組長射殺 逃走続けた最後の容疑者逮捕
6月5日 22時4分
16年前、神戸市内のホテルの喫茶店で暴力団、山口組のナンバー2だった宅見勝組長が射殺され、居合わせた一般人の男性が巻き添えになって死亡した事件で、兵庫県警察本部は、現場の指揮役とみられ、最後まで逃亡を続けていた元暴力団員1人を潜伏先の埼玉県内で見つけ、殺人などの疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、すでに解散した暴力団・中野会の元組員で、埼玉県狭山市に住む財津晴敏容疑者(56)です。
この事件は平成9年8月、神戸市内のホテルの喫茶店で、指定暴力団・山口組のナンバー2だった宅見勝組長(当時61)が、拳銃で撃たれて殺害され、居合わせた歯科医の男性も巻き添えになって死亡したものです。
警察はこれまでに実行犯3人を含む中野会の関係者18人を逮捕するとともに、現場の指揮役とみられる財津容疑者を殺人と銃刀法違反の疑いで全国に指名手配して行方を追っていました。
その結果、財津容疑者が埼玉県狭山市のアパートに潜伏しているという情報を得て捜査員が張り込んでいたところ、5日午後2時前、財津容疑者がアパートから出てきたのを見つけて同行を求め、狭山警察署で逮捕しました。
警察の調べに対し財津容疑者は、「殺害の見届け役として現場に行っていた。間違いありません」と、容疑を認めているということです。
警察は財津容疑者の身柄を兵庫県に移して、事件での役割や逃亡中の行動などについて詳しく調べることにしています。
事件と経緯。
事件が起きたのは、平成9年8月、今から16年前のことでした。
指定暴力団、山口組のナンバー2だった宅見勝組長が、神戸市中央区のホテルの喫茶店で4人組の男に襲撃され、拳銃で撃たれて死亡しました。
隣のテーブルにたまたま居合わせた歯科医の男性も、流れ弾に当たって死亡しました。
白昼のホテルで拳銃を乱射し、無関係の一般市民を巻き込んだ犯行は、社会に大きな衝撃を与えました。
兵庫県警察本部は、山口組内部の抗争が事件の背景とみて捜査を進め、実行犯などを特定し、全国に指名手配しました。
そして、これまでに18人を殺人や殺人予備などの疑いで逮捕しました。
平成18年6月には、実行犯のうち唯一逮捕されていなかった元暴力団員が、神戸市東灘区の倉庫で衰弱して死亡しているのが見つかりました。
事件から16年。
現場の指揮役とみられる財津容疑者は、指名手配された容疑者の中で行方がつかめていない最後の1人となっていました。