双葉病院が県を提訴 「発表は虚偽」謝罪求める
東京電力福島第1原発事故で、救助の遅れから患者ら計50人が2011(平成23)年3月中に死亡した大熊町の双葉病院(鈴木市郎院長)が、県の「病院関係者は1人も残っていなかった」とする不適切な報道発表で病院の名誉を傷付けられたとして、県に謝罪広告の掲載を求め、福島地裁に提訴していたことが12日、分かった。
訴状によると、県災害対策本部は11年3月17日、「自衛隊が病院、施設に救出に向かうと、病院関係者は1人も残っていなかったため、患者の状態は一切分からないままの救出となった」などと報道機関に発表した。
「(報道発表は)虚偽で、原発事故で危険な状態になり、直ちに患者を避難させなければならない場面で、責務を放棄して患者を見捨て、死に至らしめた病院として悪名が知れ渡り、社会的評価が著しく失墜した」としている。
病院側は、新聞の地元紙と全国紙など計6紙に各1回、謝罪広告を掲載、県のウェブサイトに少なくとも1年間、謝罪文を掲載するよう求めている。金銭的な賠償は求めていない。提訴は11日付。
(2014年3月13日 福島民友ニュース)
http://www.minyu-net.com/news/news/0313/news2.html