指定暴力団・工藤会によるパチンコ店経営会社(本店・山口県美祢市)の恐喝未遂事件で、福岡、山口両県警は6日、建造物損壊と器物損壊容疑で小倉北区神岳2、同会系組幹部上野利一(52)(恐喝未遂罪で起訴)、みやこ町徳永、同藤本一郎(37)(非現住建造物等放火未遂罪で起訴)両被告を再逮捕し、仲間の会社員2人を逮捕した。これで同事件での逮捕者は8人となった。
仲間の2人は行橋市南大橋1、清掃会社員田尻崇(28)、同市北泉2、同小堤(こづつみ)敦(27)両容疑者。発表によると、4人は共謀して2009年10月3日午前3時45分頃、経営会社系列の山口県防府市のパチンコ店で、壁面ガラス6枚を鉄パイプのようなもので割り、ブラインドカーテンも壊した疑い。
上野被告は07年9月~09年9月の間、門司区への出店を準備していた同社を脅し、みかじめ料名目で現金を要求したとして恐喝未遂で起訴。藤本被告は昨年11月、防府市の店の壁面ガラスを割って店内に火をつけ、床を焦がすなどしたとして起訴されている。
捜査関係者によると、いずれの犯行も同社が要求を拒んだことに対する工藤会の報復とみられるという。
(2010年10月7日 読売新聞)
2010年9月8日 読売新聞
みかじめ料数千万円要求、工藤会系幹部ら逮捕へ
2009年11月に山口県防府市のパチンコ店が放火された事件に絡み、福岡、山口両県警は、北九州地区を拠点とする指定暴力団・工藤会系組幹部2人と親交者数人が店側へ再三にわたってみかじめ料(用心棒代)として数千万円を支払うよう脅していたとして、恐喝未遂容疑で逮捕状を取った。8日にも逮捕し、工藤会による企業恐喝事件の全容解明を目指す。
工藤会系組幹部は、組幹部(52)と藤本一郎被告(37)。藤本被告は09年11月14日未明、土木作業員土谷誠被告(27)と共謀し、防府市のパチンコ店を燃やそうと店内にガソリンをまき、床数平方メートルやフロアマットを焼いたとして逮捕され、非現住建造物等放火未遂罪で起訴されている。
捜査関係者によると、組幹部、藤本被告らは共謀し、09年12月に北九州市門司区で新たに系列店をオープンさせようとしていたパチンコ会社(山口県美祢市)に対し、みかじめ料として複数回にわたって数千万円を支払うよう脅した疑いが持たれている。直接の恐喝行為は親交者らが行い、2人は指示役だったとみている。
両県警は、同社がみかじめ料の支払いを拒んだため、報復の意味を込めて放火したとみている。
(2010年9月8日 読売新聞)