3月19日 10時36分
深刻な状態が続く福島第一原子力発電所で、自衛隊などに続いて、19日未明から東京消防庁が3号機の使用済み燃料を保管するプールに放水を行ったあとの周辺の放射線の量は、僅かながら増えていて、東京電力で推移を見守っています。
福島第一原子力発電所の3号機と4号機では、使用済み燃料を保管するプールが冷却できなくなり、このままでは水が蒸発して燃料が溶け、放射性物質が外部に漏れ出すおそれがあるとみられています。このため、自衛隊や警視庁などに続いて、19日午前0時半から東京消防庁の部隊が特殊な消防車など13台を使って放水を行い、作業は午前1時10分ごろに終了したということです。
東京電力福島事務所によりますと、3号機から北西におよそ500メートル離れた場所で測った放射線の量は、放水前の午前0時20分には1時間当たり3219マイクロシーベルトだったのが、午前1時10分には1時間当たり3279マイクロシーベルトと、僅かながら増えたということです。
東京電力は、変化としては少ないので、今の段階では評価することはできず、今後、推移を見守りながら詳しく分析することにしています。
一方、東京電力は、6号機の非常用のディーゼル発電機1台が復旧し、この電源を使って、同じように冷却機能が確保できなくなっている5号機と6号機の両方で、使用済み燃料プールの水を送る機能が回復したことを明らかにしました。