2011年 03月 16日 09:59 JST
[ウィーン 15日 ロイター] 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は15日、深刻化している福島原発での事故について、事態の予測は困難だとし、より迅速で詳細にわたる情報伝達を日本政府に要請した。
天野事務局長は記者会見で、原発事故をめぐる現在の状況は非常に複雑であるとし、「詳しい情報が入手できていないため、IAEAの対応が限られてしまう」と日本政府の対応に不満を示した。
また、IAEAとしては、環境モニタリングの分野などで支援できる専門家チームの派遣を準備していることを明らかにした。
福島第1原発2号機の損傷については、それが亀裂または穴であるのか、それとも憂慮するほどの損傷ではないのか、IAEAは理解できていないと語った。一方で、原子炉格納容器内の圧力は低下していないとし、大きな損傷があれば圧力は低下するはずだと述べた。
同事務局長は、福島原発での事故はチェルノブイリ原発事故とは状況が異なるとの見解を示した一方で、現在の状況は「憂慮すべき」と指摘。「今後の展開が悪化するのか、改善するのか予測することは困難だ」と述べた。
情報の迅速な伝達を=日本政府に不満-IAEA事務局長
【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は15日、ウィーンの本部で記者会見し、福島第1原発の事故に関連して、日本政府に対し、情報の迅速な伝達を要請した。
同事務局長は「われわれは詳細な情報をできるだけ早く入手したいが、報道機関にも後れを取っている」と不満を表明。「情報が限られているため、状況の分析が大幅に遅れている」と述べ、日本政府に連絡態勢の強化を求めた。(2011/03/16-07:36)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031600152