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2011/04/20

茨城県つくば市市長「お互いが安心をするという意味で受けてもらうのが望ましい」

つくば市が福島からの避難者差別「放射線検査証明書出せ」
 福島第1原発の事故後に福島県から避難し、茨城県つくば市が同市に転入する人に対し、放射線の影響を調べるスクリーニング検査を受けるよう求めたり、受けたことを証明する書類の提出を求めていたことが19日、分かった。県や市には地域住民から「避難者にスクリーニング検査を強制しろ」などの声も出ているが、閣僚からはつくば市の対応に批判が相次いだ。

 この日会見したつくば市の市原健一市長は「配慮が足りず、誤解を与え、申し訳ない。これからも避難者を受け入れる」と謝罪した。一方で「避難者と受け入れ側の安全と安心のため、汚染がないと確認する必要がある」と述べ、強制と受け取られないよう配慮し、避難者に検査を勧めていく考えを明らかにした。


 つくば市によると、3月17日に市民課長名で転入手続きに訪れた人に放射線の影響を調べるスクリーニング検査の証明書の提示を求めるよう指示。文書では「土浦保健所にて、放射線に関する検査を受けていただく。検査終了後、問題がなければ、通常の手続き」と明記している。証明書は市内6か所に配布された。

 今月11日になってつくば市内の研究機関に就職するため、仙台市から転居してきた男性(33)が証明書の提示を求められ、県と市に苦情を訴え、発覚した。

 茨城県では、福島県からの避難者を受け入れる同県の各市町村に対し、放射性物質が付着していることを想定して、脱衣や除染を優先的に行うよう指示。スクリーニング検査を受けるかどうかは自主的な判断に任せているが、検査証明書を希望する避難者も多いという。県は「住民からは『避難者へのスクリーニング検査を必ずやってほしい』という声も出ているが、検査は強制ではない」と話した。

 これに対し、政府の被災者生活支援特別対策本部は証明書提出について「風評被害の一つのようなもの。避難している人の気持ちを考えるべきだ」と市の対応を批判。玄葉光一郎国家戦略担当相(衆院福島3区)は福島県から他県に転出した子供が「放射能がついている」といじめに遭ったケースを紹介し、「人への風評被害が起きている」と指摘。「福島県民は冷静さを保って行動しているが、一部の心ない方の対応は本当に残念だ」と述べた。

 枝野幸男官房長官は「明らかな過剰反応だ」とし、「福島県民は避難や風評被害で苦しんでいる。温かく受け止めてほしい」と呼び掛けた。
(2011年4月20日06時02分 スポーツ報知)






福島の転入者に放射能汚染検査 つくば市釈明
2011年4月20日 朝刊
 東京電力福島第一原発事故で避難のため転入してきた福島県民に対し、茨城県つくば市が放射性物質付着の有無を確認するスクリーニング検査の実施や検査済み証明書の提出を求めていたことが十九日分かった。

 市原健一市長は同日の会見で「市の対応に不備があり、被災された方への配慮が足りず申し訳なく思う。本人や市民の安心を考慮した上でのお願いだった」と釈明。被災者への差別を助長するとの批判には「少しでも多くの被災者を受け入れ、支援してきたのに、国からは基本的な方針や考え方が一切示されず、一方的な批判は遺憾」などと述べた。

 専門家らは、一般住民の場合、原発作業員と違って放射性物質が付着したとしても、ごく微量で健康にただちに影響はなく、スクリーニングを義務づける必要はないと指摘。まして他人にうつるような性質のものではなく、政府の被災者生活支援特別対策本部は、同市の対応を「避難した人の気持ちを考えるべきだ」と批判する。

 市によると、今月十一日、大穂窓口センターに仙台市からの転入届を提出に来た男性に職員が福島県の避難者と勘違いして証明書の提示を求めた。男性が茨城県と市に苦情を申し出たことで発覚。

 市は原発事故の発生まもない三月十四日、近隣の避難者を受け入れた際に検査を実施。同十七日には転入手続きの際に検査を求める方針を決めた。その後、主に福島県から約六百人が一時避難してきたが、窓口によって検査の実施や証明書提出を求めたりしていた。事態発覚を受けて市は十一日、手続きに関する文書を撤回し、一連の窓口対応を改めた。





転入者に放射線の検査を要求
4月19日 17時36分
東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、福島県から転入してきた人に対して茨城県つくば市が「市民に不安を与えないため」などの理由で放射線の検査を受けるように求める対応を取っていたことが分かりました。つくば市では転入者からの抗議を受けて、この対応をやめました。

つくば市では、福島第一原発の事故のあとに福島県から転入してきた人に対して、保健所や消防本部で放射線の検査を受けるように求める対応を取っていたということです。

つくば市では、義務ではなく転入者の健康確認のためだったとしたうえで、「市民に不安を与えないため」でもあったとしています。しかし、今月11日、転入してきた男性から抗議を受けたため、市では検査を求めないように対応を改めました。つくば市の市原健一市長は「検査を受けることを義務とはしていなかった。配慮が足りずご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と話しています。

一方、水戸市と取手市でも福島県から避難してきた人を避難所で受けいれる際に、放射線の検査を受けたかどうか確認して、受けていない場合には、最寄りの保健所を紹介して検査を促していました。この対応について、2つの市では、避難者本人の健康を考えたうえでの必要な措置だったとしています。



原発避難者に放射線検査を要請 つくば市長、配慮不足は陳謝
 東京電力福島第1原発の事故後に福島県から避難し、茨城県つくば市に転入しようとした人に対し、市が放射線の影響を調べるスクリーニングを受けることを求めたり、受けたことを証明する書類の提出を求めていたことが19日、分かった。

 市原健一市長は「配慮が足りず誤解を与え申し訳ない。これからも避難者を受け入れる」と謝罪する一方、「避難者と受け入れ側の安心と安全のため、汚染がないと確認する必要がある」と述べ、強制はしないが、今後も避難者に検査を勧める考えを明らかにした。

 政府の被災者生活支援特別対策本部は、証明書類の提出について「風評被害の一つのようなもの。避難した人の気持ちを考えるべきだ」と市の対応を批判している。

 つくば市によると、検査を要請した文書は市民課が作成し、転入者を受け付ける「窓口センター」に課長名で3月17日に通達された。福島県から避難して市に転入する人について「(県内の)土浦保健所にて、放射線に関する検査をしていただく。検査終了後問題がなければ、通常の手続き」と明記している。

 市民課によると、3月16日〜4月19日の福島県からつくば市への転入者は34人で、茨城県外で受け取った何らかの検査証明書を持っていた人が含まれるという。

 今月11日、つくば市内の研究機関に就職するため、仙台市から転居してきた男性(33)が証明書の提示を求められ、県と市に苦情を訴えたために発覚した。

 スクリーニングをめぐっては3月、屋内退避の30キロ圏内の女性が、避難先の神奈川県で母親を介護施設に入所させようとして、証明書類がないとして一時断られたことが明らかになっている。

(2011/04/19 21:32 更新






つくば市、転入者に放射能検査証明要求



 日本でも差別につながりかねない事態が起きています。19日午後、記者会見した茨城県のつくば市。

 「大変皆さまにご迷惑をかけ、誤解を生じたことに、心から申し訳ないと思っています」(つくば市・市原健一市長)

 つくば市では、市内への転入を希望する福島県などの住民に対し、放射能汚染がないか検査したことを証明する書類の提出を求めていました。こうした対応は先月17日から行われていましたが、つくば市では「市民に原発事故に関する不安があったため、独自の対応をとった」と説明します。

 「(検査は) あくまでも強制ではない。お互いが安心をするという意味で 受けてもらうのが望ましいと」(つくば市・市原健一市長)

 福島県などからの避難住民を支援するため、つくば市でボランティアを組織してきた市議会議員の五十嵐氏は、「検査は避難住民の安心のために行われていたと思った」と語ります。

 「検査を強制的にして、4月に入ってからも転入届と一緒につけろというのは、科学の町(つくば)の名を汚すこと」(つくば市議会・五十嵐立青議員)

 専門家はこう指摘します。
 「(放射性物質が)どなたかと接してうつるということは考えられません。検査を受けることで受けた方が安心してもらえるようにとなされていた検査だったと思うんですけど、結果がいろんな使われ方をするということで、今となっては検査をする必要がない状況になっている」(放射線医学総合研究所・神田玲子理学博士)

 「明らかに過剰な反応でございます」(枝野幸男官房長官)

 つくば市では今月11日にこうした措置を取りやめましたが、「福島県の住民に対し、差別的なものだとは思っていない」としています。(19日17:23)






2011年4月20日 06時00分 更新
原発避難者に放射能検査は過剰反応と官房長官
 茨城県つくば市が福島第一原発事故により避難してきた転入者に対し放射能検査を受けた証明書を提示するよう求めたことに、枝野幸男官房長官は19日、「過剰反応」とするとともに「(放射線は)感染症のようにうつるものではない。客観的事実がある。また、避難いただいている人たちには早い段階で避難いただいている。また、一昨日、わたしは防護服を着て原発から20km圏内に入り、現場を見てきたが、防護服を着たのは放射性物質を圏外に持ち出さないためのもの」と放射性物質について徹底して対応しているとの姿勢を語り、不要な過剰反応にならないよう冷静な対応を求めた。

 あわせて、枝野官房長官は「福島県民は避難を余儀なくされ、風評被害にもあっておられる。苦労されている方を温かく受けとめていただきたい」と被災者の心情に配慮する温かい対応を行うよう理解と協力を呼びかけた。




【原発】枝野長官が20キロ圏内の捜索現場を視察(04/17 20:54)