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2010/11/28

米韓合同演習開始 李大統領「演習期間に北朝鮮が予想外の行動に出る可能性がある。米国と協力し完ぺきに備えよ」

平成22年11月28日 世界日報
きょう米韓合同演習、米原子力空母黄海へ-北朝鮮猛反発、高まる緊張

 【ソウル時事】北朝鮮による延坪島砲撃事件を受け、米韓両軍は28日から12月1日まで、黄海で大規模な合同軍事演習を実施する。米原子力空母「ジョージ・ワシントン」も派遣される。北朝鮮は猛反発し、追加的な軍事挑発の可能性を示唆しており、黄海では緊張が高まっている。
 演習は23日の砲撃事件直後の米韓首脳の電話会談で決まった。演習水域は、韓国側が黄海の軍事境界線と定める北方限界線(NLL)からかなり離れた韓国南西部沖に設定されており、北朝鮮への過度の刺激を避ける配慮もうかがえる。

 米軍は米海軍横須賀基地(神奈川県)を事実上の母港とするジョージ・ワシントンのほか、イージス巡洋艦「カウペンス」や駆逐艦「ステザム」などを投入。韓国軍からは哨戒艦や護衛艦などが参加する。






 在韓米軍は「対空防衛と海上の戦闘遂行能力に重点を置く」と説明。強力な戦力を誇示し、北朝鮮軍の挑発抑制を狙う。

 これに対し、北朝鮮の祖国平和統一委員会は26日、「さらに恐ろしい対応射撃を加えて敵の牙城を根こそぎ吹き飛ばす準備を整えている」と警告。同日午後には、延坪島に近い西海岸地域で軍事演習を行い緊張を高めている。

 米韓両軍は北朝鮮に対する情報監視レベルを2番目に高い「2」に上げ、警戒を続けている。李明博大統領は27日の安保関係閣僚らとの会議で、「演習期間に北朝鮮が予想外の行動に出る可能性があるので、米国と協力し完ぺきに備えよ」と指示した。

 米韓は、哨戒艦沈没事件を受けた7月の演習の際、ジョージ・ワシントンを黄海に派遣しようとしたが、中国の強い反発を受け、演習地域を日本海に変更した経緯がある。

 中国は今回、演習に対し、「中国の排他的経済水域(EEZ)内で許可を得ずに、いかなる軍事行動を取ることにも反対する」(外務省談話)と表明した。これに対し、米国は「演習は北朝鮮を抑止するのが目的。演習海域は公海だ」(ラパン国防総省副報道官)と強調している。







米政権、高度な政治判断迫られる-新たな北朝鮮の挑発警戒、中国はEEZ外を条件に

 【ワシントン時事】北朝鮮による砲撃事件を受けた米韓合同軍事演習が28日から黄海で実施される。北が挑発をちらつかせる中、米海軍は弾道ミサイル追跡艦を日本近海に展開させるなど、警戒監視活動を強化した。米政府は演習の意図について、黄海への空母派遣を嫌う中国政府に通知したが、中国は自国排他的経済水域(EEZ)内で許可なく軍事行動を取ることに反対。北の挑発阻止へ中国の協力を期待するオバマ大統領は、高度な政治判断を迫られている。

 米政府は軍事力の強力なシンボルである空母の派遣で北をけん制する一方、事態がエスカレートしないよう腐心。韓国が黄海の軍事境界線と定める北方限界線(NLL)近くに位置し、北朝鮮の砲撃を受けた延坪島からかなり離れた韓国南西沖で演習を行うことにした。

 米軍によると、海軍佐世保基地(長崎県)に一時寄港していた弾道ミサイル追跡艦「オブザベーション・アイランド」は補給を受け、25日(日本時間)出港。米原子力空母「ジョージ・ワシントン」と共に出港したイージス艦と連携し、北のミサイル発射の警戒任務に就いたもようだ。

 中国外務省は「中国EEZ内で許可を得ずに、いかなる軍事行動を取ることにも反対する」との立場だが、米国内では中国がこれまで一貫して空母の黄海派遣に反対していた姿勢から、「条件付き」にトーンを下げたとの見方も出ている。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は26日、「中国外務省は演習がEEZ外である限り、抗議をエスカレートさせないことを示唆した」と報じた。

 米国防総省は演習海域を「朝鮮半島西側の国際水域(公海)」としか発表していない。同省幹部は26日、「演習は中国に対してでなく、北朝鮮に対する強固な抑止力を示すものだ。中国政府はわれわれの演習の意図について通知を受けた」とコメントした。

 ただ、国防総省は「EEZは公海であり、海軍艦艇の活動は自由」との立場を取っており、EEZ外で演習をすれば、EEZ内の演習を容認しない中国の主張を認めることになりかねない。

 昨年5月に黄海上の中国EEZ内で米海軍音響測定艦が中国船に活動を妨害された事件では、米太平洋軍は「EEZでの活動で沿岸国の事前の許可を必要としない」との見解を出している。