内閣府は7日、日本が国内外で保有する核分裂性プルトニウムは、2009年末時点で31・0トンで、前年より0・8トン減ったと原子力委員会に報告した。06年で集計方法が変わっているが、保有量が減ったのは事実上初めてとしている。
商業炉や日本原子力研究開発機構の高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県)にプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料が使われた半面、日本原燃の再処理工場(青森県)がトラブルで停止したため、国内で使用済み核燃料からのプルトニウム抽出が無かった。
昨年は、九州電力玄海原発(佐賀県)ではMOX燃料を燃やすプルサーマルが始まり、もんじゅでも運転再開に向けてMOX燃料を装てん。
電力会社が英国とフランスに再処理を委託し、現地で保管中のプルトニウムは、玄海原発や中部電力浜岡原発(静岡県)、四国電力伊方原発(愛媛県)にMOX燃料としてフランスから輸送したため、海外分は約1トン減って24・1トン。国内は、この返還分から玄海原発装てん分などを差し引いて0・2トン増の6・9トンだった。
2010/09/07 16:57 【共同通信】