10日未明、警視庁に出頭した元信者の女が、オウム真理教の平田 信容疑者(46)の逃走を手助けしていた疑いが強まり、警視庁は、元信者の女の逮捕状を請求した。
犯人蔵匿の疑いで警視庁が逮捕状を請求したのは、オウム真理教の元信者・斎藤明美容疑者(49)。
斎藤容疑者は、警視庁の調べに対して、東大阪市内の整骨院で「吉川祥子(よしかわ・しょうこ)」という偽名で働き、平田容疑者をかくまっていたと供述しているという。
通院していた人は「10年前にわたしが来た時から、(斎藤容疑者は整骨院に)いらっしゃいました。まさかそんな、吉川さん(斎藤容疑者)がそんな人だとは思えないし」と話した。
警視庁はまもなく、斎藤容疑者を犯人蔵匿の疑いで逮捕する方針。
(01/10 14:09)
「平田容疑者と東大阪に潜伏」女出頭 元教団看護師か
警視庁、犯人隠避の疑いで取り調べ
2012/1/10 10:05
公証役場事務長の監禁致死事件で逮捕されたオウム真理教元幹部、平田信容疑者(46)と一時共に行動していたとされる元教団看護師(49)を名乗る女が10日未明、警視庁大崎署(東京・品川)に出頭した。捜査関係者によると、女は「平田容疑者をかくまっていた。大阪府東大阪市にいた」などと話しており、同庁は身元確認を急ぐとともに犯人隠避の疑いで取り調べる。
捜査関係者によると、元教団看護師を名乗る女は10日午前3時ごろ、平田容疑者と面会を続けている滝本太郎弁護士に付き添われて大崎署に出頭した。「東大阪市に平田容疑者と共に潜伏していた」などと話しているという。
元教団看護師は平田容疑者と親しかったとされ、警視庁は同容疑者の逃亡生活を支えていた可能性があるとみて所在を探していた。
平田容疑者と元教団看護師の足取りを巡っては、2人に似た男女が1995年7月に福島県猪苗代町のコテージに滞在。元教団看護師は同年11月から翌96年2月まで仙台市宮城野区の料理店に偽名で勤務し、平田容疑者と同市内のアパートで同居していたとされる。
その後の足取りは途絶え、昨年12月31日深夜に平田容疑者が警視庁丸の内署(東京・千代田)に出頭するまで2人とも行方が分からなくなっていた。
元教団看護師は病院などで看護師として勤務した後、93年にオウム真理教に入信。教団の「治療省」に所属して教団付属医院で働いていた。
平田容疑者とは別の教団信者の男に逃走資金を渡した犯人隠避容疑と、仙台市で就職した際に虚偽の履歴書を提出した有印私文書偽造・同行使容疑で指名手配されていたが、ともに公訴時効が成立している。
平田容疑者は逮捕後の取り調べで、17年近くに及んだ逃亡生活については「人に迷惑がかかる」などとして説明を拒んでいた。
警視庁は駅などの防犯カメラの映像などから平田容疑者の出頭当日の足取りをたどり、関西方面に潜伏していた可能性があるとみて調べていた。
「平田容疑者と大阪府内に潜伏していた」
オウム真理教元幹部の平田信容疑者(46)をかくまっていたとされる元女性信者は「平田容疑者と14年以上、大阪府内に潜伏していた」と話しているといい、2人の逃亡を許す形となった大阪府警には衝撃と戸惑いが広がった。
元信者が潜伏先として挙げた同府東大阪市内の警察署の幹部は「テレビを見て知った。警視庁に聞いてほしい」と驚いた様子。オウム関連の情報収集に当たる府警警備部の幹部も「警視庁や警察庁から情報がなく、どうしていいか分からない」と戸惑っていた。
平田容疑者が昨年の大みそか、大阪府内から電車を乗り継いで警視庁に出頭した後も府警への応援要請はなく、公式ルートで情報が下りてくることもなかった。“静観”を決め込んでいたが、ある幹部は「詳しい状況が分かってくれば、なぜ発見できなかったのかや情報収集の在り方について検証が必要になるだろう」と話した。
平田容疑者が元信者と住んでいたとみられる同市内のマンションには10日、警視庁の捜査員が次々に集まり、近隣住民らは不安そうな表情で出入りを見守った。近くの女性は「まさか(平田容疑者が)住んでいたとは。本当にびっくり」と話した。
マンションは大阪府内を東西に走る地下鉄中央線高井田駅に近い住宅街にあり、近隣住民らの話では駅利用者など人通りが多い。(共同)
[2012年1月10日11時52分]
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