【北京=山口香子】グリン・デービース米政府特別代表(北朝鮮担当)は22日、北朝鮮の核問題を巡り23日に行われる米朝協議出席のため、北京に到着した。
デービース氏は到着後、記者団に対し、核問題を巡る6か国協議再開の見通しについて「(再開に向けて)前進できることを望む」と述べ、米国側が6か国協議再開の前提として要求してきたウラン濃縮停止などの条件で、北朝鮮が譲歩することに期待感を示した。
金正恩(キムジョンウン)体制下で初めてとなる米朝協議について、デービース氏は、「比較的早期に(米国との)対話再開を選んだことは、前向きなサインだ」と述べた。一方で、「対話のための対話はしない。(北朝鮮が核放棄を約束した)6か国協議共同声明を順守するという姿勢を見たい」と強調した。
(2012年2月22日21時56分 読売新聞)
核問題巡る米朝直接協議を北京で開催、金正恩氏体制で初
2012.02.23 Thu posted at: 15:48 JST
(CNN) 北朝鮮の核開発問題に関する米朝間の直接協議が23日、北京で開かれた。米朝協議は昨年10月以来で、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が昨年12月に死去し、息子の金正恩(キム・ジョンウン)氏が最高指導者に就任してから初めて。
今回の協議は23日だけの予定。米国はデービース米北朝鮮政策特別代表、北朝鮮は金桂寛(キム・ゲグァン)・第1外務次官が代表として参加した。協議では、米国が一貫して求めるウラン濃縮の即時停止に対する北朝鮮の対応が大きな焦点になるとみられる。ウラン濃縮で北朝鮮が柔軟姿勢を見せた場合、北朝鮮核問題を巡る6者協議の再開への道筋が生まれることも予想される。
米政府は今回の協議開催が実現したことについて対米交渉への北朝鮮側の意欲を示すものと分析、同国が核開発問題に対する国際社会の懸念の解消に応じることを期待している。
デービース代表は22日、北京に到着後、北朝鮮との交渉を前進させる方途が見付かることを望むと表明。協議では、核問題のほか核非拡散、人権や人道問題にも触れる考えを明らかにした。
米朝間では金正日総書記の死去前、北朝鮮がウラン濃縮活動を中断し、米国が見返りに食糧支援の再開に踏み切ることで合意が煮詰まっていたともされる。しかし、総書記の死去でこの合意が棚上げにされる事態となっていた。北朝鮮はその後、韓国などに対し金正恩氏の新体制で政策の変更は一切ないとも警告していた。
総書記死去後初の米朝協議へ
2月23日 5時48分
アメリカと北朝鮮は23日、キム・ジョンイル総書記が死去して以来初めてとなる、核問題を巡る直接協議を、中国の北京で行います。
アメリカとしては、後継者のキム・ジョンウン氏の下、北朝鮮指導部が非核化に取り組む意思があるかどうかを慎重に見極めたい考えです。
北京での協議には、アメリカ政府で北朝鮮問題を担当するデイビース特別代表と、北朝鮮のキム・ケグァン第1外務次官が出席し、午前中は北朝鮮大使館で、午後はアメリカ大使館で行われる予定です。
北朝鮮が、キム・ジョンイル総書記の死去後初となる、アメリカとの直接協議に臨む背景には、キム・イルソン主席の生誕100年を記念する一大イベントを4月中旬に控え、アメリカから食糧支援を取りつけて、慢性的な食糧不足を改善させたいという思惑があるものとみられています。
一方、アメリカのデイビース特別代表は22日、北京に到着した際、「北朝鮮の新しい指導部が非核化に取り組む準備ができているかどうか聞きたい」と述べ、北朝鮮がウラン濃縮活動の停止や、IAEA=国際原子力機関の査察の受け入れなど、非核化に取り組む姿勢を示すのか、慎重に見極めたい考えを示しました。
今回の協議は、後継者のジョンウン氏の下、北朝鮮指導部と初めて行う協議となるだけに、今後の米朝関係の行方を占ううえでも注目されています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120223/t10013221191000.html