2011.3.25 10:37
与謝野馨経済財政担当相は25日の閣議後会見で、東日本大震災の復興を担う2011年度補正予算の財源に関連して、「雇用と投資研究開発のための法人税減税があるとすれば正しいことだが、今のような事態になったときに社会全体のニーズになっているかは再考を要する」と述べ、財源が限られている以上、震災復興を優先すべきだとの考えを示した。
また、財源確保の方法として、増税や赤字国債の発行などがあるとした上で「1つの財源だけには頼れない。組み合わせになる」と指摘。その上で「国民年金の国庫負担を2分の1にしているのをやめてはいけない。国債の日銀直接引き受けにも否定的だ」と強調した。
赤字国債の発行については「なるべく公債依存度を低くしたいという考え方はあるが、公債を発行して償還財源も同時に決めておくという考え方もある」と述べた。
電気料金体系変えるべき、法人税減税は再考要す=与謝野担当相2011年 03月 25日 14:45 JST
[東京 25日 ロイター] 与謝野馨経済財政担当相は25日の閣議後会見で、電気料金の体系を見直すべきとの考えを表明した。また、法人税減税についても再考を要するとの考えを示した。
与謝野担当相は東日本大震災による電力不足について「大事なのは日本経済の生産拠点に連続して電力を供給すること」としたうえで「もう一段の節電には電気料金の体系を変えるべきでないか」との考えを、この日の官邸での会議で表明したことを明らかにした。「現在の一般家庭の料金は逓増性」になっていること、電力消費のピーク時に一般家庭の消費が大きいことなどを指摘し「もう少しナショナルミニマムを狭めることで、節電がいっそう自らの問題になる。そういう側面も研究してほしい」と提案したという。
補正予算に関しては「(予備費では)足りないはず。この1カ月以内に国会にお願いしなければならない」としたうえで、2011年度予算で実施する予定の5%の法人税減税について「雇用と投資、研究開発などのために法人税減税があるとすれば、それは正しいし社会的、経済的な要請があるが、今のような事態になったとき、こうした考え方の法人税(減税)が社会全体のニーズになっているかは再考を要する」と述べた。
財源については、既にいくつかの考え方が出ているとしたうえで「否定する部分から言うと、年金基金の取り崩し」とまず指摘。「国民年金の国庫負担を2分の1へ上げることはやめてはいけない」と続けた。「日銀の国債引き受けも否定的」という。
財源のねん出には、既定経費の節減や減税などの税制見直しに加え「新しい考え方による税制」、公債発行などを挙げた。同時に「なるべく公債依存度を低くしたいとの考え方はあるが、一方で公債を発行して、その償還財源を同時に決めておくという考え方もある」と指摘。「いずれにしても、ひとつの財源だけには頼らない、これらの組み合わせになる」との見通しを示した。
大震災で議論が中断している税と社会保障の一体改革に関しては、政府が社会保障のあり方を提示するとしていた4月に向けて「4月末のことまで現時点で約束しがたい部分もある」としたうえで「震災対策と税(と社会)保障の一体改革とのつなぎ目、連続性をどう確保するかに頭を悩ませている」とした。
また与謝野担当相は、ガソリン価格が3カ月続けて1キロリットル160円を上回った際に上乗せ課税を停止する措置について「スイッチは取り除くべき」と発言。「もともと原油価格、ガソリン価格は政府が決めている訳ではない。そういうスイッチが入ると国の税収がまた落ち込んでいく。経済産業省と検討しないといけない」との考えを示した。