警視庁捜査1課の捜査資料のコピーが家宅捜索先の「品川美容外科」で見つかった問題で、事件を担当していた捜査員と病院に再就職した警視庁OBが、捜査が行われている間、携帯電話などで頻繁に連絡を取り合っていたことがわかった。
この問題は、東京・豊島区の品川美容外科・池袋院で、女性患者が手術の2日後に死亡した医療過誤事件で、警視庁が2011年3月に行った病院への家宅捜索で、警視庁の捜査資料のコピーが見つかり、捜査員による情報漏えいの疑いが持たれているもの。
品川美容外科には2010年3月、複数の警視庁OBが再就職しているが、このうちの1人が、捜査が行われている間、事件担当の捜査員と携帯電話などで頻繁に連絡を取り合っていたことが新たにわかった。
警視庁は、事件捜査以外の目的で、お互いに連絡を取っていた疑いもあるとみて、捜査資料が漏えいしたルートについて捜査している。
(05/24 12:13)
脂肪吸引女性死亡:捜査資料、警視庁OB通じ流出? 品川美容外科、数人再就職
警視庁捜査1課の内部捜査資料のコピーが家宅捜索先の品川美容外科池袋院(東京都豊島区)の関係先で見つかった問題で、同外科には捜査1課経験者を含む数人の警視庁OBが再就職していたことが関係者への取材で分かった。現役捜査員と親交があるOBもおり、警視庁は内部情報がこうしたルートを通じて漏えいした可能性もあるとみて、地方公務員法(守秘義務)違反容疑の適用も視野に調べている。
池袋院では09年12月、東京都荒川区の無職女性(当時70歳)が脂肪吸引手術を受けた2日後に内臓損傷で急死。捜査1課が業務上過失致死容疑で捜査を始めた。
関係者によると、同外科には警視庁捜査1課幹部経験者など複数の警視庁OBが在籍。医療事故の捜査が始まった後には、捜査1課経験者を含む別のOB数人が新たに再就職していたという。
こうしたOBの一部は、捜査を担当していた捜査1課員と現役時代から知り合いで親交があったという。警視庁は、現役の捜査員が捜査資料の一部をOBに漏えいした可能性もあるとみて、関係者から事情を聴いている。捜査資料のコピーは、捜査1課が今年3月に同外科の関係先を再捜索した際に発見された。この事件で執刀医の堀内康啓被告(38)が4月に逮捕される直前、同外科に再就職していた警視庁OBの一部は退職したという。
毎日新聞 2011年5月24日 東京朝刊
品川美容外科の脂肪吸引死亡、捜査資料が漏えい
品川美容外科池袋院(東京都豊島区)で脂肪吸引手術を受けた女性が死亡した事件で、警視庁が今年3月に同外科を捜索した際、施設内から死亡女性の司法解剖結果などの捜査資料のコピーが押収されていたことが23日、捜査関係者への取材でわかった。
同庁は、担当捜査員から資料が漏れた可能性があるとみて、地方公務員法(守秘義務)違反容疑の適用も視野に捜査している。
また同外科には、複数の同庁出身の元警察官が再就職しており、同庁は今後、事件を担当した捜査員や、元警察官ら同外科関係者から事情を聞き、流出ルートの特定を進める。
捜査関係者によると、押収されたコピーは複数枚で、同庁が今年3月、同外科本院(港区)などを業務上過失致死容疑で捜索した際に見つかった。同庁捜査1課の作成資料で、事件の構図を示したチャート図や捜査の進展状況、死亡女性の司法解剖結果などが記されていた。捜査1課員ら限られた捜査員しか持っていない文書だったという。
(2011年5月24日03時07分 読売新聞)