2011/03/31 20:29
消費者庁は3月31日、ぺニーオークション運営事業者3社に対し、不当景品類および不当表示防止法(景品表示法)第6条の規定(第4条第1項第1号「優良誤認」、同項2号「有利誤認」)に基づいた措置命令を行ったことを公表した。
岩本有平 (編集部)
ぺニーオークションとは、入札の度に50円~75円程度の入札手数料が必要となるインターネットオークションのこと。1回の入札単価についても低額に設定されており、入札などのアクションによって入札可能時間が延長される仕組みを持つ。このため、複数の入札者が競り合った場合、落札金額に加えて多額の入札手数料を支払わなければならない場合がある。また、落札できない場合にも入札手数料を支払う必要がある。
措置命令の対象となったのは「DMM.com ポイントオークション」運営のDMM.com、「凄オク」運営のアギト、「ゼロオク」(3月31日にサービス終了)運営のゼロオクの3社。
いずれもサイト上で「(市場価格の)最大●●%OFF」といった文言でペニーオークションのメリットをうたっていた。しかし前述にあるようなペニーオークションの仕組み上、必ずしも商品が安価に入手できるものでなく、また著しく安価になるとはいえない。
消費者庁では、この表記が、消費者に対して実際より著しく優良であると示すものであり、実際の取引よりも著しく有利であると消費者に誤認されるものであるということから、その旨を周知徹底することや再発防止策の策定、同様の表示を今後行わないよう措置命令を行った。
また消費者庁では、「激安オク」(2月にサービス終了)運営のInnovation Auction、「みんなのオークション」(1月にサービス終了)運営のMEDIATRUSTの2事業者に対しても、同様に景品表示法(第4条第1項第1号「優良誤認」、同項2号「有利誤認」)に規定する不当表示があったと発表している。
ただしこの2社については、いずれもサービスを終了していることに加えて、拠点を日本に有していないこと(Innovation Auction)、登記上の本店所在地が存在せず、連絡が一切取れない状況にあったこと(MEDIATRUST)から、措置命令を行っていない。
2011年4月1日
「99%オフで落札」は不当表示、ペニーオークション3社に措置命令
「安価に入手できるとは限らない」、消費者庁が是正を命じる
勝村 幸博=日経パソコン
消費者庁は2011年3月31日、ペニーオークションを運営する3社に対し、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」に基づいて措置命令を出したことを発表した。商品を格安で入手できるとは限らないのに、「最大99%オフ」などとWebサイトで表示することで、ユーザーに誤解を与えたとしている。
ペニーオークションとは、入札のたびに入札手数料(50円から75円程度)が必要となるインターネットオークションのこと。誰かが入札すると、商品の価格は1円から15円程度上がり、入札可能な期間が延長される。このため、入札者がいる限り、際限なく入札が続くことになる。
通常のオークションとは異なり、出品するのはペニーオークション運営会社のみ。運営会社が出品した商品を、複数のユーザーが入札を繰り返して落札を競う。通常、商品1つにつき、落札できるのはユーザー1人。落札できない場合でも、手数料は返還されない。
入札開始時の価格は「0円」などと極端に安く設定されているため、落札価格自体は、運営会社が宣伝するように格安になる場合がある。しかしながら、手数料を含めれば、安価で入手できるとは限らない。実勢価格よりも高くなる可能性がある。
また、落札できなかった場合には、手数料だけを支払うことになる。落札できなかった場合や、商品を購入しない場合にはお金を支払う必要のない通常のネットオークションとは大きく異なる。
それにもかかわらず、ペニーオークション運営会社の中には、落札価格だけを取り上げて、「最大99%オフで落札できる」「市場価格の60~90%引きでの落札も当たり前」といった宣伝をして、ユーザーに誤解を与えているところがある。
このため消費者庁では、これらの宣伝が、景品表示法の「不当な表示の禁止」に当たるとして、是正を求める措置命令を出した。
措置命令を出されたのは、「ポイントオークション」を運営するDMM.com、「凄オク」を運営するアギト、「ゼロオク」を運営するゼロオクの3社。そのほか、香港Innovative AuctionとMEDIATRUSTの2社についても不当な表示が確認されたが、2社はペニーオークションの運営を既に終了しているなどの理由で、措置命令は出さず、不当表示の事実を公表するにとどめたとしている。
消費者庁のWebサイト