【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)のエッティンガー欧州委員(エネルギー担当)は16日、福島第1原発事故への日本の対応について「信じられないほど場当たり的」と厳しく批判、「原発は制御不能に陥っている」との認識を示した。
欧州議会の公聴会でエッティンガー氏は日本政府と東京電力の連携がうまくいっていないと指摘。さらに原発の冷却システムがダウンしたため、放水車の使用や上空からの水の投下で原発を冷却することを検討した日本の対応に強い疑問を示し「もはや技術的能力の問題だ。日本の技術力への評価を見直さなければならない」と述べた。
2011/03/17 08:51 【共同通信】
福島原発は「大惨事」引き起こすリスク、データ基に認識-欧州委員(1)
3月16日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のエッティンガー委員(エネルギー担当)は16日、東日本大震災で損傷した福島第一原子力発電所は、「重大な惨事」を引き起こすリスクがあるとの見方を示した。EUとEUの東京への派遣団、および国際原子力機関(IAEA)からの情報とメディアの報道に基づいた認識だと説明した。
同委員はブリュッセルで欧州議会の委員会に「この施設は事実上制御不可能になっている」として、「今後数時間に、さらに壊滅的な事態が発生することがあり得る」と述べた。
エッティンガー委員は「現在は惨事と大惨事の間のある地点にいる」と述べ、「日本からの映像に大きな懸念を抱き深く憂慮している」と続けた。
同委員は議会での発言後に、現状へのこのような評価は、欧州委と在東京のEU派遣団、ウィーンのIAEAの情報と報道に基づいていると述べ、これらの専門家には自身よりも事態がよく見えていると語った。
更新日時: 2011/03/17 02:05 JST
「原発事故は制御不能」 欧州委員発言で欧米株急落
2011/3/17 13:50
【ブリュッセル=共同】欧州連合(EU)のエッティンガー欧州委員(エネルギー担当)は16日、欧州議会で福島第1原発事故について「制御不能に陥っている」などと発言、これを受けて欧州、米国の株式市場は一斉に急落した。
同委員の報道官は「個人的な懸念を表明したものだ」と釈明し、発言を事実上撤回。国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は「この時期に『制御不能』などと言うべきでない」と苦言を呈した。
エッティンガー委員は「今後数時間以内に、日本国民の生命を脅かすさらなる大惨事が起きる可能性がある。すべては神のおぼしめし次第だ」などと述べた。
同委員の報道官はロイター通信に対し、「委員は報道を見て、事態がさらに悪化するとの個人的懸念を表明した」などと述べ、事態の沈静化に動いた。
委員は日本の原発事故について、IAEAや報道を通じて情報を得ているとされ、独自の情報源は持っていないという。
欧州議会で委員はこのほか、原発事故への日本の対応について「信じられないほど場当たり的」と批判。「もはや技術的能力の問題だ。日本の技術力に関するわれわれの評価を見直さなければならない」と述べた。