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2011/03/25

福島第一原子力発電所3号機の地下にたまっている水について、「核分裂で生成した物質が8種類検出された」と発表=東電

東電:福島第一原発3号機の地下の水、核分裂で生成した物質検出


 3月25日(ブルームバーグ):東京電力は25日午後の記者会見で、作業員3人が被ばくした福島第一原子力発電所3号機の地下にたまっている水について、「核分裂で生成した物質が8種類検出された」と発表した。同社原子力設備管理部の巻上毅司課長が明らかにした。

  巻上氏は、「燃料プールから流れたものなのか、原子炉の燃料の破損から来たものか断定できない」との見方を示した。同部の小林照明課長は1、2号機の地下にも水たまりがあるとした上で、「高い放射線物質が含まれている可能性があるため、作業を中止している。水は調査中」と述べた。

更新日時: 2011/03/25 14:41 JST




放射性物質、炉内の1万倍 3号機は原子炉損傷も2011年3月25日 夕刊

 東日本大震災で被災した福島第1原発3号機のタービン建屋で、復旧作業中の作業員3人が被ばくした事故で、東京電力は25日、現場にたまっていた水から、運転中の原子炉内の水に比べて約1万倍の濃度に当たる放射性物質を検出したと発表した。経済産業省原子力安全・保安院は、原子炉か使用済み核燃料プールの燃料棒が損傷し、放射性物質が広く漏れている可能性があるとみている。

 保安院は25日、現場の環境変化に気付かず作業を続けたとして、東電に放射線管理を見直し、改善するよう口頭で指示した。東電はこの事故で復旧作業に支障が出るとみている。

 タービン建屋地下1階フロアの水から検出されたのは、放射性セリウム144が1ミリリットル当たり220万ベクレル、放射性ヨウ素131が同120万ベクレルなど9種類で計390万ベクレル。

 この事故では、20代~30代の男性作業員3人が、ケーブルの敷設中に173~180ミリシーベルトの高い放射線量を浴びた。短靴で現場に入った2人は、両足の皮膚に放射性物質が付着し、ベータ線熱傷の疑いで福島市の福島県立医大病院に運ばれた。3人は25日、千葉市の放射線医学総合研究所に移され、4日間ほど様子をみる。入院した2人は電気設備工事大手「関電工」(本社・東京)の社員で、もう1人は関電工の下請け会社の社員という。

 東電によると、現場には東電の社員が作業前日の23日に入り、放射線量を計測。毎時約0・5ミリシーベルトの低い線量で「ほとんど水はなかった」と報告した。直前の24日午前は現場の線量を計測せず、作業員3人にも「水のある場所だ」という指示をしなかった可能性があるという。

 このため、3人のうち2人は短靴で現場に入ったが、深さ約15センチの水面がフロア一面に広がっている状態だった。作業員は短靴に水が入ったまま、4、50分間作業を実施。線量計は20ミリシーベルトでアラームが鳴ったが、1人は「故障したのではと思った」と話したという。3人とも放射線業務従事者の資格があった。

 放射線を測定、管理する担当者を現場に同行させず、前日の線量で作業計画を立て、アラームが鳴った後も作業を続けたことについて、東電は国と社内の保安規定に違反するとの認識を示した。ほかの作業現場でも同じ問題があるとみて、改善したいとしている。