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2012/09/20

谷氏が英国人ニール・ヘイウッド氏を殺害した翌日、王被告は谷氏と会った。王被告は谷氏が殺害を認めた際の会話をひそかに録音した

中国、薄氏への厳罰示唆-妻の殺人疑惑伝えた腹心を平手打ちと新華社報道

2012年 9月 20日  12:18 JST
 【北京】中国当局は、重慶市共産党委員会のトップだった薄熙来氏が今年1月、腹心の王立軍・同市公安局長(当時。現在裁判中)から、薄氏の妻に英国人実業家殺害の嫌疑があると告げられた際、激怒して王氏の顔を平手打ちするなど強く反駁(ばく)していたことを初めて明らかにした。

 薄、王両氏間のこうした激しいやり取りは中国国営の新華社通信が19日報じた。これは、薄氏が恐らく刑事告発など厳しい処罰を受ける可能性があることを示唆したものだ。党指導部は、10年に一度の共産党指導部交代を間近に控えて薄氏とその妻をめぐるスキャンダルを早期に収拾しようとしている。


   新華社は、王氏が2月6日に四川省成都の米総領事館に駆け込み、過去数十年間で最悪の政治スキャンダルのきっかけとなった事件の背景と理由に関する長文の公式説明を初めて掲載した。
 
 この報道によると、王氏は当初、英国人ニール・ヘイウッド氏殺害事件を隠蔽(いんぺい)しようとした。しかし、1月28日に殺害の主犯は薄氏の妻、谷開来氏(その後殺人罪などで有罪となり、現在服役中)だと「重慶市共産党委員会の当時のトップ」に報告した。 

 「1月29日朝、このトップは怒って王立軍に反駁し、顔に平手打ちを食らわせた」と「証人たちの証言」を引用して伝えた。新華社は薄氏の名前を出していないが、薄氏は当時、重慶市共産党委員会のトップの座にあった。 

 薄、王両氏の確執に関する新華社の説明は、外交筋が明かした王氏の米総領事館での供述内容と符合する。ただし新華社は、王氏が政治亡命申請書類に記入したと報じているが、米政府当局は否定している。 

 新華社の説明は、薄氏が妻に関する警察捜査に介入しようとしたことを中国当局が事実上示唆したことを意味する。それは薄氏自身が刑事告発される可能性があることを示唆している、と法律専門家は述べている。 

 それは同時に、共産党指導部が薄氏に厳しい処罰を科す方向に傾いている可能性を示す新たな徴候だ。薄氏はかつて、今年予定されている指導部交代で、最高意思決定機関である党政治局常務委員会の常務委員に昇格する最有力候補の一人とみられていた。 

 もう1つ注目される点は、18日に結審した王立軍被告の公判中、先月の谷被告有罪判決に主要な役割を果たしたとして王被告の処分を寛大にすべきだと検察側が述べたことだ。谷被告は執行猶予付きの死刑を言い渡された。これは後日、終身刑に減刑されるのが通例だ。 

 王被告の公判の行われた成都の裁判所が出した声明によれば、王被告は、亡命を図った罪や収賄、職権乱用、「自己の目的のための法歪曲」という4つの罪に反論しなかったという。 

 一方、薄氏は4月に党ポストを剥奪され、「重大な規律違反」で捜査対象とされたが、中国当局は同氏も刑事告発するかどうかまだ発表していない。 

 このように、薄氏をめぐるスキャンダルの議論が継続しており、それが共産党がまだ第18回党大会の日取りを公表していない一因と考えられている。胡錦濤国家主席など現指導部は同大会を機に退任する予定だ。 

 新華社報道はまた、薄氏の腹心で大富豪の徐明(Xu Ming)氏にも新たな情報を提供している。徐氏は建材大手、大連実徳集団(Dalian Shide Group)の会長だ。 

 徐氏は3月、薄氏が重慶市のトップを解任された直後に拘束され、それ以降消息不明だ。

 新華社によると、徐氏は2009年4月、王氏の親族のために北京で2つのマンションを285万人民元(現在のレートで約3500万円)で購入した。その年の7月、王氏がトップを務めていた重慶の警察当局は、徐氏の依頼に基づき、3人の人物を釈放したという。新華社は、徐氏が贈賄罪で告発されるかどうかは言及していない。

 大連実徳集団はコメントを拒否した。徐氏のコメントも得られていない。

記者: Brian Spegele、Jeremy Page  
http://jp.wsj.com/World/China/node_515418



中国、薄熙来氏の犯罪行為の可能性に初めて言及

2012年 09月 20日 06:24 JST 
[北京 19日 ロイター] 中国は19日、重慶市トップを解任された薄熙来氏について、名指しは避けながらも、同氏が犯罪行為を行っていた可能性に初めて公に言及した。

薄氏の元側近で、国家を裏切り亡命を図った罪や収賄罪などに問われた同市元副市長、王立軍被告の公判のもようを国営通信の新華社が伝えた。薄氏が妻・谷開来氏の英国人殺害を隠ぺいしようとしたことを示唆する王被告の証言を報じている。

報道によると、王被告は「重慶市の共産党委員会の最高責任者を当時務めていた人物」に対し、谷氏が英国人を殺害した疑いがあるとの旨を伝えた。その際、王被告は「激しく非難され、耳を殴られた」という。

この人物が薄氏を指していることは明らかで、薄氏が犯罪の隠ぺいや汚職などの罪で刑事責任を追及される公算が大きくなってきた。薄氏はこれまで、共産党の規律に違反したことしか問われていない。

また新華社によると、谷氏が英国人ニール・ヘイウッド氏を殺害した翌日に王被告は谷氏と会った。王被告は、谷氏が殺害を認めた際の会話をひそかに録音したが、当時は谷氏と良好な関係を保っていたため、行動しなかったとしている。

その後、双方の関係が冷え込み、身の危険を感じるようになって、米総領事館に逃げ込んだという。

「王被告は総領事館で、谷氏の件で身の危険を感じたため避難したことを説明し、米国に政治亡命の申請も行った」としている。





薄氏、妻による英国人殺害の事実把握か-側近が報告と新華社

 9月20日(ブルームバーグ):中国国営の新華社通信は19日、英国人実業家ニール・ヘイウッド氏が殺害された事件を時系列で説明する記事を配信した。記事は、殺害の事実隠しを詳述しているほか、重慶市の共産党委員会書記だった薄熙来氏と見られる人物の役割にも初めて言及した。

記事は、薄氏の元側近である重慶市の元副市長兼公安局長、王立軍被告が、薄氏の妻、谷開来受刑者によるヘイウッド氏殺害の隠蔽(いんぺい)をほう助した事実を認めたことに触れている。

1月29日の出来事に関する説明によると、王被告がその日、重慶市を担当する「主要人物」に対し、谷受刑者が殺害に関与した疑いを報告したところ、この人物が激高して王被告を平手打ちしたという。新華社の記事では薄氏の名前は伝えていない。

マイアミ大学の中国専門家、ジューン・ドライヤー教授(政治学)は電話取材に対し、「今後の薄氏の起訴につながり得る手掛かりだ」と指摘した。

記事はまた、谷受刑者と王被告の供述を基に、昨年11月14日(ヘイウッド氏殺害の翌日)の重慶での両者の会話を詳細に伝えている。谷受刑者は、「王氏に会ったとき私は彼に、ヘイウッド氏と会っていた13日夜に何が起きたか、どのように毒殺したかを話した」と語ったという。「王氏は私に、この出来事について考えないようにと言った。これから先、この件は私とは無関係だと王氏は言い、私に全ての記憶を消し去るようにと言った。私が心配だと伝えたら、王氏は1-2週間後には状況は改善するだろうと答えた」という。

重慶市トップを解任された薄氏はこれまでのところ、共産党の規律に違反したとされているのみ。今年3月以降は公の場に姿を現していない。

原題:Bo Xilai in Spotlight as China Publishes Heywood MurderAccount(抜粋)
更新日時: 2012/09/20 14:56 JST