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2011/07/22

警視庁は内部から流出した疑いがあるとみて捜査、現職の警部が品川美容外科に再就職していた元警部らに捜査資料を流していた疑いが強まった

警視庁警部ら3人を逮捕へ
7月22日 4時43分
警視庁捜査一課の現職の警部が美容外科の手術ミスを巡る事件の捜査資料を、美容外科に再就職していた元警部らに流していた疑いが強まったとして、警視庁は地方公務員法違反の疑いで警部の逮捕状を取りました。元警部2人についても逮捕状を取る手続きを進めていて、容疑が固まり次第3人を逮捕する方針です。



地方公務員法の守秘義務違反の疑いが持たれているのは、警視庁捜査1課の58歳の現職の警部と、いずれも警視庁を退職後東京に本部がある品川美容外科に再就職した53歳と61歳の元警部2人の合わせて3人です。

品川美容外科の東京・池袋のクリニックではおととしの12月おなかの脂肪を吸い出す手術を受けた女性が死亡し、警視庁が、ことし3月業務上過失致死の疑いで関係先を捜索したところ、関係者のリストや女性の遺体の鑑定書などの捜査資料が見つかりました。

警視庁は内部から流出した疑いがあるとみて捜査を進めた結果、現職の警部が品川美容外科に再就職していた元警部らに捜査資料を流していた疑いが強まったということです。

現職の警部と元警部らは捜査1課などで一緒に勤務したことがあり元警部2人は事件の捜査が始まった後の去年3月、品川美容外科に再就職していました。NHKの取材に対して現職の警部は「何の証拠もなくでっちあげだ」などと容疑を否定していました。警視庁は地方公務員法違反の疑いで警部の逮捕状を取るとともに元警部2人についても逮捕状を取る手続きを進めていて、容疑が固まり次第3人を逮捕する方針です。





美容外科の捜査漏洩 警視庁警部を逮捕へ、OB2人も聴取 守秘義務違反容疑
2011.7.22 01:33
 品川美容外科(東京都港区)の医師が逮捕・起訴された医療過誤事件の捜査資料コピーが病院側に流出していた問題で、捜査を担当した警視庁捜査1課の男性警部(58)が病院側に再就職した同課OBの元警部(53)ら2人に資料を渡した疑いが浮上し、警視庁は21日、地方公務員法違反(守秘義務違反)などの容疑で3人の事情聴取を始めた。容疑が固まり次第、警部を逮捕する方針。警部は飲食店などでOBらと頻繁に接触したり、電話で連絡を取り合ったりしていた。

 捜査関係者によると、警部は医療ミスなど業務上過失致死傷事件を捜査する特殊犯捜査3係の係長。品川美容外科の事件を担当していた昨年、捜査資料コピーを病院側に渡した疑いが持たれている。

 コピーを受け取った疑いがあるのは、捜査1課OBの元警部と捜査2課OBの元警部(61)。2人は当時、同外科で渉外担当を務めており、病院の実質トップの総院長に入手したコピーを渡したとみられる。

 捜査資料は、平成21年12月に同外科で脂肪吸引手術を受けた患者が死亡した事故の経緯や捜査の進捗(しんちょく)状況をまとめた文書。当時は、逮捕などの捜査方針が決まっていなかったことから、警視庁は、資料を入手した病院側が、事情聴取での対応を変えるなどして捜査に影響を与えていなかったか調べている。

 病院関係者によると、総院長は警視庁などに対し「資料の中身には関心がなく、見なかった」という趣旨の説明をしたという。

 警視庁は今年3月、同病院の事務所を捜索した際、総院長の机からコピーを発見。OBらが現役時代に警部の同僚で、再就職後も付き合っていたことから、資料の流出に関与した疑いがあるとみて調べていた。

 捜査関係者によると、警部は警視庁の内部調査に関与を否定。産経新聞の取材にも「資料の中身も知らないし、渡したこともない」と話した。捜査1課OBの元警部も「資料は誰かが封筒に入れて郵送してきた。誰が送ってきたかは知らない」と否定した。