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2011/03/25

「甲状腺は子供の成長にかかわる重要な器官。その被曝状況などを調べた調査は国内では聞いたことがなく、大変意義がある。定期的に監視することが重要」

原発30キロ圏外、子供の被ばく量「問題なし」
 政府の原子力災害現地対策本部(福島市)は25日、福島第一原子力発電所から30キロ・メートル圏外の福島県川俣町で乳幼児を含む子供66人について、甲状腺被曝(ひばく)調査を行った結果、問題となるレベルではなかったと発表した。


 調査は、半径30~40キロ・メートル圏にある同町山木屋地区と、同40~50キロ・メートル圏の同町保健センターで24日、保護者と被曝量測定に訪れた1~6歳の14人、7~15歳の52人を対象に実施。のどにある甲状腺から測定器を約1センチ離して放射線量を調べた。空気中に存在する放射線量を除いた実質的放射線量の最大値は、山木屋地区で12歳男児の毎時0・24マイクロ・シーベルト、同センターでは7歳女児の同0・13マイクロ・シーベルトで、いずれも原子力安全委員会が定めた基準の同2マイクロ・シーベルトを下回っていた。

 原発事故で拡散したとみられる放射性ヨウ素は、体内に入ると、甲状腺に集まってがんを引き起こす要因になるとされ、大人よりも子供の方が甲状腺に集まりやすいとされている。今回の調査に関し、松原純子・元原子力安全委員会委員長代理は「甲状腺は子供の成長にかかわる重要な器官。その被曝状況などを調べた調査は国内では聞いたことがなく、大変意義がある。定期的に監視することが重要」と話している。 

(2011年3月25日14時31分 読売新聞)