週刊朝日2011年7月22日号配信
福島第一原発が「循環注水冷却システム」に完全移行した。しかし一方で、玄海原発の再稼働問題を巡って政治は迷走するばかり。こんなことで、原発事故は本当に収束できるのか。この1カ月余り、本誌の取材に応じてきた第一原発"最高幹部"の一人が語った「すべて」をお届けしよう。(本誌取材班)
福島第一原発が「循環注水冷却システム」に完全移行した。しかし一方で、玄海原発の再稼働問題を巡って政治は迷走するばかり。こんなことで、原発事故は本当に収束できるのか。この1カ月余り、本誌の取材に応じてきた第一原発"最高幹部"の一人が語った「すべて」をお届けしよう。(本誌取材班)
県産稲わらから基準を超える放射性セシウムが検出された問題が、21日あった県議会の大震災対策調査特別委員会や産業経済常任委員会で取り上げられた。議員からは、稲わら問題への対応の不十分さや、放射能汚染に対する姿勢を県に問う意見が相次いだ。
県議全員が加わる特別委員会で、袋正委員(改革みやぎ)は「東京電力に早急に抗議するべきだ。(県基幹種雄牛の)『茂洋』を中心に盛り上がっている時期の事故に、生産者は大変憤慨している」と、畜産業界の怒りをぶつけた。
産業経済委員会では、熊谷義彦委員(社民党県議団)が、県の行政指導の不十分さを追及した。
牧草から放射性セシウムが検出された5月、使用自粛を求めた県の文書を挙げ「『牧草等』とあるが、稲わらという言葉は一切なかった。結果として畜産農家は稲わらを食べさせてしまった」と、県の姿勢を批判した。
千葉宇京農林水産部長は「粗飼料という概念に牧草も稲わらも入っていたが、明確に示した資料はなかった。残念だし、忸怩(じくじ)たる思いがある」と述べた。
政府に肉牛の全頭検査などを求める意見も多く出された。中島源陽委員(自民党・県民会議)は「『宮城の牛肉は全て検査済み、暫定基準値を下回っている。だから安全だ』と言える態勢を作り、最大限アピールすることが必要だ」と強調した。
文部科学省と県が20日に公表した県北の放射線量マップに関連し、横田有史委員(共産党県議団)は「これまで5回も県北の放射線量測定を行うよう要請してきた。ようやく昨日になって発表された」と対応の遅さを指摘した。小泉保環境生活部長は「いろいろ分析し、整理した結果だ」と答弁した。
2011年07月22日金曜日
肉牛にえさとして与えられる稲わらが放射性セシウムに汚染されていた問題で、農林水産省は21日、牛を解体した後の検査で肉から国の基準値(1キロあたり500ベクレル)を超えるセシウムが検出された場合は、その牛の肉を国で買い上げて焼却処分する方針を明らかにした。流通しないようにすることで消費者に安心してもらうのが目的だと説明している。
筒井信隆農水副大臣がこの日の記者会見で考えを示した。東京電力福島第一原発の事故で汚染された食品は野菜や魚介類など多品目にわたるが、国が直接、被害を補償するのは初めて。
牛肉の汚染をめぐる今回の問題は8日、福島県南相馬市の畜産農家から出荷された牛の肉が汚染されていたことがわかって表面化。事故後に集めた汚染わらを食べさせたことが原因だったため、他にも汚染された牛がいないかどうかの調査が続いている。朝日新聞社の21日現在のまとめでは、汚染わらを与えた牛を出荷した農家の存在が確認されたのは10県で、出荷頭数は約1400頭に上る。
この影響で牛肉への信頼がゆらぎ、価格も一時暴落するなどしたことから農水省は速やかな対策が必要と判断した。筒井副大臣は「基準値を超えたものが一切市場に出回らない形で消費者に安心感をもってもらうことが必要」と述べた。
同省の説明によると、解体されて枝肉となった状態で実施される検査の際に基準値を超えれば、その牛1頭分の肉をすべて買って焼却処分する。検査は抽出で、実施する数は各自治体の判断によるという。
また、8日の発覚以降に出荷・流通した牛肉で、回収後に基準値を超えたことが確認されたものも対象とする。発覚後の調査では、これまでに計29頭の牛肉の汚染が確認されている。
2011年7月22日1時14分
警視庁捜査一課の現職の警部が美容外科の手術ミスを巡る事件の捜査資料を、美容外科に再就職していた元警部らに流していた疑いが強まったとして、警視庁は地方公務員法違反の疑いで警部の逮捕状を取りました。元警部2人についても逮捕状を取る手続きを進めていて、容疑が固まり次第3人を逮捕する方針です。