日本人奴隷の謎を追って=400年前に南米上陸か?!
「南米日本人発祥の地」は一八〇三年にロシア船に乗ってフロリアノーポリス港に到着した若宮丸の四人――とのイメージが強いが、史実をたどると、どうやらそうではないようだ。それよりも遙か以前、今から四百年以上も前に南米の地を踏んだ日本人の記録が残されている。日本とブラジルとの歴史的関わりを考える上で、ポルトガル(中世「南蛮」と称された)は欠かせない国だ。この三国関係を軸に、改めて日伯の歴史を俯瞰し、カトリック布教と大航海時代という背景の中で、日本人が四百年前にブラジルに来ていた可能性を検証してみた。将来を見通すには、その分、過去を知る必要がある。百年の歴史から日系社会の将来を考えるより、より長い歴史の中から日伯関係を俯瞰することで、日系社会の二百年後、三百年後を構想するアイデアの一助にならないだろうか。(深沢正雪記者)連載(1)=亜国に残る裁判書類=1596年に売られた日本人
連載(2)=「小家畜か駄獣のように」=手足に鎖、舟底につながれ
連載(3)=ペルーに20人の記録も=実は南米で一般的だった?
連載(4)=中国、韓国人奴隷も?=イエズス会と東方貿易
連載(5)=売り渡したのも日本人=晴天の霹靂、驚愕する秀吉
連載(6)=50万人説は本当か?=乱暴な計算と怪しい根拠
連載(7)=キリシタン浪人との説も=下克上の世を疎み出国か
連載(8)=ポルトガルからオランダへ=政教分離進む新教に軍配
連載(9)=民族絶滅の亡霊が徘徊=今も残る慶長使節の末裔
連載(10・終)=ポルトガルに〃日系人〃?!=奴隷解放で再び日本人登場
http://www.nikkeyshimbun.com.br/2009rensai-fukasawa3.html