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2012/03/09

甲状腺被曝、50m㏜超えが5人、最大87m㏜ 福島県

甲状腺被ばく最大87ミリシーベルト=福島で65人調査-弘前大
 東京電力福島第1原発事故の1カ月後、福島県の0歳から80代の住民65人の甲状腺を調べたところ、50人から放射性ヨウ素が検出されたと、弘前大(青森県弘前市)の調査チームが9日、発表した。最大値は同県浪江町の成人で、87ミリシーベルトだった。

 調査は昨年4月11~16日、浪江町の住民17人と、原発のある沿岸部から福島市内に避難した48人を対象に実施。事故翌日の3月12日にヨウ素を吸入したと仮定し、半減期を考慮して4月の実測値を補正、推計した。(2012/03/09-18:52)

 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012030900921



東日本大震災:福島第1原発事故 福島・65人中、甲状腺50ミリシーベルト超5人
 国の推定上回る--弘前大被ばく調査
 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素の甲状腺被ばくを調べていた弘前大被ばく医療総合研究所(青森県弘前市)の床次眞司(とこなみしんじ)教授は9日、調査した住民65人のうち50人から放射性ヨウ素を検出し、うち5人が国際基準の50ミリシーベルトを超えていたことを明らかにした。最高値は福島県浪江町在住の87ミリシーベルトで、10ミリシーベルト以上も26人いた。【松山彦蔵】

 床次教授らは昨年4月11日から6日間、浪江町津島地区にとどまっている17人と、同県沿岸部から福島市に避難した48人の計65人(0歳~80代)ののどに検出器を当ててヨウ素131の濃度を計測。事故直後にヨウ素を吸い込んだと仮定して甲状腺の内部被ばく線量を積算した。

 その結果、津島地区の3人と、2週間ほど浪江町にとどまった後で福島市に避難した2人が、国際原子力機関(IAEA)の定めた甲状腺がんを防ぐヨウ素剤服用基準の50ミリシーベルトを超えた。子供(15歳以下)の最高値は47ミリシーベルトだった。

 国は昨年3月、同県いわき市などで子供1080人を同様に調査し、最高で30ミリシーベルト台と推定。床次教授らの調査結果はこれを上回る。床次教授は「浪江町にいた方に高い被ばく線量が計測され、事故の実態の一部が分かった。県や国は健康支援のための追跡調査などに今後しっかりと取り組む必要がある」と指摘。調査結果を総務省に提出し、住民にも説明する。

毎日新聞 2012年3月10日 東京朝刊





2012年3月9日8時59分
甲状腺被曝、最高87ミリシーベルト 50ミリ超も5人
 東京電力福島第一原発事故で、放射性ヨウ素によって甲状腺に90ミリシーベルト近い被曝(ひばく)をしていた人がいることが分かった。弘前大学被ばく医療総合研究所の床次眞司(とこなみ・しんじ)教授らが、事故の約1カ月後に行った住民65人の測定結果を分析した。被曝した人の約半数が10ミリシーベルト以下だったが、5人が50ミリシーベルトを超えていた。

 甲状腺被曝はがんのリスクがあるが、ヨウ素は半減期が短く、事故直後の混乱などで、きちんとした計測はされておらず、詳しい実態は分かっていなかった。

 床次さんらは昨年4月11~16日、原発のある福島県浜通り地区から福島市に避難してきた48人と、原発から30キロ圏周辺の浪江町津島地区に残っていた住民17人を対象に、甲状腺内の放射性ヨウ素の濃度を調べた。この結果、8割近い50人からヨウ素が検出された。

 この実測値から、甲状腺の内部被曝線量を計算した。事故直後の3月12日にヨウ素を吸い込み、被曝したという条件で計算すると、34人は20ミリシーベルト以下で、5人が、健康影響の予防策をとる国際的な目安の50ミリシーベルトを超えていた。

 最高は87ミリシーベルトで、事故後、浪江町に残っていた成人だった。2番目に高かったのは77ミリシーベルトの成人で、福島市への避難前に同町津島地区に2週間以上滞在していた。子どもの最高は47ミリシーベルト。詳しい行動は不明だ。

 国が昨年3月下旬、いわき市、川俣町、飯舘村の子ども1080人に行った測定では、35ミリシーベルトが最高値と公表されていた。




最大87ミリシーベルトの甲状腺被ばく 福島の65人
弘前大調べ 2012/3/10 18:49
 弘前大被ばく医療総合研究所の床次真司教授のグループが、福島県の65人を対象に、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素による住民被曝(ひばく)状況を調査した結果、甲状腺に最大87ミリシーベルトの被曝をした人がいることが分かった。一方で24人は10ミリシーベルト以下。地域によって放射性ヨウ素の濃度が異なり、避難経路などによって被曝量に差が出たと考えられるという。

 調査は昨年4月11~16日、同県浜通り地区から福島市に避難した48人と、原発から30キロ圏周辺の浪江町津島地区にとどまっていた17人が対象。

 甲状腺内の放射性ヨウ素濃度を調べ、逆算して原発事故翌日の3月12日時点の被曝量を算出した。50人からヨウ素を検出し、15人は不検出だった。国際原子力機関(IAEA)が甲状腺被曝を防ぐため安定ヨウ素剤を飲む目安としている50ミリシーベルトを超えたのは5人。

 このうち数値が最も高かった人は浪江町に残った成人で87ミリシーベルト。次いで浪江町に2週間滞在後、福島市へ避難した成人が77ミリシーベルトで、15歳以下の最高値は47ミリシーベルトだった。

 甲状腺被曝は局所的で、全身被曝とは異なる。床次教授は「リスクがないとは言い切れないが、チェルノブイリ原発事故などと比べて低い数値だ」と指摘。時間がたつと被曝状況の把握は難しくなるため「国が住民の甲状腺を長期的にチェックし手厚くサポートすることが重要」としている。

〔共同〕