した。

 提出された事故時運転操作手順書はA4判計6枚。「主要項目」や「当直長(当直副長)」など4項目に分類され、それぞれの手順などが書かれている。しかし、ほとんどが黒塗りされていて、かろうじて読めるのは、「原子炉圧力(容器の圧力)が上昇した時、非常用復水器の使用などにより圧力を●~●メガパスカル(●は黒塗り)に維持、報告する」といった記述に限られる。

 同委員会は、8月26日に経済産業省を通じ、操作手順書などの提出を東電に求めた。同省原子力安全・保安院によると、東電は9月2日に提出したが、その前日の1日、一般への非公開を条件とするよう打診していた。保安院は断ったものの、受け取った黒塗りの文書をそのまま委員会に届けただけだった。

 東電は「知的財産が含まれ、核物質防護上の問題が生じる恐れがある」などと説明しているという。川内委員長は「(黒塗りの資料は)極めて遺憾。手順書の開示に応じない場合は、幹部の参考人招致も検討する」と批判した。【足立旬子、河内敏康、関東晋慈】




東電、事故時の黒塗り手順書を提出
 東京電力は衆議院の委員会の要請に対し、福島第一原発の事故時の運転操作手順書を提出しました。しかし、そのほとんど全てが黒く塗りつぶされていることから、委員会は東京電力に対し資料の再提出を求めました。

 「ほとんど全てが墨塗りになっている操作マニュアルが東京電力から提出をされた。詳細については全く分からない。極めて残念、遺憾であると思います」(川内博史 衆院科学技術・イノベーション推進特別委員長)

 東京電力が衆議院の科学技術・イノベーション委員会の要請に対し提出したのは、福島第一原発1号機の事故時における非常用復水器の運転操作手順書です。しかし、そのほとんど全てが黒く塗りつぶされていて中身を見ることはできません。

 緊急時に炉心に水を注入する非常用復水器は、地震直後に自動的に起動しましたが、その後、作業員が手順書に従って手動で停めたことが分かっています。このため、水を入れ続けていればメルトダウンを遅らせることができたのではという指摘がされています。

 「(Q.墨塗りにして提出したことについて)核物質防護上の観点による配慮ですとか、知的財産によります配慮等がございますので、一部黒塗りというかたちで提出をさせていただきました」(東京電力の会見)

 これに対し川内委員長は、「東京電力は事故原因の究明に後ろ向きだという印象を国民に与えるのではないか」と東京電力の対応を批判しました。川内委員長は東京電力に対し、再び資料を提出するよう要請し、もし十分な回答が得られない場合は、国会での参考人招致なども検討するとしています。(07日19:28)