ページ

2011/04/20

「我が国の命運を握る人が体育館で毛布にくるまっている。本当にこれは過酷だと思います」

現場の東電社員のストレスを危惧 診察の産業医が訴え
 福島第1、第2原発の東京電力社員約90人を16~19日に現地で診察した愛媛大医学部教授の谷川武医師(49)=公衆衛生学=が共同通信の取材に応じ、「不眠を訴える人も多く、このままではうつ病や過労死のリスクがいっそう高まる」と指摘、入浴や食事の環境を整え、休息が取れるよう配慮すべきだと訴えた。


 「危険な作業」「被災者」「肉親や友人の死」「加害者」の四重のストレスを感じている人もおり、早急に精神的ケアが必要な状態だという。

 谷川医師は1991年から福島第1、第2原発の非常勤産業医。今月16日から4日間にわたり、第2原発の免震重要棟に寝泊まりしながら診察した。

 谷川医師によると、中には24時間態勢で作業に従事し、一時、外出を禁止されていた人もいた。最初は1日1食、現在は3食になったが、缶詰やレトルト食品が中心の偏った食事だという。

 第1原発で作業を終えた人は除染し、第2原発の敷地内にある500人収容の体育館で雑魚寝。畳を敷き詰め、その上に防寒シートを敷き、毛布と寝袋にくるまる。幹部以外は「4勤2休」のシフトで、4日間は入浴できない。

 谷川医師は「通気性のない防護服は大量の汗をかく。疲れも取れず、さまざまな病気や皮膚疾患になりやすいだけでなく、作業ミスも生みかねない」と懸念する。

 約30人を問診したところ、危険な作業の重圧に加えて、「家族に『行かないで』と言われながら仕事に行っている」「家を失い、休日は避難所で生活しているが、住民から厳しい視線にさらされている」―など強いストレスがうかがわれたという。

 谷川医師は「現場社員の8割以上が原発20キロ圏内に住まいがあり、中には家族を失った人もいる。一方で『加害会社に勤めている』との負い目を抱え、声を上げられていない」としている。

2011/04/20 05:24 【共同通信】






原発作業員80人診察、医師が様子語る
 福島第一原発の作業員80人を診察した愛媛大学の谷川武教授が、その様子を語りました。

 「我が国の命運を握る人が体育館で毛布にくるまっている。本当にこれは過酷だと思います」(愛媛大学大学院・谷川武教授)

 作業員の中には、地震で被災して生活に不安を抱えている人や、作業中に事故に巻き込まれるのではないかという恐れから不眠を訴える人がいるということです。

 「気が張り詰めているから『今、ストレスがない』と感じている。今後、長期のケアが必要だと思います」(愛媛大学大学院・谷川武教授)
(19日22:37)