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2011/06/03

採決直前に側近議員を集めた小沢氏は、不信任案同調という瀬戸際作戦で菅首相を退陣表明に追い込んだ成果を強調、倒閣抗争からの撤退を宣言

小沢氏「言質とった。矛収める」不信任案採決欠席
 内閣不信任決議案に同調する意向を示していた民主党の小沢元代表は、土壇場で不信任案採決へ「欠席」に転じた。

 「辞めるという言質を取った。今回はこれで矛を収めようじゃないか」。採決直前に側近議員を集めた小沢氏は、不信任案同調という瀬戸際作戦で菅首相を退陣表明に追い込んだ成果を強調、倒閣抗争からの撤退を宣言した。支持派の「一新会」会長の鈴木克昌総務副大臣は「分裂する行動は控えよう」と指示した。

 小沢グループは決戦前日の1日夜、会合に衆院議員71人が出席、賛成投票で団結した。だが、ふたを開けてみれば、グループ内の造反は松木氏のみ。小沢氏を含む15人は欠席・棄権した。2日午前の時点では「賛成は『92』まで積み上がった」と自信満々だったが、辞表を提出した政務三役の1人は「賛成したかった」とやりきれない表情だ。渡部恒三最高顧問は、反対票を投じなかった小沢氏を「男らしくないな」と切り捨てた。

 小沢氏はこの日夕、東京・六本木のカラオケ店で支持派約40人と懇談。「みんなの結束が退陣に結びついた」と気勢をあげた。勝った気満々の剛腕だが、グループ内に「ポスト菅」を担う人材は皆無。周辺からは「早く次の戦いに備えて旗を立てなければ、小沢グループは草刈り場になってしまう」と求心力低下を懸念する声も漏れた。


(2011年6月3日06時03分 スポーツ報知)