1月21日 11時34分
アメリカの大手格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」の国債格付けの責任者がNHKのインタビューに答え、日本は今の国債の格付けを維持するためにも、早急に財政再建に取り組むべきだと警告しました。
大手格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」は、先週末にフランスなどユーロ圏の9か国の国債を一斉に格下げする異例の対応に踏み切るなど、その動向が市場の注目を集めており、日本国債については去年1月に上から4番目の水準に格下げしています。
「スタンダード・アンド・プアーズ」の国債格付け部門の責任者ジョン・チェンバース氏は、NHKのインタビューに対し、「日本は今後、財政再建のために歳出を減らし、通常の財政状態に戻すことが必要となる」と述べ、日本は今の国債の格付けを維持するためにも早急に財政再建に取り組むべきだと警告しました。
そのうえで、「歳入面での選択肢となる消費税は、徴収しやすく非常に効率的な税制であり、ほかの税金とは違って景気に悪影響を及ぼすことはないと考える」と述べ、消費税の引き上げも含めた議論の行方を見守りたいという考えを示しました。また、格付けを決定する要素の1つとして政治の状況も考慮するとしたうえで、「日本の政治状況はアメリカやヨーロッパと非常によく似ている」と述べ、与野党の対立により、財政再建へ向けた重要な意思決定ができない日本の政治状況に懸念を示しました。