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2011/03/24

政府が飲料水のペットボトル増産を要請。しかし国内飲料メーカーがただちに供給を増やすのは難しい状況

ペットボトル増産を要請へ 官房長官
2011年3月24日 夕刊


 枝野幸男官房長官は二十四日午前の記者会見で、東京都の水道水からの放射性ヨウ素検出に関して「国としても、ペット飲料の増産と適切な供給を関連部局に指示したい」と述べ、業者に飲料水のペットボトル増産を要請していく考えを表明した。

 国内業者の増産が難しい場合、海外から確保する可能性については「あらゆる可能性を踏まえて検討を進めている」と述べた。

 また枝野氏は「東京都で出ている数値は、乳児以外には全くと言っていいほど影響を及ぼす可能性はない。ぜひ冷静な対応をお願いしたい」と強調した。





増産指示 国内の飲料メーカーは対応に苦慮
2011年3月24日 13:44
 東京都の水道水から乳児が飲む基準値を超える放射性物質が検出され、都が1歳未満の乳児がいる家庭を対象にミネラルウオーターの配布を始めたことを受け、枝野官房長官はペットボトルの飲料水の増産を指示したことを明らかにした。この状況を受け、東日本大地震の後から増産態勢を取っている国内の飲料メーカーは対応に苦慮している。

 「サントリー」は「東日本大地震後、被災地向けなどに国内4つの工場で飲料水の生産がフル稼働で行われており、現時点では精いっぱいやっているとして、これ以上の対応は難しい」としている。

 「キリンビバレッジ」は、「計画停電」の影響で工場がフル稼働できない状況の中、「可能な限りの生産を続けている」としている。

 「日本コカ・コーラ」は、西日本エリアから商品を持ってくるなどの東日本大地震後の供給態勢をさらに見直すかどうか、検討する方針。

 「ポッカコーポレーション」は、沖縄にあるグループ会社から首都圏に向けて商品を振り分ける対応の検討に入っている。

 東日本大地震後、全国的にも水の需要が高まる中、今回の事態を受けてメーカー各社がただちに供給を増やすのは難しい情勢という。





ミネラルウオーター増産へ 工場フル生産、新製品先送り
2011年3月24日13時48分
 飲料各社はミネラルウオーターの増産に乗り出している。被災していない工場でフル生産を続け、輸入も増やして需要増に対応する。ただ、容器の調達に制約があったり、輸入品が届くには時間がかかったりする問題もある。

 東京都内ではまとめ買いが目立ち、小売店では品薄になっている。コンビニエンスストアのセブン―イレブン・ジャパンは23日夜から、ミネラルウオーターの供給量を増やしてもらえないか、メーカー側と交渉に入った。都内の店では「1人2本」などの購入制限も始めた。

 飲料大手は震災直後からすでに生産量を増やしている。

 サッポロ飲料はミネラルウオーターを前年同期比で8割増産。群馬、静岡、山梨3県の委託工場はフル稼働だ。飲料最大手の日本コカ・コーラは、自社のミネラルウオーターの6工場のうち5工場が24時間のフル生産。サントリーも「天然水 南アルプス」などをつくる全国4工場が被災しなかったため、フル稼働中だ。アサヒ飲料も自社の2工場をほぼフル稼働している。

 各社共通の課題は、計画停電で思うように増産できないことや、ペットボトル容器など資材の不足。資材工場も被災しているという。

 海外からの輸入量も増やす方向だ。伊藤園はフランス産「エビアン」の追加注文をした。船便のため輸送に時間がかかり、届くのは早くても5月になるという。卸売業者の日本アクセスは、カナダ産に続いて、韓国産も輸入できないか検討に入った。

 日本ミネラルウォーター協会によると、昨年の国内販売量は前年比0.4%増の約252万キロリットル。8割が国内産だ。メーカー数は中小を含め約300社あるという。