「決裂したら日本が見出しになる」COP16議事録要旨
2010.12.10 01:30
国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で6日に行われた日本と英国、ブラジルの交渉では京都議定書の延長をめぐる応酬で終始した。議事録要旨は以下の通り。
日本「延長を拒否した初日(11月29日)の声明が皆を驚かせたかもしれないが、交渉を阻止することを意図したものではない」
英国「日本は(京都議定書ともう1つの枠組みが並立する)2トラックの下で、議定書延長の可能性を示唆する文言について前向きになれるか」
日本「米国や中国のような主要排出国が入るなら延長を受け入れる用意はある。しかし、こうしたことが(議定書期限の)2012年までに起こるとは思えない」
ブラジル「延長に合意しないことは議定書の目的への挑戦だ」
英国「途上国グループから譲歩を引き出すためには、議定書延長について前向きな表現が必要だ。受け入れられないのか」
日本「賛成できない」
英国「京都議定書を延長するとともにもう1つの議定書をつくり、将来1つに統合するという策もある」
日本「米国は当面、法的枠組みに入ることはできない。京都議定書の締約国は議定書で拘束され、米中は何も拘束されないことになる。それはまったく受け入れられない」
英国「今週をどう切り抜けるかが問題で、(最終日の)金曜の段階で決裂したら世界中の人々を暗黒に突き落とすことになる」
日本「今週をしのぐために今後10年間の問題をなおざりにはできない。誰も議定書の問題で他の重要な問題が人質になることを望んでいない。しかし、他の主要排出国が入る枠組みが法的拘束力を持つか否か曖昧な状況は、われわれにとってフェアでないばかりか、地球温暖化問題に対処する上で効果的でない」
英国「何か解決方法を見つけるべきだ。これで会議が終わったら人々が日本について何を言うかは明らか。交渉が決裂したら日本が新聞のヘッドライン(見出し)になる。われわれは日本を助けようとしているのだ」
日本「日本のレッドライン(最後の一線)は明らかだ。いかに批判されようとも日本全体として受け入れられる限界がある。誰もレッドラインまで追い詰めず、現実的な解決策を見いだすべきだ」
英国「また協議したい」