7月6日(ブルームバーグ):米国人の地質学者、薛峰氏が、中国の石油業界に関するデータベースを販売したとして国家機密法違反の罪に問われた裁判で、北京市第一中級人民法院は禁固8年の有罪判決を言い渡した。
米国政府は、薛氏に対する判決に「失望」しており、中国法の下で薛氏の権利が適正に保障されるかどうかについて引き続き懸念しているとの声明を発表した。北京市第一中級人民法院は5日、薛氏に対し罰金20万元(約260万円)を科した。米大使館の広報担当者、リチャード・ブアンガン氏によると、審理には米国のハンツマン駐中国大使が出席した。
この裁判は、中国が経済情報を保護するため法律を活用していることを浮き彫りにしている。中国では3カ月前、英豪系資源会社リオ・ティントの幹部社員4人が有罪判決を受け、豪中関係に影響が及んだ。米中経済協議会などの団体は中国の国家機密の定義について、あまりにも広範囲にわたる上、透明性を欠いており、国外の投資家の信頼を損ねていると指摘している。
更新日時: 2010/07/06 15:52 JST