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2011/04/15

福島第一原発1~3号機から事故で大気中に放出された放射性物質は、炉内にあった量の1~2%という推定値を公表=保安院

放射性物質放出量、炉内の1~2% 保安院が推定値公表
2011年4月15日0時34分
 経済産業省原子力安全・保安院は14日、福島第一原発1~3号機から事故で大気中に放出された放射性物質は、炉内にあった量の1~2%という推定値を公表した。多くの放射性物質がまだ原子炉内に残っていることになる。



 推定値は主な放射性物質としてヨウ素とセシウムを分析したもので、ヨウ素131が約2%、セシウム137が約1%だった。12日に今回の事故の国際的な事故評価尺度(INES)を旧ソ連チェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」(深刻な事故)に引き上げる根拠になった。当初、放出量だけしか公表しなかった。

 保安院によると、事故前に1~3号機の炉内にあった放射性物質は、ヨウ素131が610万テラベクレル(テラは1兆、ベクレルは放射能の単位)、セシウム137は71万テラベクレルだったという。

 1~3号機では原子炉圧力容器や格納容器につながる配管や弁などのすき間や、破損した部分から放射性物質が外部に漏れ出たとみられている。地震後間もなく、炉内の蒸気を外に逃がして圧力を下げるベント(排気)作業でも放出された。

 セシウム137の放射能が半分になる時間(半減期)は約30年だが、ヨウ素131は8日と短く、当初よりも相当減っていると見られている。

 日本原子力学会の調査専門委員会が14日に発表した分析では、1~3号機の炉内の核燃料は、一部がいったん溶けたうえで冷えて固まり、圧力容器の底に数ミリほどの粒子になって積もっているという。(小堀龍之、竹石涼子)