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2010/11/29

米韓合同演習、始まる。 対潜水艦作戦に重点

米韓合同演習、圧倒的な戦力を誇示して北を牽制 対潜水艦に重点
2010.11.29 10:43





 【ソウル=加藤達也】米韓合同軍事演習が28日午前6時に始まった。米軍は、戦闘機など70機を艦載する原子力空母「ジョージ・ワシントン」を黄海での演習に初めて投入するなど、圧倒的な戦力を誇示して北朝鮮を牽制した。

 演習海域は北緯34度30分~36度、東経124度~125度42分の範囲とみられ、韓国が海上の軍事境界線と定める北方限界線(NLL)や砲撃された延坪島からは160~200キロ南方。初日の28日には米韓両軍の艦艇が特定海域で合流し、演習上の作戦海域まで空母を護送するオペレーションが実施されたもようだ。

 演習は北朝鮮による侵攻を想定し、米韓連携しての海上戦遂行能力と対空防衛力の確認を中心に進められるが、米韓軍事筋によると、特に重点が置かれるのは対潜水艦作戦だという。

 黄海は水深が浅く、海底地形が複雑に入り組んだ海域が多い。このため、潜水艦の動静を捕捉することが困難だとされる。韓国軍は3月の哨戒艦撃沈事件以降、黄海での潜水艦捕捉能力の向上に力を入れており、演習では米韓連携の上で対潜哨戒力を確認する。

 対空防衛では、今回の延坪島砲撃時にも出撃したとされる北朝鮮のミグ戦闘機の飛来を想定、イージス艦で早期捕捉し、艦載機と対空火力で迎撃するシナリオのもと、演習が行われる。

 聯合ニュースによると、米軍から参加しているとみられるのは、イージスミサイル巡洋艦「カウペンス」、駆逐艦「シャイロ」、同「ステザム」の主力艦や、最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターなど。韓国側からもイージス艦「世宗大王」が加わる。

 また、米軍は高機能偵察機「ジョイントスターズ」も投入。期間中に予想される北朝鮮による海岸砲や多連装ロケット砲などの発射動向を完全に捕捉する態勢を取っている。