6月30日 23時5分
福島市の小学生から高校生までの10人の尿から放射性物質が検出されたとして、福島県の市民団体が、30日、東京で記者会見を開き「国や県の責任で、福島の子どもたちを対象に内部被ばくの検査を早急に行うべきだ」と訴えました。一方、放射線影響研究所の長瀧重信元理事長は「この量で健康被害があったという報告はこれまでにない。過度に心配せず、ふだんどおりの生活をしてほしい」と話しています。
福島市の小学生から高校生までの10人の尿から放射性物質が検出されたとして、福島県の市民団体が、30日、東京で記者会見を開き「国や県の責任で、福島の子どもたちを対象に内部被ばくの検査を早急に行うべきだ」と訴えました。一方、放射線影響研究所の長瀧重信元理事長は「この量で健康被害があったという報告はこれまでにない。過度に心配せず、ふだんどおりの生活をしてほしい」と話しています。
政府は28日午後、東日本大震災の復興基本法に基づき設置された「復興対策本部」(本部長・菅直人首相)の初会合を首相官邸で開いた。首相は「復興構想会議の提言を最大限尊重し、指針にまとめる」と強調。財源確保のため所得税などの臨時増税を検討することや、「特区」制度による産業活性化などを求めた同会議の提言を踏まえ、基本方針を策定するよう全閣僚に指示した。
基本方針は、大規模な復興予算が計上される2011年度第3次補正予算案の前提となるもので、政府は7月中の取りまとめを目指す。首相は「国民はできるだけ早い進展を望んでいる。各省庁ができることはどんどん進める姿勢で復旧・復興に臨むことが重要だ」とも指摘した。
初会合には、同会議議長の五百旗頭真防衛大学校長も出席し、提言の内容を説明。松本龍復興担当相は「(岩手、宮城、福島3県に)それぞれの(対策)本部長、事務局長がいる。本部は100人体制で臨んでいく。地方の声を生かしていく作業もしたい」と述べた。
復興担当相新設に伴う一連の人事で首相は、自民党参院議員を「一本釣り」して野党の反発を招いた上、民主党執行部との亀裂も深めた。厳しい国会運営が予想される中、菅政権が復興政策をどこまで主導していけるかは不透明だ。
(2011/06/28-16:15)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201106/2011062800625
自然エネルギーで定款に事業追加
ソフトバンクは24日の定時株主総会で、自然エネルギーなどによる発電を事業内容に加える定款変更を承認した。原子力発電所事故を受けて「脱原発」を掲げる孫正義社長が、発電事業に乗り出す“お墨付き”を与えられたことになる。クリーンエネルギーの普及に一役買う一方、本業である通信事業との相乗効果など、様々な思惑も見え隠れしている。
大阪府は24日、腸管出血性大腸菌O(オー)157に感染が確認された堺市の男性(84)が死亡したと発表した。感染が直接の死因につながったかどうか、府が確認を進めている。
府や堺市によると、男性は20日に腹痛や下痢の症状が出て、富田林保健所管内の病院に入院。22日の検査で腸管出血性大腸菌が出すベロ毒素が確認されていた。男性は16日、家族と堺市内の焼き肉店で牛生レバーを食べたが、これが感染源かどうかは確認できていない。16日に同店で飲食した男性の家族や他の客、店の従業員ら約50人については、今のところ症状を訴える例はないという。
府内では2007~10年で各1人、腸管出血性大腸菌の感染者の死亡例がある。生肉を食べて腸管出血性大腸菌に感染する例も多く、厚生労働省などが注意を呼びかけている。
東京電力は24日、福島第1原発上空を飛行していた無人ヘリ「T-Hawk」(直径約50センチ、高さ約50センチ、重さ約8キロ)が操縦不能となり、2号機原子炉建屋の屋上に不時着したと発表した。東電は「損傷の程度は分からない。煙や炎などは確認されていない」としており、状況確認を急いでいる。
東電によると、「T-Hawk」は同日午前6時半すぎ、2号機上空の空気中の放射性物質の測定のため飛行を始めたが、7時ごろにリモートコントロールが利かなくなったという。クレーン車による現場の確認、回収を進める。
また、東電は同日、試運転が続いている汚染水浄化システムで、処理を終えた汚染水が約2500トンに達したと発表した。東電は「建屋の水位は順調に下がっている」としている。
日本原子力研究開発機構は24日午前4時55分、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の原子炉容器から、約10カ月間落下したままになっていた重量3.3トンの装置の引き抜き作業を終えた。
引き抜き作業は当初、23日午後2時ごろから始まる予定だったが、準備作業がはかどらず、実際に始まったのは7時間近く遅れた午後8時50分だった。
落下していた「炉内中継装置」(直径46センチ、長さ12メートル)は衝撃で変形していたため、引っかかっていた炉開口部のさやの部分と一緒に、天井にある大型クレーンでつり上げた。装置等は約8時間かけ、炉開口部の上方に据え付けた専用の容器「簡易キャスク」(直径1.4メートル、最大長16メートル)に直接、収納された。
高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県)で燃料交換に使う装置が原子炉格納容器内に落下した事故で、日本原子力研究開発機構は23日、装置が引っ掛かった原子炉容器の上ぶたの一部ごと引き上げる大掛かりな作業を始めた。24日までに引き上げを終える予定。冷却処理などを経て今秋までに事故前の正常な状態への復旧を目指す。
装置は水や空気と触れると激しく反応する冷却材のナトリウムに一部が漬かっている状態のため、ナトリウムが外気に触れないようアルゴンガスを注入した専用の大型収納容器を通して行った。
引き上げは1分間に6センチ程度のペースで進められ、作業全体で約8時間かかる。
2011/06/23 21:45 【共同通信】
ウィーンで開かれているIAEA=国際原子力機関の閣僚会議の作業部会で、東京電力福島第一原子力発電所の事故直後に日本側からの情報提供が不十分だったという批判が相次ぎ、緊急時にはIAEAが外部に放出された放射性物質の種類や量といった重要な情報を素早く入手し、国際的に共有できる仕組みを作ることで、各国の認識が一致しました。
ウィーンで開かれているIAEAの閣僚会議は22日、福島第一原発の事故時の緊急対応について検証する作業部会が開かれ、非公開で意見が交わされました。
出席した日本の関係者によりますと、会合の中で、WMO=世界気象機関の専門家から、事故直後、日本側からの情報提供が不十分で、放射性物質がどのように拡散していくか予測が困難だったと指摘されたということです。
また、加盟国からも「事故直後、知りたい情報が得られず、国民に十分説明できなかった」などと日本の対応を批判する意見が相次いだということです。
静岡県からフランスに輸出された緑茶の国内検査で政府の暫定規制値を上回る放射性セシウムが検出された問題で、川勝平太知事は22日、記者団に「(製茶に対する)規制値は根拠がない。飲用茶として検査した値で見ると全く安全だ」と述べ、政府に見直しを求めていく考え。農業関係者の間からも、規制値に対する疑問の声が出た。
川勝知事は「もともと欧州連合(EU)の農水産物に対するセシウムの基準値は1キログラムあたり1250ベクレルだった。それが4月中旬、国の暫定規制値に合わせて500ベクレルに変更された」と指摘し、「根拠のない規制値を海外に適用させた後始末を、どうするのか」と国を批判した。
その上で、「国よりも我々の方が暫定規制値を決める根拠を持っている。なるべく早く厚生労働相に会い、説明したい」と、見直しを要求する意向を強調した。
県経済農業協同組合連合会(JA静岡経済連)茶業課の平野久課長も、「500ベクレルという規制値は、設定根拠がよく分からない。フランスが日本の基準に合わせて規制値を変えていることもあり、早急に見直してもらいたい」と訴えた。
福島第1原発事故で、放射性物質が世界に拡散していく様子が、九州大学と東京大学の研究グループが行ったシミュレーションで明らかになった。
日本を起点に渦を巻き、瞬く間に広がる青い帯。
これは、九州大学と東京大学の研究グループが、福島第1原発からの放射性物質が世界に拡散していく様子をシミュレーションしたもの。
東京大学の中島映至教授は「日本から出たものが、地球をどういうふうに取り巻いているかという問題に関するお話でありまして」と話した。
別の角度、北極の真上から見た図について、東京大学・中村 尚教授は「番号が振ってあるのは、原発起源の放射性物質が(実際)観測されたという位置と、それから時系列、時間的な順番を示しています」と話した。
シミュレーションは、3月14日の夜から23日までの9日間のもの。
福島の放射性物質は、この期間で北半球をほぼ1周したことになる。
研究によれば、事故後、地表近くの放射性物質は、東日本を通った低気圧の上昇気流によって、上空5,000メートル以上に巻き上げられ、その後、ジェット気流に乗り、アメリカやヨーロッパまで運ばれたという。
一方、6月22日、福島第1原発では、2号機の原子炉建屋内の写真が新たに公開された。
茶色くたまっているのは地下の汚染水で、水面近くでは、1時間あたり430ミリシーベルト(mSv)もの高い放射線量が計測された。
そのため東京電力では、遮蔽(しゃへい)対策を行ったうえで、作業員が水位計などの設置作業を行ったという。
(06/23 00:47)
6月22日(ブルームバーグ):サウジアラビアで女性の運転解禁を訴えて運動を展開する団体が、富士重工業のスバル部門に対し、解禁が実現するまで同国から撤退するよう求めている。
クリントン米国務長官は21日、抗議団体「サウジ・ウィメン・フォー・ドライビング」の運動を支持すると表明した。同団体はサウジ国内の女性に行動を呼びかけ、これに応じた女性たちは6月17日に一斉に車を運転して抗議の意を示した。クリントン長官は女性たちを「勇敢だ」とし、「心を動かされた。彼女たちを支持する」と発言。長官は同団体から支持を嘆願する6月3日付書簡を受け取って以降、沈黙を守っていたため、活動家の間で問題視する声が出ていた。
東京電力は22日、福島第一原子力発電所2号機の原子炉建屋地下の写真を公開した。作業員が地下まで入ったのは初めて。機器のさびが付着したとみられる赤茶色の汚染水がたまり、周囲の放射線量が毎時430ミリシーベルトと高かった。
復旧作業ができるかどうかの確認のため、作業員10人が21日午後、2号機原子炉建屋の地下の途中まで入った。汚染水の水位は地下の床から6.1メートルで、地上までほぼ半分の高さ。事故直後にメルトダウンした核燃料によって原子炉圧力容器や格納容器が破損し、たまり水が汚染されているとみられる。
東電は22日、作業員が原子炉建屋に入り、原子炉圧力容器の水位を測るために圧力計を設置する。
東京電力は、福島第一原子力発電所の汚染水処理が遅れる中、東北地方の梅雨入りを受け、汚染水の発生を抑制する緊急対策に乗り出した。爆発で吹き飛んだ建屋の屋根をふさぐなど、雨水の流入を防ぐ一方、原子炉への注水量を絞っている。敷地内にたまった高濃度汚染水は、処理が進まないと月末にあふれ出す恐れがあるが、注水の抑制で3号機は原子炉の温度がわずかに上昇しており、東電は苦しい対応を迫られている。
汚染水は、原子炉に注入している冷却水の漏出が原因。東電は1、2号機への注水量を、前日に続き22日もさらに毎時0・5トンずつ削減。1号機は同3・5トン、2号機は同4トンとした。しかし、3号機は原子炉周辺の温度が比較的高く、同10トンの注水を続けている。
雨水対策は、各建屋の周囲に土のうを設置するほか、屋根の穴や扉の隙間などを鉄板でふさいでいる。
汚染水は、最も水位が高い3号機の作業用トンネル(トレンチ)で22日午前7時現在、地表まであと12センチに迫っている。浄化処理が進まない場合、29日にも地表などへあふれ出すと予測されているが、雨水が流入すれば早まる可能性がある。
5月末に台風から変わった温帯低気圧が通過した際は、同トレンチの水位が1日で6・5センチも上がった。
気象庁は「東北南部の今後1か月の予想雨量は、平年より少なめだが、梅雨末期は活発化することがあり、注意が必要だ」としている。
(2011年6月22日 読売新聞)
厚生労働省は、東京電力福島第一原発の復旧に携わる下請け労働者の就労実態を把握するため、今月末から4次下請けまでの全654社に定期報告を求めることを決めた。同原発では69人の作業員が所在不明で被曝(ひばく)線量の測定ができなくなるなど、ずさんな管理態勢が明らかになっており、放置すると労働者の安全を確保できないと判断した。
同省は先月末から今月15日にかけ、元請けの東芝、日立製作所といった大手プラントメーカーなど22社に下請け会社の数や名称、労働者数の聞き取り調査をした。その結果、1次下請けは162社(1428人)、2次は267社(1542人)、3次は161社(894人)、4次は42社(227人)で、労働者数は元請けと下請けを合わせて5178人だった。
定期報告では、毎月末時点で各事業所ごとに、作業に新たに加わった人数、離脱した人数の回答を求める。雇用期間のほか、元々、雇っていたのか、それとも臨時雇用なのかも確認する。新たに加わる作業員への安全衛生教育や、健康診断の実施の有無も聞く。
フランスで静岡の茶から欧州連合(EU)の基準を超える放射性物質が検出された問題で、静岡県は21日、基準を超えた茶が「御前崎市の業者が製造した玄米茶」とした前日の発表を訂正し、「同じ業者が製造した緑茶」だったと発表した。農林水産省から同日、誤って情報を伝えたと県に連絡があったという。
県保健福祉部は6月21日、伊賀市内の女児(3)が病原性大腸菌O157に感染し19日に死亡した問題で、家族や女児が通う保育所に行っている調査の状況を報告した。同部は「現時点で、女児の家族と保育所において、症状がある人はいない」と説明している。
ことし3月の巨大地震による地盤の変動で、東北地方を中心に土地の測量に必要な基準点の多くがずれました。このままでは、被災地の復興に向けて正確な土地の測量ができないため、日本の土地の緯度と経度の原点となっている東京・港区の基準点で、正確な位置を決め直す作業が始まりました。
ことし3月の巨大地震では、東北と関東甲信越の地盤が動き、全国に10万余りある土地の経度と緯度、それに標高を示す基準点の、半分近いおよそ4万5000の基準点が、最大で5メートル余りずれました。
基準点は土地の境界や範囲を決める測量で使うことが法律で定められ、このままでは被災地の復興にも影響することから、ずれた基準点の正確な位置を測り直す作業が21日から始まりました。
作業は、日本の土地の緯度と経度の原点となっている東京・港区の基準点から行われました。
国土地理院の職員が、基準点を示す、石に埋め込まれた金属の目印のそばに高さ15メートルの棒を立てて、その先に取り付けた特別に精度が高いGPSの測定器を使って、緯度と経度を正確に測り直しました。
国土地理院によりますと、この基準点も東に20センチほどずれているとみられ、正確に測り直さないと、日本全体の土地の測量に誤差が出てしまうということです。
国土地理院は、被災地など、このほかの基準点でも順次位置を決め直し、10月までには正確な測量ができるようにすることにしています。国土地理院測地基準課の米溪武次課長は「これほど多くの基準点がずれてしまったことはこれまでになかった。復興に影響しないよう、しっかりと進めていきたい」と話していました。
イランのアッバースィー原子力庁長官が、日本政府に対し、福島原子力発電所の事故の透明な情報をIAEA国際原子力機関の加盟国に開示するよう求めました。
イランの副大統領を兼任するアッバースィー長官は、20日月曜、オーストリアのウィーンで開かれた核の安全に関する会議で演説を行い、東日本大震災に関して日本の政府や国民にお見舞いの言葉を述べました。
アッバースィー長官は、「原子力発電所の安全は、世界的な側面を伴う技術的な問題であり、直接人類の命や健康に関わる。このためIAEA加盟国は、福島原発事故を深く憂慮している」と語りました。
また、「放射能漏れ事故は、生物や環境に大きな害を及ぼす。このため、福島事故の深刻さに注目し、日本政府による透明な情報の開示が最も重要だ」と述べました。
さらに、加盟国の核の安全に関する基本的な情報を隠したとして、IAEAを非難しました。
また、IAEAに対し、福島第1原子力発電所の状況に関する透明で包括的な評価を作成し、事故の再発を防ぎ、その危険性を抑えるため、これに関する経験を加盟国に移転するよう求めました。
アッバースィー長官は、「福島の事故が示したように、核の安全性の欠如は、国際社会にとって取り返しのつかない甚大な被害をもたらす」と述べました。
さらに、イランに対する国連安保理の決議に関して、「IAEAの規約やNPT核兵器不拡散条約などの、法規に基づき、イランに対する安保理決議は非合法で、不公正なものだ」としました。
また、「イランの優先事項は、ブーシェフル原発の安全性を完全に確保することであり、IAEAは現在の基準に則ってイランの措置を検討し、数々の報告書の中でこの原発の安全性を認めている」と述べました。
ウィーンで開かれている核の安全に関する国際会議は、20日月曜、開幕しました。
最終更新 ( 2011年 6月 21日(火曜日) 16:58 )
【ブリュッセル時事】パリ近郊の空港で静岡県の緑茶から基準値の2倍を超す放射性物質が検出された問題で、欧州連合(EU)執行機関の欧州委員会は、緑茶を含む同県産食品全般に対する輸入規制を強化する方向で検討に着手した。欧州委当局者が20日明らかにした。
EUは福島第1原発事故を受け、福島や東京など13都県産の食品をEU域内に輸入する際は、放射性物質の検査証明書を添付するよう要求。他道府県は産地証明で済むため、対象地域に指定されると生産者側の負担が増えることになる。
欧州委当局者によれば、フランスは今回の緑茶の問題に関連して、静岡を対象地域に指定するよう欧州委に20日までに要請。欧州委は内部検討を始め、「静岡を指定地域に加えることを数週間内にもEU各国に提案する可能性がある」という。同当局者は「まだ何も決まっていない」とも強調した。(2011/06/21-06:42)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011062100073
海江田経済産業大臣は20日、オーストリアのウィーンで開幕したIAEA=国際原子力機関の閣僚級会合で演説し、この中で、東京電力福島第一原子力発電所の事故を徹底的に検証したうえで、安全確保を大前提に、原子力政策を引き続き進めていく考えを表明しました。
IAEA=国際原子力機関の閣僚級会合で、日本時間の午後5時半すぎから演説した海江田経済産業大臣は、冒頭、福島第一原発の事故に対する世界の支援に改めて感謝の意を表したうえで「今回の事故から徹底的に教訓をくみ取り、原子力に関係する人々が共有することが大変重要だ」と述べました。
そして海江田大臣は、事故の教訓として、▽大規模な自然災害や、すべての電源の喪失などの深刻な事故への備えのほか、▽国際的に情報を共有する体制の強化、それに、▽原子力安全の責任の所在の明確化などを挙げました。
そのうえで海江田大臣は「わが国は、事故の徹底的な検証を踏まえ、原子力発電の最高水準の安全性を確保するために抜本的な対策を講じ、安全確保を大前提として、今後の原子力政策の進め方を検討していく」と述べ、安全の確保を大前提に、引き続き原子力政策を進めていく考えを表明しました。
IAEAの天野事務局長は、閣僚会議のあと、NHKの取材に答え、「海江田経済産業大臣の演説には中身があってよかった。各国はいろいろな角度から発言しているので、学ぶところが多い。これから専門家会合が始まり、会議はいよいよ本格化する。きょうの終わりには閣僚宣言を採択したい」と話しました。
【ウィーン時事】国際原子力機関(IAEA)閣僚級会合が20日採択する声明案の要旨は次の通り。
1、IAEAの安全基準に基づく最高水準かつ最も強固な原発安全性の実現の重要性を強調する。
1、原発安全性の強化に向け、国際的な協力態勢の促進や取り組みの調整におけるIAEAの役割を強化する。
1、原発事故に際し、時宜にかない、事実に即した客観的な情報と評価の提供という公共の高い期待にIAEAが応える重要性を強調する。
1、福島第1原発事故の包括的かつ完全に透明な評価を日本とIAEAから受け取る必要性を強調する。
1、独立した国際専門家が各国の規制の枠組みや緊急対応態勢、原発の運転状況を定期的に評価する有用性を強調する。
1、原発を運転している国に対し、危険性と安全性の包括的評価を透明性をもって行うよう促す。
1、各国の原発規制当局の権限や能力を強化し、独立性を確保する。
1、緊急対応チーム創設や地域的、国際的レベルでの危機管理の訓練を通じた緊急対応態勢の改善の必要性を強調する。
1、原発事故の影響を受けた国が適切な補償を受けられる国際的な補償体制の必要性を認める。
1、事務局長に対し、原発の安全性に関する全ての側面を網羅した行動計画案を次回理事会と総会で示すよう求める。
(2011/06/20-14:29)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201106/2011062000410
フランス政府が、静岡の茶から欧州連合(EU)の基準の2倍にあたる1キロ当たり1038ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した問題で、静岡県は20日、輸出時に発行した証明書から、この茶葉は同県御前崎市の茶商工業者が製造した玄米茶だと発表した。ただ、業者は、茶葉の自主検査では基準(1キロ当たり500ベクレル)を下回っていたとしている。
同県経済産業部によると、この商品はフランスへの輸出用で、国内での流通は無いという。重量比で約45%を占める玄米は昨年以前に収穫したもので、残りが今年の一番茶。茶葉は、県内の複数の産地にある自社茶園で栽培したものを交ぜており、県外産はブレンドしていないという。
東京電力福島第1原発の復旧作業に従事した作業員を対象に東電が進めている被ばく線量検査を巡り、厚生労働省は20日、3月中に従事した約3700人のうち30人前後の下請け作業員の身元が特定できていないと発表した。東電が線量計の貸し出し台帳に記載された作業員名を協力企業に照会したところ「そのような社員はいない」との回答だったという。厚労省は「管理がずさんで遺憾だ」として同日、作業員を特定して検査するよう東電を指導した。【井上英介】
東日本大震災の被災地を支援するため、伊勢神宮(三重県伊勢市)が宗教法人「神社本庁」(東京都渋谷区)に送った御料米の一部が、福島県に届かず本庁職員らに配られていたことが19日、神社関係者への取材で分かった。
取材に対し、神社本庁総務部は「庁内で保管しており事実無根」と反論しているが、関係者は「配給された米を受け取らなかった職員もいた」などと証言した。
伊勢神宮などによると、同神宮は3月、敷地内で収穫した御料米5トンを神社本庁に送り、被災地に配るよう頼んだ。本庁は宮城、岩手、福島3県にある下部組織の神社庁に連絡し、宮城に2トン、岩手に1トンを送った。
関係者によると、福島県神社庁は、原発事故で住民が避難しているため配れないことなどを理由に、「送付をしばらく待ってほしい」と回答。このため、神社本庁は庁内で2トン分を保管していた。
しかし5月半ばになって、本庁は「配給」を決定。保管した米を運び出し、「神宮司庁」と書かれたラベルを剥がして約5キロ入りの袋に小分けした後、10~30キロずつ配った。職員らの中には持ち帰った人もいたが、受け取りを拒否したり、福島などに送り直したりした職員もいたという。
御料米は新嘗祭などで神に供えられる。配給する際、具体的な説明はなかったが、関係者は「職員らも大体(支援米であることは)分かっていた。『神職にある人間の組織なのにおかしい』と疑問の声も上がっている」と話した。
神社本庁は、戦後の神道解体に対抗するため、全国の神社が1946年に設立した自主組織。現在、全国約8万の神社を傘下に置いている。職員は約80人で、全員が神主の資格を持つ。(2011/06/20-02:32)
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011061900077
神社本庁総務部の話 職員に配ったというのは事実無根だ。米を宮城や岩手には送っているが、福島には送っていない。福島県神社庁から「米は後で送ってもらうかもしれない」と言われたので庁内に保管しているが、量は数えていない。米の保管について、伊勢神宮とは特に話をしていない。(2011/06/20-02:32)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011061900226
[東京 20日 ロイター] 菅直人首相の退陣時期をめぐり政治が再び迷走を始めた。党執行部は公債発行特例法案や第2次補正予算案の成立を「引き際」とする方向だが、決定打となるかどうかは懐疑的な見方もある。すでに野党側は不信任決議案というカードを使い切り、足元では首相自身の自発的な退陣しか道が残されていない。一方、9月以降に集中する重要政治日程をこなしていく過程で、逆に首相が態勢を立て直す可能性も一部で指摘される。
環境省は19日、福島県内の放射性物質に汚染されたがれきの処理に関する安全性検討会を開き、排ガス用のフィルターと吸着装置がある既存施設で焼却を認めるなどの処理方針を正式に決めた。焼却灰については、汚染濃度が低い場合は一般廃棄物の最終処分場での埋め立て処分を認め、濃度が高い場合は放射線を遮蔽(しゃへい)して一時保管する。同省は高濃度汚染の焼却灰なども同県内での最終処分を目指す方針だが、地元の反発などを考慮し、この日は決定を先送りした。
三重県健康危機管理室は19日、同県伊賀市内の3歳女児が腸管出血性大腸菌O(オー)157に感染し、溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発して同日死亡したと発表した。伊賀保健所が感染経路などを調査している。
自民党の石原伸晃幹事長は19日午前、NHKの討論番組で、菅直人首相の退陣を前提に「衆参両院がねじれている状態は次の衆院選で(民主、自民両党の)どちらが多数を取っても変わらない。パーシャル(部分)連合、復興に対する部分協力、その一歩先が閣外協力、その一歩先が大連立がある。そういうことを真(しん)摯(し)に考えていかないとにっちもさっちもいかないことが絶えず起こる」と述べた。
菅首相が退陣すれば、東日本大震災の復興を急ぐために、大連立を含む与野党の協力体制の構築に応じる可能性を強調したものだ。
また、石原氏は都内で記者団に対し、22日に会期末を迎える会期延長を容認する条件として「政治空白、政治混乱を招いているのは首相の言動、行動によるところが一番大きい」と述べ、首相が退陣時期を表明する必要があるとの考えを示した。
フランス政府は17日、日本から空輸された静岡県産の茶葉から基準値を超える放射性セシウムが検出されたと発表しました。
福島県伊達市や南相馬市などで、局地的に高い放射線量が測定される「ホットスポット」が現れた理由について、日本原子力研究開発機構の永井晴康グループリーダーは「風向きや降雨量など気象的条件と、山の存在など地形的条件が重なった」と指摘する。
福島第一原発から放射性物質の大量放出があった3月15日午後、北西方向に放射性物質の雲が広がっていたと見られ、「雲の通過と降雨が重なり、高線量の地域ができた」と話す。
微粒子の大気拡散に詳しい群馬大の早川由紀夫教授(火山学)は4月上旬、民間による測定や国の公表データをまとめ、同原発から半径約300キロ・メートルの汚染地図を作成した。茨城県南部から千葉県、埼玉県、東京都の一部にかけ、周囲より放射線量の高い帯状の地帯が現れた。
「一帯は海側から吹く風と、山から下りてくる風が関東平野上でぶつかり、雲を形成して雨を降らせる場所。都の水道水から放射性物質が検出されたのも、これで説明できる」と、早川教授はみる。
(2011年6月18日16時03分 読売新聞)
東電の工程表は4月に発表され、今回の改訂は、先月17日に続くもの。
この2か月で、高濃度汚染水の処理システムが本格稼働にこぎつけ、1か月後のステップ1完了に向けて前進したほか、使用済み核燃料一時貯蔵プールを安定的に冷やす循環冷却装置は2号機で前倒しで稼働できた。一方で、水素爆発を防ぐための格納容器への窒素注入が2、3号機で着手できていないなど、進捗(しんちょく)状況は工程ごとにばらつきがある。
工程表には、新たな課題として、作業員の放射線被曝(ひばく)管理と医療体制の強化が盛り込まれた。原発敷地内に診療所を新設するほか、内部被曝量の検査装置「ホールボディーカウンター」を10月までに10台増設する。
また、汚染水の処理に伴って、高濃度の放射性物質を含むスラッジ(汚泥)の発生も新たな問題となってきた。工程表では、来月以降の「ステップ2」に、スラッジが周辺環境に拡散しないように安定的に保管・管理することなどを記載した。また、敷地外への地下水汚染の拡散を防ぐため、地下の遮蔽壁の設置について具体的な検討を始める。
(2011年6月18日01時25分 読売新聞)
日本学術会議の金沢一郎会長(皇室医務主管)は17日、福島第1原発事故での放射線防護に関する考え方が「国民に十分理解されていない」と憂慮する談話を発表した。
談話は、政府が計画的避難区域の設定などで、積算放射線量の上限を年間20ミリシーベルトとしたことについて、国際的な考え方に従ったもので「最も厳しいレベル」としている。(2011/06/17-22:06)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201106/2011061700926
6億円強奪事件で新たに逮捕された3人は、それぞれ別の暴力団周辺者や自称組員で、犯人グループは複数の暴力団関係者の“混成団”だった可能性が高まっている。ただ、奪われた6億円の大半はいまだ見つかっていないなど、事件には多くの謎が残されたままだ。
立川署捜査本部によると、蓑田哲郎容疑者は指定暴力団住吉会系組の周辺者。亀治中博之、伊藤彩人の両容疑者はそれぞれ、山口系の別の組にいたと自称している。
関係するとみられる暴力団がバラバラの3人と、先に逮捕された実行犯とみられる渡辺豊容疑者らが、協力するようになった理由を解明できるか。今後、事件捜査の大きな焦点となりそうだ。
計画的避難区域外で、局地的に積算被ばく線量が年間20ミリシーベルトを超える場所(ホットスポット)が存在する問題で、政府の原子力災害対策本部は16日、こうした場所を「特定避難勧奨地点」(仮称)に指定し、住民への注意喚起や避難の促進を図る方針を決めた。
指定は住居単位。計画的避難区域と違い、居住を続けることも可能だ。枝野幸男官房長官は同日の会見で「特に妊婦さんやお子さんのいる世帯などには、避難をしていただけるよう自治体とも相談をしていく」と述べた。
すでに福島県南相馬市、伊達市の4地域で詳細な追加モニタリングを行っており、来週中にもこの地域の一部住居で指定が行われる見込み。
同本部によると、避難区域外の両市などで局地的にホットスポットが見つかっているが、その場所を離れれば線量は低いため、政府が一律に避難指示を出すほどの危険性はないとされる。
このため、同本部は、文部科学省によるモニタリング結果などから、対象となる地域を選定。自治体との協議を経て、住居単位で指定する。該当世帯には、市町村を通じてモニタリング結果や放射線の影響などを説明。避難を希望する場合には、仮設住宅など避難先をあっせんするほか、被災証明の発行にも応じる。
避難を希望しなければ、そのまま住み続けることも可能。指定後もモニタリングを定期的に実施し、必要がないと判断されれば、解除も柔軟に行う。(2011/06/16-19:20)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011061600601
【6月16日 AFP】国土地理院の小沢慎三郎(Shinzaburo Ozawa)主任研究官らの研究チームは、3月11日に発生したマグニチュード(M)9.0の東北地方太平洋沖地震では、太平洋海底の大断層(プレート境界)が大きくすべった範囲(震源域)が比較的狭かったとする分析結果を、15日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した。
地震は、太平洋プレートがオホーツクプレートにもぐりこむ日本海溝の一部で発生した。研究チームではGPS(衛星利用測位システム)による国土地理院の観測システムGeoNetのデータを解析し、震源域や地震発生の経緯について詳しい情報を得た。
東日本大震災の避難者約150人が生活する福島県田村市船引町の旧春山小避難所で鶏肉料理を食べた69人が食中毒を発症していたことが15日、県庁への取材で分かった。料理は県外の支援団体が提供したもので、県は食中毒の事実を発表しなかった。
県食品生活衛生課によると、4日午後5時ごろ、県外の支援団体が鶏肉の煮込み料理を避難者ら約120人に提供。約1時間半後、19~90歳の男女69人が腹痛や下痢などの食中毒症状を訴えた。このうち1人は通院したが症状は軽く、全員快方に向かっているという。発症者9人と料理の検体から食中毒を引き起こすウエルシュ菌が検出され、同課は提供された料理による集団食中毒と断定した。
県は避難所での炊き出しについて十分な加熱など食中毒の予防策を呼びかけているが、「お見舞いや支援で持ち込まれる料理に関しては提供者に自主的な予防をお願いするしかない」と話している。【種市房子】
毎日新聞 2011年6月15日 東京夕刊
菅直人首相は15日、国会内で開かれた集会で「国会には“菅の顔は見たくない”という人がたくさんいるが、ならばこの法案を早く通した方がいい」と述べ、早期退陣を求める与野党議員を挑発した。
発言があったのは「再生可能エネルギー促進法」の制定を求める超党派議員らの集会。国会議員のほか、ソフトバンクの孫正義社長ら約350人が参加。首相は高揚した様子で早口で約20分間あいさつ。法案成立に強い意欲を表明した上で「この法律を通さないと政治家の責任を果たすことにならない」と強調した。
孫社長から「土俵際ですごく粘っている」と称賛され、会場を離れる際「辞めないで」の声が上がると、首相はピースサインで応える上機嫌ぶり。しかし、一部の議員はいぶかしげに首相をみつめていた。
そんな中、21日以降に開催される予定の民主党両院議員総会をめぐり、首相を出席させない“奇策”が浮上した。執行部は両院総会を開いて党内がさらに混乱することを懸念しており、民主党関係者は「混乱を避けたい岡田氏が首相に何らかの予定を入れるなどして総会を欠席させることも考えられる」と“菅隠し”の可能性を指摘。「総会を開かなければ党内の不満は強まるし、首相との“押し問答状態”に頭を悩ませる執行部の苦肉の策だ」とした。
2011年6月16日 06:00
東日本大震災の巨大地震では、過去数百年にわたってプレート(岩板)境界に蓄積されたひずみエネルギーが放出されたことを、国土地理院の研究チームがGPS(衛星利用測位システム)による地殻変動データの解析で示し、16日付の英科学誌「ネイチャー」に発表した。
研究チームは、マグニチュード(M)9.0の本震とその後の余震による地面の変動を、GPSの観測データをもとに解析。その結果、本震でプレート境界が大きくすべった範囲(震源域)は、日本海溝寄りの領域を中心に南北400キロに及び、すべり量は最大で27メートルだった。
東北地方の太平洋沖では、太平洋プレートが北米プレートの下に年間7.3~7.8センチの割合で沈み込んでいる。この領域では数十年から100年程度の周期でM7~8クラスの地震が発生するが、これらを足し合わせても沈み込みで蓄積されるエネルギーの10~20%しか放出されないことが知られていた。
研究チームの今給黎(いまきいれ)哲郎・地理地殻活動総括研究官は「残りの80~90%は、プレート境界が常時すべることで解放されているという考えが、大震災前は主流だった。実際には日本海溝寄りにエネルギーをため込む領域が存在し、今回の大震災では数百年分が一気に解放された」と説明。また、海底のGPS観測網を充実させれば、他の海溝系でも巨大地震の発生可能性などの評価に役立つとしている。
郡山市で12万部を発行するタウン情報紙「ザ・ウィークリー」(5月7日号)が、放射線で「頭もよくなった」などと被ばくの“効能”を強調する記事を、実在の大学教授からの寄稿と偽って掲載したことが分かった。名前を使われた長崎大特任教授の宮里達郎氏(69)は「寄稿した事実はない。私が被爆者であることや肩書が勝手に使用されたのではないか」と話し、法的措置を検討している。
製茶から国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題で、静岡県の川勝知事は14日の記者会見で、「報道が風評被害をあおっている」とNHKを名指しで厳しく批判した。
川勝知事は「風評被害の最たるものは、一部のここにいる人たちです。9日の9時台の全国ニュースは、『静岡県で暫定規制値を上回るものが出た』。なんというふらちなことだ。一局所を全体であるかのごとく報道する、本当に道義的に問われるべきだ」と激しい口調で批判した。
さらに、「公器であることをわきまえなさい。1面トップや、NHKを見た人が、見出しと報道で、静岡茶は全部やられたと思っています。一部をもって、全体にした反省をしていただきたい。責任重大ですよ、君たち」と批判を続けた。
NHK名古屋放送局広報部は、取材に対し、「報道した内容は事実です。知事の発言についてコメントすることはありません」と話した。
(2011年6月15日08時58分 読売新聞)
JR東日本は14日、子会社で商業ビルを運営するルミネ(東京都渋谷区)の社長を、JR東日本の新井良亮副社長(64)が兼務する人事を発表した。6月24日付。谷哲二郎社長(61)が5月に死亡したことで、社長不在の状態が続いているため。谷社長は自殺とみられている。
新井 良亮氏(あらい・よしあき)中央大卒。66年旧国鉄。JR東日本常務取締役などを経て、09年6月から副社長。栃木県出身。
日本経済研究センターは14日、東日本大震災の影響を織り込んだ2020年度までの中期経済予測をまとめた。定期検査に入った全国の原子力発電所が再稼働しなかった場合、工場の稼働率低下などで年間7.2兆円の経済損失が発生すると試算した。火力発電などによる代替では夏のピーク時の電力不足は解消できないとみている。
予測では、民間設備と労働力を平均的に使って生み出せる潜在国内総生産(GDP)の減少を経済損失ととらえた。
電力不足で生産や輸出が伸び悩む一方で、火力発電へのシフトや資源高で化石燃料の輸入コストが急増すると判断。貿易収支は11年度から赤字に転落し、海外からの利子や配当の受け取りを含めた経常収支も17年度には赤字に転じると予測している。
原子力発電から火力発電へのシフトで、二酸化炭素(CO2)の排出量は20年度には1990年度比で14%増えると試算した。
福島県が今月1日から行った放射線量の調査で、全体のおよそ22%に当たる372の小中学校や高校などで、1時間当たり1マイクロシーベルト以上の放射線が検出されたことが分かりました。各自治体では、校庭などの表面の土を取り除く作業を急ぐことにしています。
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、文部科学省は、1時間当たり1マイクロシーベルトの放射線量が検出された場合は、校庭などの表面の土を取り除く費用のほぼ全額を負担して各自治体に対応に当たってもらうことにしています。
これを受けて、福島県は今月1日から原発から半径20キロ圏内の警戒区域や計画的避難区域を除くすべての小中学校や高校、それに保育園など1700か所余りで測定を行いました。その結果、全体の22%にあたる372か所で1時間当たり1マイクロシーベルト以上が測定されたということです。
放射線量が高かったのはいずれも福島市で、大波小学校の3.1マイクロシーベルト、渡利中学校と南向台小学校の2.8マイクロシーベルト、それに東浜保育所の2.6マイクロシーベルトでした。各自治体の中には、すでに校庭の表面の土を取り除く対応を行ったところもあり、まだの所についても作業を急ぐことにしています。
中部電力浜岡原発の全面運転停止から14日で1カ月。停止の判断、安定供給に向けた休止火力の立ち上げ、資金面での手当てと、中電には重い経営課題が次々と突きつけられている。28日に迫った株主総会でも、浜岡原発の再開をめぐる議論が大きな焦点となるのは確実だ。
「公的事業を営む私どもにとって、今回の要請は事実上、命令と同義。株主の皆さんには(浜岡原発が停止する)2~3年は無理をお願いするが、再開の確約を得ており、長期的には安心を得て利益につながるとご理解いただきたい」。中電の水野明久社長は先月23日の記者会見で、株主に向けたメッセージを披露した。
電力株は安定性や配当を重視する投資家から、長期保有の対象として人気を集めてきた。しかし3月の東日本大震災と福島第1原発事故で状況は一変。原発を保有する潜在的リスクが表面化した。
これは私たちが入手した原発危機をめぐるある内部文書です。文書のあて先は菅直人総理。文書を作ったのは元内閣官房参与だった小佐古敏荘氏。小佐古氏は今年4月、自ら参与を辞任しました。文書はこのとき書かれたもので、初動ミスから住民が余分な被ばくを受けたなどと指摘しています。
一部地域で放射線量が高いとされる福島県伊達市。伊達市は当初定められた避難地域から外れ、計画的避難区域にも入っていません。しかし、それでも線量が高い地域があります。
電気事業連合会が13日発表した電力10社の5月の発受電電力量(速報)によると、5月の原子力発電所の稼働率を示す原子力設備利用率(日本原子力発電含む)は40・9%と落ち込んだ。
スリーマイル島(米ペンシルベニア州)での原発事故を踏まえ、国内で原発が安全点検のため一時停止した1979年5月(34・2%)以来の低水準となった。菅首相の要請で、中部電力が浜岡原発の4、5号機を停止したほか、各地で、停止中の原発の再稼働が延期されていることが要因だ。
(2011年6月13日14時58分 読売新聞)
東京電力福島第一原子力発電所周辺の環境調査で、12日、2号機の取水口付近で採取した海水の放射性ヨウ素の濃度は、国の基準の17倍と前の日の130倍から大幅に低下しました。
東京電力によりますと、福島第一原発の2号機の取水口付近で12日、採取した海水から▽放射性のヨウ素131が1cc当たり0.66ベクレル検出されました。
これは国の基準の17倍に当たる濃度で、11日の130倍から大幅に低下しました。
また、▽放射性のセシウム134は基準の6.7倍、▽セシウム137は基準の4.9倍で、いずれも調査を始めてから最も低くなりました。
ここは4月に、作業用の縦穴から高濃度の汚染水が流れ込んでいるのが見つかり、基準の750万倍のヨウ素131が検出された場所です。
また、5月に同じように汚染水が流れ出た3号機の取水口付近の海水の放射性物質の濃度も▽セシウム134が基準の22倍、▽セシウム137が基準の16倍と、いずれも前の日を下回りました。
一方、福島第一原発の沿岸と沖合の合わせて10か所で行った海水の調査では、5号機と6号機の放水口の北側およそ30メートル付近で、基準ちょうどの放射性セシウムが検出されましたが、ほかの9か所はいずれも基準以下でした。
東京電力は「海中の放射性物質の濃度は、全体として低下傾向で安定していて、新たな漏れはないと判断している。引き続き注意深く監視したい」としています。
東日本大震災により大きく地盤沈下した東北、関東地方の太平洋側で、宮城県以南では地震後から隆起が始まったことが国土地理院の分析でわかった。
岩手県以北は沈降が続いており、「なぜ隆起と沈降で分かれるのかは不明」としている。
今回の地震では、陸のプレート(岩板)が大きく跳ね上がった反動で、東北地方の太平洋側を中心に地盤が大きく沈降。GPS(全地球測位システム)の観測では、宮城県・牡鹿半島が1・2メートル沈み、海抜0メートル以下が56平方キロに拡大した。
だが、3月12日~5月21日にかけて、牡鹿半島で8・1センチ上昇した。ただ、隆起のペースは急速に落ちており、このままでは元には戻らないという。
(2011年6月13日21時37分 読売新聞)
不正取得した携帯電話の返却を求めた販売店経営者らを暴行し負傷させたなどとして、警視庁組織犯罪対策2課は傷害の疑いで、住所不定、無職の周世偉容疑者(38)ら中国籍の男5人を逮捕した。周容疑者ら2人は容疑を否認、他の3人は認めているという。
逮捕容疑は昨年10月27日午後7時25分ごろ、東京都板橋区東坂下の路上で、中国籍の携帯電話販売店経営者の男性(43)=京都市伏見区=ら6人が乗ったワンボックスカーを襲撃、男性ら3人に重軽傷を負わせたなどとしている。
同課によると、周容疑者らは同月中旬、京都府内の販売店で携帯電話10台を偽名で契約。不正に気付き返却を求めた経営者らを都内に呼び出し襲撃した。
民主党は13日の役員会で、2日の衆院本会議で行われた内閣不信任決議案の採決を欠席した党所属衆院議員15人のうち、小沢一郎元代表を含む8人を党員資格停止3カ月間の処分とする方針を決めた。このほか、当選1回の5人は厳重注意にとどめ、欠席理由として医師の診断書を提出した2人は不問とした。小沢氏は政治資金規正法違反事件で強制起訴されたことを理由に、裁判の判決確定まで党員資格停止処分を受けており、事実上新たな処分を見送る。
党員資格停止となるのは小沢元代表のほか、田中真紀子元外相ら当選2回以上の5人と、当選1回で11年度予算の衆院採決を欠席し、既に厳重注意を受けていた3人。14日の常任幹事会で正式決定する。民主党執行部は採決直後の役員会で、15人全員を党員資格停止12カ月とすることを提案。しかし「党内融和のため、重い処分をすべきでない」との党内の意見に配慮し、軽減した。【野口武則】
◇欠席者15人の処分(敬称略) <党員資格停止3カ月>小沢一郎、田中真紀子、内山晃、岡島一正、太田和美、笠原多見子、川島智太郎、三輪信昭
<厳重注意>石原洋三郎、金子健一、木内孝胤、黒田雄、瑞慶覧長敏
<処分なし>古賀敬章、三宅雪子
毎日新聞 2011年6月13日 20時39分
現在も厳しい作業が続いている福島第一原子力発電所で働く作業員が、NNNのインタビューに対し、過酷な作業現場の詳細を語った。東日本大震災の発生から3か月が経過し、原発内では、夏を前に新たな課題に直面していた。
NNNは、福島第一原発で約2か月にわたって作業をしている男性にインタビューを行った。敷地内の放射線量について、男性は「3号機の周りは高いですね。中が高い。あとは、(放射性物質を含む)汚染水が通っている所も高い」と話した。3号機周辺は水素爆発で放射性物質が付着した大量のがれきが散乱したため、放射線量が高いとみられている。
男性によると、3号機と4号機では建屋の破壊が現在も進んでいる。3号機は、1号機が爆発した2日後の3月14日に水素爆発を起こし、4号機は翌15日に水素爆発を起こしている。男性は「来るたび来るたび、『またひどくなった』という感じ。たまに音がする、『ゴーン』と。爆発音みたいなものが聞こえる」と話している。
「東京電力」はこれ以上の倒壊を防ぐため、燃料プールの下を鉄骨で支える補強工事を行っているが、思うように進んでいない。
東日本大震災で全校児童の約7割にあたる74人が死亡・行方不明になった宮城県石巻市立大川小学校で、地震発生から児童らが津波にのまれるまでの詳細な状況が13日、市教委や助かった児童の保護者らへの取材で明らかになった。
学校側が、具体的な避難場所を決めていなかったことや、教諭らの危機意識の薄さから避難が遅れ、さらに避難先の判断も誤るなど、様々な〈ミスの連鎖〉が悲劇を招いた。
東日本大震災で被災した岩手、宮城両県の漁港周辺の避難所が、ハエの大量発生に悩まされている。津波で散乱した魚類などが原因で、専門家は感染症の広がりなどを心配する。
約40人が避難する岩手県陸前高田市気仙町の漁村センター。調理場の女性は、ハエを手で払いのけながら夕食を用意する。つり下げられた4本のハエ取り紙には、50匹ほどが絡め捕られていた。
「ハエが食材に付かないように、一人は追い払う係なの。大きいのは小指の先ぐらい」。佐藤妙子さん(71)は、顔の辺りを飛び回るハエをのけぞってよけながら苦笑した。
東京電力は12日、福島第1原発の取水口付近の海水から、最高で法令の濃度限度の240倍の放射性ストロンチウムを検出したと発表した。1、2号機付近の地下水からも検出され、いずれも今回の事故の影響と考えられるとしている。
経済産業省原子力安全・保安院によると、ストロンチウムは第1原発の放水口付近や沖合などで、濃度限度以下が検出されたことはあったが、地下水からは初めて。
東電によると、検出されたのは1~4号機の取水口付近と、放射性物質の拡散防止のため2、3号機の取水口近くに設置した「シルトフェンス」内側の計3カ所で、5月16日に採取した海水。
2011/06/12 21:37 【共同通信】
【ベルリン時事】ドイツ北部を中心に腸管出血性大腸菌O(オー)104の感染が拡大している問題で、同国保健当局は11日、ニーダーザクセン州の農場で生産されたモヤシなどの新芽野菜を感染源と特定した。同当局はこの農場を閉鎖した。
欧州連合(EU)欧州委員会のダリ委員(保健・消費者保護担当)は「今回の危機を教訓として警戒態勢を強化する」との声明を発表した。(2011/06/12-01:15)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011061200005
東京電力福島第一原子力発電所周辺の環境調査で、10日に2号機の取水口付近で採取した海水の放射性ヨウ素の濃度は、国の基準の140倍と、前の日に続いて上昇しました。
東京電力は「新たな汚染水の流出はなく、放射性物質の濃度は変動の範囲内と考えている」としています。
東京電力によりますと、福島第一原発の2号機の取水口付近で10日に採取した海水から、放射性のヨウ素131が1cc当たり5.6ベクレル検出されました。
これは国の基準の140倍に当たる濃度で、前の日の値の3倍余りと、2日続けて上昇しました。
ここは、ことし4月に作業用の縦穴から高濃度の汚染水が流れ込んでいるのが見つかり、基準の750万倍のヨウ素131が検出された場所です。
また、先月汚染水が流れ出た3号機の取水口付近の海水の放射性物質の濃度は、▽セシウム134が基準の42倍、▽セシウム137が基準の30倍と、いずれも前の日をやや上回りました。
一方、福島第一原発の沿岸と沖合11か所で行った海水の調査では、5号機と6号機の放水口付近など合わせて3か所で放射性セシウムを検出しましたが、いずれも基準以下でした。
東京電力は「新たな汚染水の流出はなく、放射性物質の濃度は変動の範囲内と考えている。引き続き注意深く監視したい」としています。
東電福島第一原発ニュース via kwout
東日本大震災は11日で発生から3カ月となった。地震が起きた午後2時46分には、各地で犠牲者に黙とうがささげられた。遺族や被災地の住民らは悲しみを新たにしつつ、復興を誓った。
警察庁によると、11日現在の死者は1万5413人、行方不明者は8069人。依然9万人近くが避難所生活を余儀なくされている。(2011/06/11-19:05)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011061100288
千葉県水道局は9日、ちば野菊の里浄水場(松戸市)など県内5浄水場で今月1日に採取した汚泥から最大で1キログラム当たり5210ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。5月中旬に続き2回目の検出。汚泥に関する国の基準は示されていないが、引き続きリサイクル業者などへの搬出を中止する方針。
水道水からは4月16日以降、放射性物質は検出されておらず、同局は「安心して飲用できる」としている。
東京(CNN) 福島第一原子力発電所の事故による放射線量が高い「ホットスポット」のリストに新たに福島県内の4カ所が追加された。日本政府当局が10日、明らかにした。
4カ所のうち3カ所は福島県伊達市霊山町内にあり、日本政府のデータではこの3カ所の年間累積放射線量は推定で年間20.1~20.8ミリシーベルトだという(先進国に住む一般人の年間被ばく線量は約3ミリシーベルト)。霊山町は、福島第一原発から50キロ離れており、約180世帯が暮らしている。
残りの1カ所は福島県南相馬市原町内にある。南相馬市は福島第一原発から33キロ離れており、政府が定めた半径30キロ以内という避難対象地域の圏外にある。